2008年07月24日

ニュースソースとしてのalexaWEBサイト

先日報じられた「ニコニコ動画のアクセス激減」についてのニュースにて、下のアクセス推移グラフを見た時に

alexa.jpg

6月頃に、ニュース内で推測されているような要因でアクセスが激減したとして、その後また増加している理由は何故?説明がつかないのでは?と腑に落ちない部分があった。
で、その引っかかっていた点が、下の記事で大体氷解した感じ。

Alexaを信用している日本人がいまだにいるのに驚きだ。
続:Alexaを信用している日本人がいまだにいるのに驚きだ。 (hachimitu blog)

そもそもAlexaの仕組みは、ご存知だとは思うが「Alexaツールバー」をインストールしたユーザーの閲覧履歴を集計した結果が基本である。(それ以外にも、収集経路はあるようではあるが)

さて、考えてみて欲しい。

* あなたはAlexaツールバーをインストールしていますか?
* もしくは、Alexaツールバーをインストールしている人を何人知っていますか?


おそらく大多数の日本人が、インストールなんてしてないし、インストールしている人に出会うこともないはずである。

(中略)

「Alexa自体が信用できない」とまではいわない。「Alexaツールバー」のインストール数が多い北米のサイトの比較根拠としては、現実とそれほど乖離していないはずだ。

(中略)

まとめるが、「日本のサイトデータを検証するのにAlexaは意味がない」。
日本のサイトデータ(視聴率)を検証するなら、ちゃんと日本の各社が視聴率データを提供している。


なるほど。
確かに私の周囲でPCブラウザ画面を覗かせてもらった範囲内ではalexaツールバーを入れている様子を見たことがない。
というか、よほどアクセス解析に興味のある向きでなければサービス名自体を知らないという方の方が多いのではないだろうか?
第一、alexaの日本語用ページや、alexaツールバーの日本語版すらないので、常用している方はかなり少なく、インストールの機会もかなり限定されるものと思われる。

また、利用者のトラフィック・アクセス情報を外部に送信するというふるまいをするということで、スパイウェアとみなされて、セキュリティソフトによって警告・または削除されることもしばしばだという。

そのように北米寄りに偏ったalexaユーザーであっても、一時期アクセスが減ったことは、グラフだけ見れば確かに事実。
しかし、続編の記事では、問題となっている6月中の時期に、alxaの視聴率集計値が明らかにおかしい動きを示しており(記事中で例に挙げられている大手サイトのうち、Yahooは激減、GoogleとHatenaは激増し、7月に入るあたりでその前とほぼ同じ値に戻っている)、alexaシステム内部に何らかの問題が発生し、秀K結果に乱れが生じたと考えるのが自然では?と示されている。

ここでニコニコ動画のアクセス変移グラフを見ると、上記のYahooやGoogleでは謎の激増・激減があったものの、7月に入った頃にはその前と同じ値に戻った上でプラトー状態なのに対し、ニコ動の視聴率は7月に入ってから下降線を描いており、ゆるやかに減少していることがわかる。
ゆえに、「以前のような右肩上がりではなく停滞・もしくは減衰期にさしかかっているのでは」という分析は可能だが、alexaの6月の状況を見較べると決して「激減」とは呼べない状況に思われる。

これまでalexa調べのデータについて深く考えたことはなかったが、

・英語圏・あるいは英文のサイトならまだしも、日本のサイトのアクセスデータとして、それを語る記事のソースとして全幅の信頼が置ける性質のものとは言えない
・大きな変化があった場合、同サービスで他のサイトについても同様の変動がないか、他サービスではどうなっているかを併せて検証する必要がある

という2点についてとても勉強になった。


一応確認がてら書いておくと、まあ確かに私はニコ厨の類なんだろうとは思うけれども、「ほーら見ろニコニコのアクセスが減るなんてありえないもんね!」とか言いたいためのエントリではなくて、集計ソースの信頼度ってもっともらしく語られると盲信してしまいがちだけども、正しく知る努力は必要だよなという話として書いているつもりなんだな。
元ニュースで語られているような、ニコニコ動画の変質や以前からのユーザーの不満点などは日々実感している部分もかなりあるし(特にニコニコ内で派生したネタをネタ元にした派生動画の多さは、確かに新規ユーザーにとっては内輪すぎて入っていけないし、またそれを好まない層からも自家撞着が強すぎて見てらんないと感じることも増えたと思う)。
ただ、学校が夏休みの時期に入るため、天下の夏厨が猛威をふるって、アクセスも有難くない増え方をする可能性が高いだろう。


アクセストラフィック解析の6月周辺のニュースとしては、たぶんalexaの変な動きには関係ないだろうけども、この辺りが少し気になった。

TechCrunch Japanese アーカイブ » Googleがトラフィック統計参入、Compete、Alexa、Comscore、Quantcast(間もなくFirefox)に対抗

一方、中国のネット界でのalexaの権威はものすごいらしく、とんでもない剣幕でランキングの上下に一喜一憂しているという。

Alexaの結果に一喜一憂する中国インターネット業界:コラム - CNET Japan
posted by 大道寺零(管理人) at 02:39 | Comment(2) | TrackBack(0) | WEBサイト
この記事へのコメント
グループウェアの開発販売で有名なサイボウズの秋元さんも同じご意見を発表してました。

秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ
「Alexa(アレクサ)でニコニコ動画のアクセス数が下がってるって本当?」
http://labs.cybozu.co.jp/blog/akky/archives/2008/07/niconico-on-alexa.html
Posted by 水天堂 at 2008年07月24日 14:19
>>水天堂さん

流石プロ、まとまっていて分かりやすい文章ですね!ご紹介ありがとうございます。
リンクにあった「徹底解析講座」も勉強になりました。
ニコニコやYouTubeの場合、TubePlayerのような専用プレイヤーブラウザツールもいろいろ出ていますし、Alexaの集計範囲外になることも多いですよねー。
Posted by 大道寺零 at 2008年07月25日 09:59
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