●スポーツ中継を殺す「放送の独占」と「過剰演出」(後編) (日刊サイゾー)
実況の名手である倉敷保雄氏(現在フリーアナウンサー)が語っている内容にいちいちうなずかされるばかり。ここ10年くらいのTVスポーツ中継で疑問を感じた、あるいはウンザリさせられる点のほとんどが分かりやすい言葉で表現されている。
特に↓の部分は国際大会、とりわけオリンピックの競技放映でもっともイラッとさせられることだ。
「演出」も大きな問題点です。サッカーW杯の中継でテレビ朝日が「絶対に負けられない戦い」というフレーズを連呼して視聴率を取った。そういった演出自体はいいけれど、他の局までがそのマネをしてしまう。その悪影響がモロに06年トリノ五輪に出てしまいましたよね。各テレビ局が高い権利を買った競技で、メダルなんか取れない可能性が高いのに「この選手がメダルを取る!」なんてフレーズが数多く飛び交って“ウソツキ中継”をやっちゃった。本来、スポーツというのは、「足が速い」というだけで感動的なはずなんです。日本人選手がダメだとしても、織田裕二さんみたいに「スゲー!!」と驚いて感動できるものなんです。にもかかわらず、日本人選手というスポットだけに注目して、結局、誰が勝ったのかわからない中継をしてしまうのは、スポーツ中継、スポーツ文化そのものの退廃ですよ。
スポーツ中継は可能な限りNHKで見ている。CMも入らないし、特に野球は不要なタレント(目的は番組宣伝)トークや過剰演出がないので落ち着いて見れる。
そんなNHKだが、昨日はオリンピックの女子サッカー戦を放映するために、ハーフタイムに合わせてニュースを簡易版にして前倒し、午後7時のニュースは完全にサッカーに取って代わられた形になった。
……これまで、いかに日本代表出場戦とはいえ、19時ニュースをまるまる明け渡して放送したことってあっただろうか?(途中でマメにはさむことはあったが)毒餃子事件の新情報についてNHKが"19時のニュースで"どう報じるか、興味を持って待っていたのに…
やはりNHKの今年の北京オリンピックへの追従ぶりはどこか異常なものを感じずにはいられない(先日のメジャーリーグオールスターでは試合をぶった切って「瞳」の再放送をするなどの惨状を提供してくれたというのに)。大規模な事故や災害などと同様の扱いをするのはどうしたっておかしいのでは…
単に「視聴率重視」というならまだ納得できるけれども。