繋温泉を出て盛岡へ、そのまま三陸方面を目指す。途中のガソリンスタンドでも比較的安く給油できて幸先がいいように思われたのだが、ここでトラブルに気付く。
昨晩駐車場で車の腹を駐車場前の段差に打ちつけた際に、ガソリン給油口〜タンクに至るパイプの部分を損傷したらしく、入れたばかりのガソリンが漏れ出していた。
慌てて地図で近くのディーラーを探して、応急処置だけでもしてもらえないかと駆け込む。
自動車関係のお盆休みは結構長いので不安だった。案の定営業は休みだったが、車検作業用に整備ブースと営業所の入口が開いていたので、お願いして入れてもらう。若い営業の人と整備士さんが一人ずつ留守番のような感じで店内にいた。なにしろ部品屋も休みなのでどうにもならないのだが、できるだけのことはしてくれるという。
ガムテープの類を試してもガソリンで溶けてしまうので、最後にはガスケットを入れて応急処置をしてくれた。ガソリンが一定量減れば漏れはなくなるので満タンにせず少しずつ入れて走ること、一両日は持つと思うが過信せずに帰ったらすぐに修理に出すようにとアドバイスをもらう。急で迷惑な客(ですらないが)だったろうに親身に対応していただいて本当にありがたかった。
結果として、処置後はほとんどガソリンが漏れ出すこともなく家までたどり着くことができた。スタッフさん本当にありがとう。
ここで1時間ちょっとのロスが出たものの、結果的には御の字といったところ。私はこの状態でロングドライブをするのはいささか不安もあったのだが、どちらにしろこの車で山形まで帰らなければならないのだし、ガソリンがこのままガスガス減り続けたり、異変が起こった時にまた予定を考えよう、ということで結局龍泉洞へ向かう。
宿の方が「最近は道路が良くなったから」と言っていた通り、岩泉へ向かう道は、カーブはあるもののなかなか悪くない。
途中の観光地めいたものはあまりないのだが、岩洞湖などの風景は気分的なアクセントになる。撮れなかったが、古い看板類もちらほら見られた。
ちょっと面白いと思ったのは、県南〜盛岡では圧倒的に小沢一郎+民主党のポスターが多いのに対し、段々と中央〜三陸方面に走るにつれて、鈴木善幸の二代目(これがまたよく似たおもざしで一目瞭然)の顔が増えてくるということ。「岩手にいるんだなー」という実感がある。
早坂高原のところはトンネルができてかなり道行きが楽になったという。なるほど地図を見れば、急ぎたいときに高原のクネクネ道をショートカットできるのはかなり大きい。
11時後半に龍泉洞に到着。とりあえず見学をしてからご飯ということにする。
車はまたも観光会館の有料に停めてしまったのだが、やはりほどよく遠いところに公営の無料駐車場があった(と後から知る)。
詳しくはこちらのMAP。
見学の道筋を考えると、新洞科学館わきの駐車場が場所的にもベストだと思う。
龍泉洞に入った瞬間、かなりの涼しさに驚く。冷房が苦手な人なら確実に「寒い」と感じるレベルだ。
ここに来たことがある母から、「龍泉洞行くなら、薄くていいから長袖の上着と、滑らないスポーツ系の靴履いていかないとダメだよ」と言われていたのだが、確かにその通りで、準備してきて良かった。
上から水滴が垂れてくることもあるので、帽子かフード付きの上着だといいかと思う。
流石に人は多いのだが、涼しい中快適に見学していく。
さまざまな鍾乳石が圧巻なのだが、けっこう先が折れているものも多い。
ホームページを事前に読んだとき、
「地震の影響で、地底湖の透明度が下がっています」
とあり、それでも3週間も経てばある程度戻っているのではと思ったのだが、残念ながら写真などで見る深いブルーには遠く及ばなかった。
それでも上からそこを窺うだけでなかなかの雰囲気がある。
やはり地面ごと攪拌されたものはそうそうすぐには戻らないということか。
龍泉洞を出て、そのまま共通券で見学できる「新洞」へ。
正直あまり期待していなかったのだがこれがなかなかどうして。さまざまな鍾乳石の様相を間近に見られ、湖や滝はともかく、鍾乳石を楽しむだけならむしろ新洞の方が上かもしれない?とすら思えた。
残念ながら写真撮影禁止の区域が多かったので撮っていない;
こちらは龍泉洞よりも狭かったりアップダウンが多かったりするので、背が高い人は中腰を強いられるシーンが多く疲れるかも。チビでちょっとだけ得した。
入場料は、新洞込みで1000円。JAFカードで1割引きあり。
また、観光会館で食事やお土産を買う予定があるのならばセット券がお得らしい。
→龍泉洞公式サイト
岩手には様々な鍾乳洞があるが、ここは平服(ヘルメットや長靴装備の類は必要ないという意味で)でこれだけの景観と自然を観察できるという点ではやはり知名度通りピカイチだと思う。
かなり肌寒く滑りやすい個所もあるので
・薄手でもいいので、長袖のはおれるもの
・帽子(上着にフードがあるなら不要かも)
・スニーカーなど、スポーツ系で滑りにくいゴム底の靴
を忘れずに。