磁気活水器に関しては、今回の国民生活センターでの試験結果が出る以前、2005年にも東京都から不当表示の可能性について検証を受けている。
その結果、
【水の構造に対する効果】
* 「水のクラスターが小さくなる。」
【水の性質等に対する効果】
* 「水がおいしくなる。まろやかになる。」
* 「水道水に含まれる有害物質を除去する。」
* 「カルキ臭を抑える。」
【水を利用する際の効果】
* 「炊飯に使うと、ご飯がおいしく炊ける。」
* 「コーヒー、お茶、水割りなどがおいしくなる。」
* 「野菜を洗うと、野菜についている農薬をよく落とす。」
* 「植物の生成が早まる。切り花が長持ちする。」
* 「お風呂に使うと浴槽に垢がつかない。体がよく温まる。」
* 「洗濯に使うと少ない洗剤で汚れを落とす。」
等の(パンフレットやWEBサイトでよく聞く効能に関する)記述内容に関して、
・客観的事実に基づいた表示であるとは認められず、景品表示法に違反するおそれがある。
・クラスターが小さくなるとなぜそのような効果・性能が得られるのか、その因果関係について客観的な事実に基づく説明は得られなかった。
また、実際に「おいしくなる」等の効果があることの根拠として、利用者等のアンケート結果や食味試験等によるものが多かったが、いずれも、客観性が確保されているとは認められないものであった。
と検証されている。
詳細な内容は都のページ
・「活水器」の表示に関する科学的視点からの検証について
に詳しく、水商売マシン業者の得意技である「クラスターが小さい水は〜〜」という言葉の怪しさについても分かりやすく解説してあるのでお勧めだ。
現在磁気活水器販売業者の多くは、「塩素やトリハロメタンを取り除く」という謳い文句は外し、「まだ原理の説明は確立しておらず、鋭意調査中なんだけれどもとにかく多くの人が効果を体感しているのはホントなんです」というような表現に改めているようだ。
例:磁気活水器協会のサイトより
また、磁気活水の根本的な理論についても、いくつかの説はありますが、現時点では
『不明』と申し上げる他なく、理論体系の確立と評価方法の確立は当、日本磁気活水器
協会が設立されました目的の最も大きな目標なのです。
ただ、その「そうなる原理はよく分からんがとにかく凄いパワーだ」という部分が、単なる「使用感」や、二重盲検法などを用いてプラセボの可能性を排除していない状況でのアンケート、母数が少ない集計や状況等が明らかにされていない実験結果の自己申告ばかりであてにならん+塩素やトリハロメタンを除く力もない(注:活水器の中には最初から、「浄水器じゃないから塩素やトリハロメタンは除けないですよ」と明記しているメーカーもあるので、この辺の表現は各社によって異なる部分)となれば、
「結局その水・そのマシンってなんなの?」
というのがごく単純な感想。
水にはわずかながら反磁性(磁石に反発する力)がある。この現象は、日用品として使われるレベルのマグネットでは目視できるほどに至らないが、強力な磁石だとかろうじて確認することができるという。
ハードディスクやモーターに用いられる、現在最強レベルと呼ばれる「ネオジム磁石」を使った実験が雑誌「NEWTON」に紹介されたことがあり、磁気活水ビリーバーが好んで引き合いに出す事例(注:この実験自体はトンデモでもなんでもない)の一つだ。
フェライト磁石と比べると100倍の重さの鉄を持ち上げることができるというネオジム磁石は、通常の磁石に反応しない鉄以外の強磁性体・あるいは反磁性帯に対して反応を起こすことができる。
例えば、偽造防止のために紙幣に用いられている特殊インクには微弱な強磁性があるので、ネオジム磁石を近づけて引き寄せることができる(これはマジックのネタとしても利用されているという)。
同様の結果として
# シャープペンの芯にネオジム磁石を近づけると、芯は引きつけられる。
* シャープペンの芯に含まれる粘土の成分が反応するからである。
# 切符にネオジム磁石を近づけると、吸い付いて持ち上がる。
* 切符には磁気インクで情報が書き込まれているからである。
o ただし、切符に磁石を近づけると磁気データが壊れることがあるので注意。使い古された切符でためそう。
# 1円玉にネオジム磁石を強く押し当ててから、勢いよく引っ張りあげると、1円玉が持ち上がる。
* ネオジム磁石を急激に動かすことで、1円玉の中に一瞬電流が流れ、磁力が発生するために起きる現象である。
(ネオジム磁石 - Security Akademeia)
というようなものが挙げられている。
その中に、
# やじろうべえの先端にキュウリを付けて、キュウリにネオジム磁石を近づけると逃げていく。
* 水には磁力に反発する性質があり、キュウリ内の水分がネオジム磁石に反発するために、こうした現象が起こる。
# やじろべえの先端に玄米入りシリアルを付けて、シリアルにネオジム磁石を近づけるとくっついてくる。
* シリアルの中の鉄分がネオジム磁石にひきつけられるために、こうした現象が起こる。
というものもある。特に前者は、水の反磁性を示す面白い実験で、小学生あたりに見せたら結構喜びそうだと思う。
キュウリを使うのは、水分量が多い野菜の代表だからであり、やじろべえを用いるのは、その反発力が非常に弱いため、ただ単にキュウリにネオジム磁石を近づけただけでは反応を得ることができないから、とされている。
ニュートン誌上では、こうした実験結果について、
ネオジム磁石以外では動かない。最強磁石だからこそ動くのである。
と記述がある。
「磁石に反応するのは鉄などの一部の金属だけ」と習った常識で育った私たちの世代にとってはなかなか新鮮な驚きで、さらにその最強磁石が意外に身近な製品の中で働いているという事実はとても面白い。(HDDやモーターの他、魚群探知機やエレベーターのセンサー、スピーカーなどなど)
この実験は、活水器販売サイトの説明に引っ張られると一気に話のネタとして尾ヒレも背びれも付いて語られることになる。
以下、水商売ウォッチ界では天羽氏とのバトルで超有名な「マグローブ」の吉岡氏のサイト内、「ニュートン記事」のページではこんな風に展開している。
(バトルについては「水は変わる」のお茶大提訴問題 - Skeptic's Wikiを参照のこと。また商品の販売方法については、現在は選択式ながらネットワークビジネス・MLMの形式が取られている。
[取次店システム紹介]
[販売方式][要件・報酬など])
強い磁力を受けたキウリの中の水分は、磁力を浴びる前とは変わってしまっています。そして、その変化した状態は、かなりの期間持続します。
Newton誌上では、単に「水の反磁性によってキュウリが微妙に動いた」と記述があるだけで、その水分がどうなったか、キュウリから抜けてしまったのか、実験前と後の水分量や重量の比較については何も言及されていない。
また、「変化」があったとして、その状態が持続したかどうかも触れられていないのに、「かなりの期間持続します」と言いきっているのはなぜか。
なぜかと等ならば「磁気を通せば水は変わって、その影響は減衰しながらも持続する」というのが吉岡氏が提唱する理論だからなのだけども、このキュウリの実験でそれが確認されたかどうかは別問題で、むしろその水分量の変化等について、同様の状況で実験して結果を示すなどの資料があればまだしも、ちょっと論理展開がおかしいように思う。
敏感な人なら、磁石で動いたキウリを食べると、磁場を浴びる前とは味が変わっていることに気づくでしょう。ほかにも、さまざまな食品が、磁力によって味に変化が生じます。
いずれも、その食品の中の水分子の構造が変化したためだと考えられます。
その変化は、成分の変化ではありません。磁石を近づけただけでは成分は変わりようがありませんから、味の変化は、水の分子レベルで、なんらかの構造変化が起きた結果と考えるのが合理的でしょう。
この文面だけを言うなら、「敏感な人なら気付くでしょう」というのは、まさに「裸の王様」的な弁舌術・心理操作のレトリックの典型だ。
「自分は一般人よりも"違いの分かる"人間でありたい、その才覚があるはずだ」という願望や優越感をくすぐって、何でもないものを高く評価させる時の、「お客様、お目が高い!」的なトーク。「目利き」であることが評価の対象となる骨董の世界でよく騙しの常套句として使われるのはご存知の通り。
漫画で言えば白土三平の忍者漫画で多用される
「賢明な読者ならお気づきであろうが…」
という言い回しなどもその代表例で、多少強引な忍法の種明かしであっても、これが出てくると、誰に語るわけでもないのに
「あ〜やっぱりなあ、半分ぐらいまで読んだあたりから、そーじゃないかと思ったんだよね〜」
とやたら言い訳がましい感じで納得してしまう。やっぱりどちらかといえば「賢明」でいたいのが人情なのだ。
ましてこのキュウリを、実験するところを見せておいてそのまま食べさせるというならば、多かれ少なかれ
「あんなに強力な磁石を近づけたんだから何か変わってるかも」
「むしろこれ、食べても大丈夫かな?」
というように、「何らかの可能性」を予想して食べることになり、この時点でプラセボの準備は十分に完了している。
さらに「鋭敏な味覚の人なら分かると思いますが…」と匂わせられれば、ほとんどの人が「うん、確かに違うね」というところに落ち着いてしまうことだろう。こうしたやり方(を用いるならば)で得られた味の感想はフェアで信頼に足るものとは言い難い。
また、「味の変化」が即「水の変化」、それも「水分子の変化」に直結する理由も全く不明な文脈だ。
水分や水の質は味に大きな影響を与える。
しかしいかに水分量の多いキュウリにしたところで、水だけでできているわけではなく、さまざまな物質が含まれていて、それが総合的に組み合わされて感じるのが「味」なのだから、
・キュウリに含まれるすべての物質・分子と組成の割合
・含有物質全てについて磁性の特徴を整理
(磁石に引き寄せられるのか反発するのか反応しないのか)
・各物質がネオジム磁石に反応した結果どうなるのか
というデータを示さなければ、「味の変化は水(分子)の変化」とは限定できない。要は、「ネオジム磁石に反応するのは水だけではないはずなのに、それがまったく無視されて水だけの話になっているのはなぜか?他の物質を無視できるというのならその理由は何か?」。これがこの文章を読んだ「一主婦」の疑問であり、それに対して「田舎のおばちゃんにも分かるように説明」できないのであれば商品原理説明ページの意味がないのではなかろうか…
さらに言えば、「味が変わる」という表現もあいまいすぎてかなり嫌らしい。
キュウリについて考えれば、味や香りの主な構成要素は
・甘さ
・渋さ(最近のキュウリは品種改良によって全体的に甘くなったが、ヘタの部分などに若干渋さを感じる)
・青くささ(ウリ科特有の香り)
や、
色(色素も磁石の影響を受けるのか)、表面や内面の硬さ(食感にダイレクトに影響する)など、具体的な情報(バラバラならばそのように)として表現できそうな気もするのだが。
成分が変わらないのに味が変わるはずがない、と考える人もいるでしょうが、味の信号は、舌に伝わる時も、舌から脳に伝わる時も、電気信号ですから、食品などから発信される電気信号が、発信源の構造変化によっても変化することは十分考えられることです。
マグローブで起きる水の変化も、これと同じです。
それは成分の変化ではなく、水の分子レベルでの構造変化であり、その変化には持続性があるのです。そのように変化した水、そのように変化した状態を「磁気活水」と呼びます。
磁気活水が人や動植物にとって有用であるかどうかは、別の問題ですが、これまでの数十万人を越える人々の「磁気活水体験」では、人や、人に親和性のある動植物に悪いことは起こっていません。いいことばかりが起っています。
ただし、風呂場のカビとかは磁気活水を好まないようで、家の水が磁気活水に変わると、数が減ってゆきます。
何か、生命の棲み分けというものがあるようです。
この手の水の話で一番胡散臭いと思うのが、この「人間にとってあまりに都合のいい使用感」というやつで、
「花や作物はよく育つが雑草は生えない」
「熟成や発酵のスピードが増すが、腐敗はせず、カビも生えない」
など、その選別があまりに「うまい話」に過ぎるのが気になるのだ。
同じ菌や微生物にしても、使用目的一つで益にも害にもなる。
これを書くと某菌漫画の受け売りとバレバレなのだが、日本酒作りには天敵だがワイン作りにはなくてはならない菌というものもある。「磁石様の選別能力」はそういった見分けまでも成し遂げなさるのだろうか?
水に限らず、磁力や石の類が絡んだ健康法・占い・食品などのセールストークの定番が、
「地球はそれ自体が大きな磁石であり、私たち人間もその上に住む自然の一部なのです」
「だからこの"磁気ナンタラ"は自然が元来持つパワーをあなたに還元し、健康になったり美しくなったり運気がアレするお手伝いをするのです」
という類のものだ。
しかし、一般に有害とされる虫や菌・微生物、カビ・サビ・汚れの類にしたところで「地球の同胞の一部」なのは同じことなのだが…
磁力に限らず、そうした理論を標榜する製品の信奉者にとっては、(まあマイナスイオンでもなんでもいいのだけど)それがまるで「地球や自然界の見えざる手」であるかのような持ち上げぶりだ。しかしそれでいて、余分な塩素を取り除く力は確認されていないらしいのだが。
もう一つ取り上げられるマグネットパワー実験として、「磁石で果物が甘くなる」というものがある。
これは新聞記事をきっかけに中学生たちが実験を行った結果をまとめたものが本にもなっている。
この実験の中に「磁性水」が用いられていることで、磁性水(器)売りやビリーバーがよく持ち出す話題の一つだ。
こちらのページ(管理人はどうも上記のマグローブのガチなビリーバーらしい)にその実験についてチャートで示してある。
これはこれでけっこう面白い実験だ(なお、この実験では強力なネオジム磁石ではなく、ピップエレキバンに用いられるフェライト磁石を用いていたという)。
しかしこの実験で得られた結果として確実に言えそうなのは、
「果物や野菜に磁石を当てると(当てた面の、あるいはその実の)糖度が変わる」
ということでしかない。
チャート図を見る限り、小学生たちの結論は
「磁石を当てると液がよく動く」
「同じようにエチレンガスを当てた場合、磁石入りの方がよく成熟ホルモンを分泌するらしく、早く熟す」
ということになっているようなのだが、
「液」の内容を「H20のみ」ととらえていいのか、またエチレンガスと磁石の両者間の関係はどうなのかについては言及されていない。
また、「磁性水に入れた花が長持ちする」についても、その結果を疑うつもりはないのだが、「その水が本当に磁気を当てたことによって変化したのか(そしてここが磁気活水に関する論争の肝の部分らしいのだが)、どのように変化が確認されているのか」が確定されておらず、「磁石を通じて性質が変わった水だという触れ込みだからそうなのだ」という程度の前提ではやはり実験自体に問題がありそうな気もする。
そしてこの実験によって分かった「確からしいこと」は、
「野菜や果物に磁石を当てて育てるといいらしい」
「エチレンガスで成熟させる場合、磁石を入れるとよりいいらしい」
ということであって、
「磁石の影響で水そのものが変化した」
という現象を証明するものにはなりえないのではないか?
ここまで実験をやりおおせた中学生の知的好奇心や科学的探究心には素直に脱帽するが、大の大人が「ホレ見たことか」と水商売に利用するのもどうか、するならするで、もうちょっと追加実験なり補足説明が必要ではないかと思うのだけど。
なお、このページの作者によれば
一度、地下水になった湧き水や井戸水は、美味しく良い水であったのです。(磁気処理されていたのでしょう)
とか、
味覚が変化するほどの、物質への影響が磁気処理水には有るという事です。しかもボールやコップの壁を突き抜けて内容物にまで届くのが解ります。
とのこと。突き抜けちゃうんですかー。磁石の持つ磁力じゃなくて、「処理水」のパワーが。すっっごいですねー。
と、このように長々と書いてきたのは、mixiでちょっと検索したら、磁性水ビリーバー…というかもろに販売に携わっている人が、今回の国民生活センターの検証の報道について、これらの実験を引き合いにしてあまりにも面白い日記を書いていたからなのだ。
国民生活センターの実験は、JISによって定められた浄水器の試験のための規格「JIS S 3201(家庭用浄水器試験方法)」を参考に行われた。これは、「浄水器」ではない「活水器」という名称はそもそもメーカー側が任意に名乗っているものであって、定められた定義や条件もなく、当然統一試験規格も存在しないためである。
また、2005年の東京都の検証ページには
※「残留塩素を除去する」と表示している場合には、商品名が「活水器」であっても、家庭用品品質表示法の指定品目に該当し、JIS規格に基づく試験結果を表示する必要がある。
とあり、ただ場当たり的に用いた試験方法ではないことがうかがえるというか、「塩素除去」の効能をうたっているのなら妥当な試験方法と思われる。
国民生活センターの試験では、トリハロメタン・塩素ともに
試験水を蛇口から10L/minの流量で10分間流した時点で採取し、(前後の数値の比較測定を)行った
と明記してある(試験詳細[PDF])
で、(さすがにハンドルは伏せるが)mixiで見つけたビリーバー氏はこれがいたくお気に召さないらしい。
磁気による塩素の化学的変化は 塩素検知薬では判別できないのです。
10分間 水道管に試験水を流して トリハロメタンの減少が見られなかった・・
当たり前の話です。
どのメーカーも10分で変わるなどとは言ってはいないはずですが・・
どうも検証の仕方自体が 実際の使用とは大きくずれているようです。
実際には蛇口取付型と元管取付型とは 大きく作用が違います。
蛇口取付型でトリハロメタンの低減は難しいでしょう。
実際の国民生活センターの検証データでは 蛇口取付型では変化無しですが、元管取付型では微量ながら減少しているデータが確認されていますが10分で検証は終わっていて 低減効果無しと結論づけています。
おいおい!「10分で何が分かる」と言われても…
効果が出るまでどれほどの無駄水を流せと???
「10L/minの流量で10分間」なら、単純計算で100Lの水を流したことになる。
調べてみると、よく節水の話で「お風呂●杯分」と表現するときに想定している「家庭用の一般的な浴槽」の容量は大抵180〜200L前後。
だから、100Lといえば、バスタブの約半分。
全自動洗濯機(非ドラム型)なら、「中」程度の水位で2杯分。
また、東京都水道局のサイトによれば、家庭生活で一人が一日に使う水の量は
平成18年には241リットル
らしいので、ざっと一日所要量の40%。
これだけ大量の水を流させておいて、
「こんな量じゃ効果は表れないですよ奥さん」
とか言われた日には、それこそ冗談じゃないというレベルだ。
フェライト磁石では起こらない現象が ネオジム磁石では起きるという現実・・
地球は大きな磁石です。
磁場の中を雨が降り、風が吹き、川が流れ・・
磁場の中で植物も動物も私たちも生きています。
たった10分間の検証で変化が無いから 効果無しという結論は 子ども達の磁石の実験に比べて 果たしてどうなのでしょうか?
子供たちは数日間、数週間、数ヶ月間という長期に渡って検証をしています。
わずか10分で果物の成長や糖度に変化が出なかったら それで磁石の効果は無しと結論づけていたら・・
そこには何も発見は無かったでしょう。
いやいやいや、植物の栽培や成長・成熟の過程を追って調べる実験と、家庭で日常生活に用いる水マシンとは、そもそも必要なスパンが全然違うだろうと…
子ども達の輝きを持った興味の目線から始まる検証と比べて、あまりにも稚拙な大人による否定の目線から始まる検証・・
トリハロメタンの検証が何故10分なのか・・
単に測定基準が10分という事に従っただけの事のようですが
活水器の作用を確認する方法ではありません。
今回検証の対象となったのは、サイトやパンフレットなど、いずれかの部分で「塩素やトリハロメタン除去」という浄水器同様の効能をうたった商品であって、東京都のページで示されたとおり、浄水器と同じ土俵で検査される必要性は明らかなわけで。
この文章自体が、「活水器は浄水器の名を許された商品と同列に立てない怪しい商品」であることを示しているように思われてならない。
興味・関心・探求心の無い検証に何の意味があるのでしょう。
変化が確認されているのにも関わらず 微量だから変化無しという結論・・(一般的に測定誤差の範囲と判断されます)
浄水器同様の効能をうたっておいて「誤差程度しか減らなかった」こと自体が問題。
それ以上は検証もしない・・
それは科学の目線とは呼べません。
宇宙全体の様々な現象の中で 科学で解明されている事自体が わずか数%という現実・・
宇宙の神秘、自然の謎・・
まだまだわからない事がいっぱいです。
探求・解明していくのは次世代の子供たちです。
活水器を使った体験キッチンで 一番味覚の変化に敏感なのは子供たち・・
ミニトマトをしばらく活水器の水に浸けただけで糖度がUPしているのがわかります。
懐疑的な目で見る大人達より 子ども達は素直です。
純粋で 純真な 子供たちの限りない興味を引き出してあげる事が 未来の地球のために必要ではないでしょうか・・
ここに至ってくると、この人たちが真に売りたいものは、特別な水やそれを作るマシンではなく、「夢や思想」という漠然としたものではないのだろうかという思いが強くなってくる。こうした傾向は、特に末端の販売者やビリーバーほど強くなり、時に開発者側が頭を抱えるほどトンデモドリームな文言を強力に発信してしまうようだ。
しかしながら(勿論全てがそうだというわけではないが)、同様の活水器について東京都に寄せられた相談の内訳は、商品自体の性能に関するものより、販売方法に関するもののほうが圧倒的に多い。
*「活水器」の表示に関する科学的視点からの検証について
→「活水器」に係る消費生活相談の状況 より抜粋
* マンションの管理会社と思って部屋に入れた。水道水と活水器を通した水の両方に薬を入れ、水道水の方は塩素で黄色くなり、家族のために良くないと言われた。
* 給湯器の点検に来たと家庭訪問され、水がなめらかになる、アルカリ性にすると磁気活水器を勧められ契約。高額で解約したい。
* 洗剤のアンケートと称し訪問。試薬をたらしピンクになり、指でまぜると色が消えた。「塩素はこうして身体に吸収される」と言われ不安になり契約。クーリング・オフしたい。
* 活水器販売のネットワークビジネスを勧誘されている。信用性を知りたい。アルカリイオン水で、体に良い、医学会、米国の衛生関連協会、皇室等が活水器の性能を認めているとのこと。
* 夜間訪問され、長時間にわたり、活水器の説明を受けた。トリハロメタンが100%近く除去される、浄水器よりはるかに優れているとのこと。根負けして契約。活水器を取り付けて業者が帰ったのは午前1時半だった。解約したい。
などなど、「夢を売る」とできる限り好意的に捕らえようとしても、こんな小汚い売り方が横行しているようではとても無理というものではないだろうか。
本当に自信を持って説明し、勧められる商品だというのなら、なぜ点検業者を装って騙し討ちのように家に入らなければならないのか。
最後にもう一つ、ネット通販で見つけた商品。
これらのマシンのほとんどがかなり高額で、やはり「値が張る」という事実だけで、騙されやすいカモがひしめく現代社会においても、「胡散臭い」「悪徳商法じゃない?」と警戒して身構える人が多いものだ。
しかしこれが、「そんなに高くない」となると、主張している原理は同じでも、「まあその値段ならたとえ騙されてもいいか」といきなり甘くなってしまうのもまた人間心理だったりする。
そこで登場するのが「磁化杯」なるアイテム。(商品の一例)
マグカップの外側に磁石が仕込んであるというもので、
「高額な活水器を買うのは大変でも、このカップに水を入れてしばらく置けば水分が分解されて(この表現がもう意味不明)磁化され、手軽に磁化水を飲むことができます」
「磁化水は飲みやすく、美容やダイエット、便秘などにも効果があります」
あたりが一般的な売り文句とされている。
この手のカップは大手WEBショップでも多数取り扱いされている。次に紹介するのはとある同系統商品のレビュー(注:上記で例として紹介した製品とは多分別のものです)なのだが、その内容にあきれるというかかなり情けなくなってくる。
嘘のようですが、このカップにお水を入れて15分くらいおいてから、このお水を飲むとお水が柔らかく、凄く飲みやすいお水になります。半信半疑でいましたが、このカップが到着してから、お水を飲む時に必ずこのカップで飲むようになりました。磁器の力ってすごいな・・と思います。
この手の感想が多いのだけども、この人たち、家や学校で金魚とか淡水魚を飼った経験がないんだろうか…
水をすぐに水道から入れるのではなく、別のバケツや水槽に汲んで、半日くらいはそのまま置いてカルキ飛ばししてから使うのが常識で、その経験があれば、塩素は揮発性だからしばらく置けば抜けていくのは当たり前であって…
コップ一杯の水のカルキを抜くのに15分が十分かどうかは分からないけども、幾分かはカルキが抜けてるはずであって、そりゃ味が変わったりやわらかい感じにはなるだろ…(放置する前に攪拌すればさらに抜けやすくなる)
最後の赤字に至ってはもう突っ込む気力すら湧いてこない。
これを使うと利尿作用があり トイレに何度も行きます!どんどん体の中がきれいになっていく感じがします。一日に何度も利用してます。
妻は、薬の副作用で便秘気味だったのですが、これで水を飲むと「出るようになった」と言ってました。
意識して水を飲み、その量が増えれば水は最高の利尿剤だし、水分摂取が便秘対策の基本であることは言うまでもない。勿論「水を飲む」行為そのものが、ダイエットにも(塩分を取りすぎない限りは)血栓防止にも、非常に効果的だ。
また、すでに浄水器で塩素を除去した水をくみ置くのは雑菌が繁殖しやすく危険(なので多くの浄水器の取扱説明書では汲み置きを避けるように書いてある)。もしかして微妙に腹が下ってる可能性もあるかもしれない…
水を入れて一晩置いてから飲んでいるのですが、なんだかちょっとおいしいような気がします。それ以外は、う〜ん、日本人一般の人から見るとちょっとウケないかも。。。。でも中国4000年の文化にすっかりハマっている人にはお勧めです!!なんてったって、この「ダサかっこいい」フォルムといい、よくわからない「磁化」という漢字といい、中国の謎の仙人のお水と思って飲んだら毎日楽しくなること請け合いです。中国には現在の科学ではまだ解明されてないけど経験則からこういう効果がある、ものがたくさんあるので、これもその1つかも。
ああ…中国製だったのね…
中国製のさまざまな食器や鍋などから鉛等有害な重金属が検出されて回収されている今日この頃、変なものが入ってなきゃいいですなあ。
あと、温度が上がると磁力は弱まる(弱まり方は磁石の種類によって違う)のだけど、熱い飲み物を入れて飲んでいる人は果たしてその辺のことも分かってるのだろうか。
とりあえず私なら、「能書きどおりの磁力ならとてもPCデスクでは使えない」カップは買う気にならないかなー。
どんな商品であれ、「当人が内容や効用と価格等を考え併せて納得して購入する」のがすべての購買活動の基本。
値段がどうあれ、販売方法がどうあれ、納得して買い、使用感にも満足しているという人を貶めたりバカにするつもりはない。
単に私が、磁気活水器の類について、現在Webで読める限りの商品紹介やユーザの使用感報告・熱い推薦文を見る限り、誰かに勧められても到底納得はしないだろう、という、それだけの話である。
今回の検証結果報告が新聞等でも比較的大きく取り上げられたのは意義深いことだと思う。
ただ、一部の記事のタイトル(特にヘッドライン)では「塩素」などの言葉を含まずに
「磁気活水器 効果なしのテスト結果」
というような表現になっており、それをストレートに受けた読者のブログなどの文章が少々気になった。
このテストで明るみになったのは、あくまで
「塩素やトリハロメタン除去をうたっていた6社の製品について」
「テストをしたらどちらの除去効果も確認できなかった」
ということであって、
「磁気活水器と名乗る製品全部」が対象でもなければ、
「塩素・トリハロメタン除去以外の効果を全否定」するものではないということ。
こう書くとなんだか販売業者の支援をしているようで我ながらなんかイヤなのだけども、こうした線引きをきちんとせずに混同してしまうと、別の新たな詐術のカモになりかねないと思う。
この手の検証結果が出ると、
「これでしばらくはウザいセールス業者もおとなしくなるだろう」
と考えてしまいがちだが、大抵はこれを逆手にとって新しい売り込み方に利用されたり、名を変えた新製品が出てくる契機として活用されることの方が多い。
新聞や雑誌などで取り上げられ、国民生活センターで試験されたという「信頼性」を利用する。
新聞のコピーや、テスト結果PDF(こちらには具体的なメーカーや製品名が明記してある)をセールストークの際に持参して、
「これはインチキと証明されました、でもうちのはコレとは全然違うのです」
というように、自社取扱製品の差別化・差異を際立たせるための道具に使うのだ。
「業界の不利になりそうな情報もちゃんとおさえ、法律的なことも学んだ上で、謙虚に製品を開発し自信を持ってお勧めしてます」とアピールする。
同様の磁気活水器業者ならば
「この商品は悪質でしたがうちはまるで違うのです」と言い、
活水器のイメージではもう戦えないと判断したメーカーは、また別のイメージをもたらす「ナンタラ●水器」的なもっともらしい名称をひねり出し、
「磁気活水器は高いだけでこんなに悪質でしたよ。でもうちのナンタラ●水器はまるで違うのです…」
とダシに使う…という具合。
一つの指摘は、逆にいくつもの「水商売ビジネスチャンス」を産み出す契機でもあることを、消費者側は強く意識する必要があるのではないだろうか。
「」
>賢明な読者ならお気づきであろうが…
あー、この言い回しブログでも、高校生の後輩への指導でも意識せず使ってました。思わず苦笑してしまいました。
実証実験には御説のとおり客観性の他、再現性も求められます。
同じ条件で試したら同じ結果が得られるということです。
この商法の「実証」は殆どが数値化できないか、一度だけ試してみた、または一番都合のいいサンプルのデータを挙げたものばかり。ここに騙されないで下さい。
カタログのスペックに並んでいるデータの最良値は同時に得られるものではなく、夫々ある程度のディレーティグを考慮して初めて全項目で安定した性能が得られるものです。
これはよく「十種競技」と「個別競技」の記録に喩えられます。
私もよく「ご存知と思うが」的な言い回しを多用する方なので…w
でもレトリック自体はあくまで使いようですから、人の気分を良くさせたり盛り上げたり、特に褒めて伸ばしたりするときには効果絶大だと思います。
あと、一定以上の年齢のマンガ好きには、白土的言い回しそのものだけでパロディ的なギャグとして通じてしまいますねw
>これはよく「十種競技」と「個別競技」の記録に喩えられます。
なるほど、よく分かる例えですね!ありがとうございます。