2009年05月07日

よしながふみ「きのう何食べた?」漫画

モーニング連載中。(単行本は現在2巻まで刊行)

主人公・筧史郎は40歳男性。
容姿端麗、年齢を感じさせない若い外見、その上職業は弁護士…と、まさに絵に描いたようなイケメンエリートで、さぞかしモテると思われがちなのだが実はゲイ。
現在は美容師の彼氏・ケンジと二人暮らし。
彼の最大の趣味にしてストレス解消は、毎日きっちりと「ウチごはん」を作ることで、しかも材料費に糸目をつけないいわゆる「男の料理」ではなく、日々マメにスーパーを覗き底値で旬の食材を手に入れ、「いかに安く栄養バランスのいい料理を作るか」そして「食材をどこまでうまく使いまわせるか」に心を砕いている。
その史郎の作る料理が、一話完結のストーリーの中に毎回登場し、その作り方と手順が作中で紹介されるというのがこの作品の趣向。メニューはよそゆきやご馳走類というよりは、本当に「ウチごはん」なお惣菜類が多いのも特徴だ。



ストーリーには今のところ目立った波風はなく、淡々とした日々のエピソードが綴られていく。
史郎の美貌が「40歳なのに若すぎてキモい」と不評だったり、ゲイの世界ではスタンダードモテ系から外れていたりと、何かと変化球が飛んでくるのが面白く、妙なリアリティがある。
また、息子がゲイであることを受容しようとするのだがことごとくピントがずれており、女装愛好者や性同一性障害と同一視してしまう史郎の母親、「どういう女なら大丈夫なんだ?」と言う父親の言動がこれまた淡々と描かれていて、ゲイの世界に生きる人が端々で直面する「ズレ」のようなものが、決して重くなく、しかししっかりと出ていているのも面白い。

主人公がゲイカップルということで、特に男性は設定だけで「うへぇ」となってしまうかもしれないのだが、今のところキスシーン一つ出てこない淡泊さで、非常にバランスが取れた作品になっているので、是非先入観を持たずに読んでほしい一作。

出てくる料理はどれもすぐに出来そうで美味しそうなのだが、手順が全て漫画の中で説明されているため、レシピ本的に見るとちょっと使いづらい。
巻末とかにレシピがまとめてあれば活用はしやすいのだが、あえてそれをしないのがこの作品の雰囲気なのかも。


posted by 大道寺零(管理人) at 22:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画
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