2009年06月25日

ハイフェッツとストコフスキー音楽

クラシックタグを漁っていたらいつの間にかヤッシャ・ハイフェッツ動画を見まくっていた。(何でだっけ?と思い返してみたら、「ジャイアントロボ」の劇伴音楽のことを思い出して、「悪魔のトリル」を聴きたくなったのだった。天野ファンの方すいません…いや、私もサントラ全部買ったくらい好きなんですよ?)

はあ〜〜。やっぱり神様サイコー……
時代的に古いので録音の良くないものが多いのだが、それをもものともしない音色と技巧、繊細にして大胆、タイトな音の魅力はいつまでも色あせない。
「ただ早いだけ、巧いだけ」じゃないのがすごいよ…

神演奏 ヴァイオリン(曲はパガニーニ「奇想曲24番」)

神演奏 ヴァイオリン A(曲は「スケルツォ・タランテラ」)

バイオリン弾ける奴ちょっと来い(曲は「ホラ・スタッカート」)

ハイフェッツ ツィゴイネルワイゼン

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲二長調 第一楽章

↑は映画「カーネギー・ホール」(1947年)の中の1シーン。
この映画自体のストーリーは、演奏家だった夫を早くに亡くしたヒロインが、長年カーネギーホールで掃除婦を務めながら、貧しい暮らしの中でも「いつも一流の音楽家の演奏を聴ける」という環境の中で息子を一人前の音楽家に育てようとする…という、どっちかといえば地味な話。
ただその中に挿入される、当時一流の指揮者・プレーヤーたちの演奏風景が素晴らしい。
高校生の時にNHK-BSでこの映画を録画した時は、もうドラマ部分を早送りしてもっぱら演奏風景ばかり見ていた。
その時すでに伝説と化していたり、あるいは鬼籍に入っていた名演奏家の、比較的若い頃の姿が拝める映像として貴重。
ハイフェッツの名前は知っていたが、実際にその演奏と姿を見てすっかり痺れてしまったのは、この映画がきっかけだった。
いまだにチャイコフスキーのバイオリンコンチェルトというと、私の中ではハイフェッツ以上のインパクトのある演奏が思い当たらないのだった。いや、諏訪内版とかも好きなんだけど…

同様の趣向の映画と言えば、カーネギー・ホールに先立つこと10年、1937年に作られた「オーケストラの少女」がもうホントに好きで好きで。
これも確か、NHK-BSで、「カーネギー・ホール」と連夜で放送されたはず。
そんでもってこっちはベタながらハッピーエンドのストーリー、そして演者が魅力的なもので、ついつい早送りせずにドラマ部分も見てしまう。

当時人気絶頂だった少女歌手ディアナ・ダービンが主演。
主人公・パッシィの父親はオーケストラのトロンボーン奏者だった。
腕はいいのに所属楽団をクビになってしまった父親や仲間たちが再就職できるようにと奔走するパッシィ。とある縁で知り合った成金の奥方から「新しい楽団を作ってその人たちを雇ってあげる」と言われてその気になるが、実は単なる金持ちの気まぐれからの一言。あっさり話を反故にされるも落ち込まず、今度は「人気指揮者のストコフスキーでも招聘できるなら話は別だが」とからかわれたのを真に受けて、ホールに忍び込み、大胆にストコフスキーに近づき、対話に成功する。
ストコフスキーはパッシィの唄声を大いに評価するものの、「失業者オケ」の話には耳を貸さない。
そして、自分たちの熱意と技量を一度でいいから見てもらおうと、ストコフスキーの屋敷に押し掛けて渾身の演奏をする失業者音楽家100人。果たして彼らの演奏は、ストコフスキーの心を動かすことができるのか?

ってな話でして。
この話もまた、途中に挿入されるパッシィの歌、ストコフスキーが振るオーケストラの演奏や、当時人気絶頂だったプレイヤーの演奏などが聴けて楽しいんだけども、それ以上に楽しいのが、当時「クセはあるけど当代随一のエンターテイナー指揮者」として圧倒的な人気のあったストコフスキーが、結構頑張って演技していて、それがなかなか板についているというかどこか可愛いというか、とにかくイイんだなあ。

ふる〜〜い映画(うちの母ちゃん生まれてないもんな…)なんだけど、意外に古さを感じない。
イイ話を見て、イイ音楽も聴いてスッキリしたい!という時にはお勧め。私も定期的に見直してます。
どの役もいいんだけど、「タクシーの運ちゃん」が最高です。

断片がYouTubeにあった。(イイ場面・クライマックスなので、映画本編をこれから見てみたい方は見ない方がいいかも。)

YouTube - Deanna Durbin with Alliluia
ディアナ・ダービンが歌う「アレルヤ」。天使だ、天使がおる…

YouTube - Deanna Durbin with Libiamo クライマックスの最高の場面。

この映画を見て以来、何枚かストコフスキーの振るCDを借りたり、買ったりして「んーー???」と微妙な気分になったのも今ではいい思い出。
思えば、「クラシックは振る人によってこれほど違っちゃう」ということを最初に教えてくれたのがストコフスキーかもしれない。

ちょっと補足しますと、このストコフスキーという指揮者は、一言で言ってしまうと
「クラシック界の今川監督」
…時代的にはむしろ
「今川監督がアニメ界のストコフスキー」

と表現した方が妥当なのかな?とにかくそういうアクの強〜〜い人でして。
ディズニーの超名作「ファンタジア」にシルエットで出てる指揮者、と言った方が一番通りがいいのかな?

「個性派指揮者」と言えば今でもこの人をいの一番に推す方は多いと思う。
ものすごく大胆な楽曲解釈をして、聞きなれた曲でもストコフスキー版を聴くと、テンポや音の配列などで、「えええええ????」と身を乗り出して驚いてしまうこともしばしば。
「非正統派」「ゲテモノ」と嫌う人からは徹底的に嫌われる。
しかし一方で、オーケストラの楽器配置改革を行ったり、「楽章の間でいちいち拍手を入れない」というマナー・ルールを徹底させた功績は大きく、また終始エンターテインメントに徹した、観客に分かりやすく精力的な指揮で、日本でも人気があった。

映画の中でもなかなかイケメンなのだが、wikipediaに載ってる若い頃の写真がホントにカッコ良くてびっくりした。
このストコフスキー、「カーネギー・ホール」にも出てます。本当に人気があったらしい。

「オーケストラの少女」冒頭で流れるのは彼の指揮するチャイコフスキー交響曲第5番。
私はこの曲は、ムラヴィンスキー版が一番好きなのだけど、ストコフスキー版もいまだに好きです。
ストコフスキーのシェエラザードとか評価高いようなので、今度買ってみようかなあ。
posted by 大道寺零(管理人) at 13:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽
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