槇原敬之に「999」盗作騒動(livedoor ニュース)
問題となっているのは槇原の作詞作曲で人気デュオ「CHEMISTRY」が今月4日に発売した新曲「約束の場所」。スープのCMソングとしてお茶の間にも流れ、オリコンチャート4位に入るなどヒット中だ。
松本氏が「盗作」と断じているのは、「夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない」――というサビの部分。これが「銀河鉄道999」(小学館刊)の第21巻に登場する「時間は夢を裏切らない 夢も時間を裏切ってはならない」というフレーズに「そっくりだ」と主張している。
確かにフレーズとしての同一性は高い(「夢・時間」→「時間・夢」と連ねている点や、「裏切る」という言葉の共通)とは言えるが…
しかし、その次の論法がいささかデンパ出しすぎなもので萎えてしまう。
これは主人公の星野鉄郎のセリフとして使われるだけでなく、作品全体のテーマにもなっている言葉。松本氏は「私のスローガンのような言葉。これを題目に講演会などで若者にエールを送っており、ファンにはなじみ深い。彼が知らないわけがなく、勝手に使うのは盗作」として抗議した。
この弁には大いにダウトを投げかけたい。
まず最初に、漫画「銀河鉄道999」には二つの種類があるということから説明しなければならないだろう。
一つは「正編」とでも呼ぶべきなのだろうか、1977〜1981年に「少年キング」に連載され、二つの劇場版やTVシリーズの原作になった「原初の999」である。機械の体を手に入れたいと望む星野鉄郎がメーテルと出会い、999で旅をしてアンドロメダを目指し、メーテルの母・女王プロメシュームと対決する物語。
ファンの間では「アンドロメダ編」とも呼ばれている。
もう一つは、1996年に「ビッグゴールド」に掲載・その後Web上で連載されている「続編的存在」で、ファンは「エターナル編」と呼んでいるようだ。あえて「的」と呼んだのは、漫画版ではなく映画版の結末から設定などを濃く受け継いでいるからだ。
(以下は、区別が分かりやすいので「アンドロメダ」「エターナル」の呼称を使わせていただく。)
この「エターナル編」は、「アンドロメダ編」に比べるとはるかに認知度が低い。一応「エターナル編」を下敷きにした劇場アニメ「銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー」(1998年)が公開されたものの、物語としては「第一話」「プロモーションフィルム」でしかなく、「この続きをお楽しみに!」みたいな内容だったので「ここで終わるのかよ!」と憤ったファンは多い。本来は翌年の続編で話を続ける予定だったそうだが、興行成績が振るわずに製作中止となった。ものすごく納得のいく話である。
また、1990年代は、松本零士の「劣化」と「老害漫画家」ぶりがいかんなく発揮された時期である。作品のクオリティや作画のみにとどまらず、本人の言動も「痛い」人になっていき、期待されていた「ニーベルングの指輪」などの作品からも強いデンパを発信する有様に、多くの元ファンが崩折れて失望したものだ。っていうか私も「指輪」買ったよ…orz…大判で…定価で…
「999」は「アンドロメダ編」において、漫画・TV・劇場版それぞれに結末が異なるものの、見事に完結して読者に深い感銘を与えた作品である。
その「キレイに終わった」ものを引っ張り出してきて始めた「エターナル編」は、やっぱり回を重ねるごとに悲惨になっていった。
掲載誌の「ビッグゴールド」も、高めの年齢をターゲットにした雑誌ということもあり、「エターナル編」は知名度を得ていないわけだが、ファン評価はもっと低い。
「999はアンドロメダ編まで」「それ以降は999じゃない」と言うファンは多い。私もその一人だ。
話を元に戻すと、松本御大が指摘している「時間は夢を裏切らない〜」というフレーズは、この知名度の低い「エターナル編」のものなのだ。
小学館版の「999」は、アンドロメダ編の後にエターナル編を続け、通し番号としているので切れ目がわかりづらい。エターナル編の存在を知らない多くの人は、「21巻」と言われれば当然「昭和にやってた有名アニメの原作」と同一のものだと思うことだろう。
「小学館版21巻」はエターナル編が開始する巻である。
上で述べたとおり、エターナル編は知名度においてアンドロメダ編に圧倒的に劣る。
「時間は夢を〜」は、エターナル編のテーマとなるフレーズである事は確かだ。
しかし、アンドロメダ編の「遠く時の輪の接するところで…」「少年は今、大人になる」などのフレーズを覚えている人は多いが、エターナル編のテーマフレーズを持ち出されても、「999にそんなフレーズあったっけ?」と首をかしげる人が大半の筈だ。
また、エターナル編を評価していない多くのファンにとっては、「ファンにはなじみ深い」と言われても、「ねーよwww」というのが正直なところ。
まして、「彼が知らないわけはなく」って……何故?槇原が熱心な松本信者だというなら話は分かるけれど、そうでなければもう怪電波の域だが…
えーと、分かりやすいように、もっとメジャーな作品である「宇宙戦艦ヤマト」に例えるならば、「ヤマトIII」に出てきたセリフと似たフレーズが他人の著作物にあった場合に、「君の世代ならばヤマトを当然知っている筈なのに、このせりふを聞いた事がないなんておかしい」と強弁するくらいに無理がある……って、よけい分かりにくいわ!!…一人ノリツッコミすみません…
(いまさらながら注釈しておくと、「ヤマト」シリーズ中もっとも存在感の薄いTVシリーズ。視聴率がふるわないために25話で打ち切りになった。とはいえ平均15%はあったらしい。私はわりと好きなのだが、語れる相手がそうそう見つからない…)
問題になっているのは、次のフレーズである。
「銀河鉄道999」<エターナル編第一話 「未来軌道」>
星野鉄郎
「時間は夢を裏切らない…時間は決して僕の夢を裏切らない…って…そう信じていたんだ。
だから僕の夢も時間を裏切ってはならない義務がある!!」
Chemistry 「約束の場所」 (作詞・作曲 槇原敬之)
夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない
その二つがちょうど交わる場所に心が望む未来がある
(全歌詞はこちら)
うーん。フレーズは似ているが文脈はけっこう違うし、「裏切ってはならない」と「決して裏切らない」の相違も大きな意味を持つようにも思う。
結局、「お手付きの表現を使っちゃった槇原敬之は、クリエイターとしてヤラカシちゃった」けれど、御大の主張はそれよりデンパってことだと思う。
まあ、「権利的にどうこう言うつもりはない」らしいのがまだ救いだが、「とにかく謝れ」と言われても、この文脈では応じられないわなあ普通は。
ニュース速報板の関連スレにあったこのレスが、もっともよく元松本ファンの心境を言い表しているかもしれない。
24 :名無しさん@七周年:2006/10/20(金) 19:47:45 ID:mqd6UL0g0
>>21
時間は夢を裏切らないが、松本はファンを裏切る
(【社会】 "「999」盗作騒動" 槇原敬之側、「提訴も」と反撃…「"銀河鉄道"も先人の創作」意見に、松本零士「勝手にして」★4
)
ところでこの話を最初に聞いた時、「あれ?そういえばエターナル映画の主題歌にも同じフレーズがなかったっけ?ALFEE側からの抗議はあったの?」という疑問が出てきたのでさっそく調べてみた。
結果、そっちのほうは
約束された場所が 心のUtopia
未来はけして 君を裏切らない
(The ALFEE 「Blave Love」:全歌詞)
というわけで、歌詞に出てくるのは「未来」であり、「夢」「時間」という言葉を用いているわけではないので、今回の問題には関係が薄いと言えそうだ。
しかし別のことが気になってしまった。
同曲「Blave Love」の別のフレーズなのだが…
あぁ メビウスの輪の中から
逃げ出せないままでいる
時の謎を解く鍵を 求めて彷徨う
ああ メビウスの輪から抜け出せないで
いくつもの罪を繰り返す
(TM NETWORK「BEYOND THE TIME(メビウスの時を越えて)」)
( ;^ω^) ウーン…
個人的には「ああ」が気になる。
「ああ」が。
松本零士のご老公(「御大」よりもしっくりくる)の老害っぷりが覗える話を書店員からひとつ
今年の頭ごろにトチローの息子が出てくる999新作がスペリオール増刊で出たんですが
うちの店がマニア向け専門店であるということを差し引いても、地方の本屋の入荷量とは思えないようなすごい冊数でした
特定作家の書き下ろし増刊号としては、通常の4〜5倍だったでしょうか
雑誌の配本数は普通、書店が指定することはできず、取次ぎ(本の卸し問屋)からの配分によって決められているわけですが
「うちにこんなに来るなんて、いったいどんだけの数発行したんだ?」と思ったもんです
ここから推測できることは、出版者側にとって売れようと売れなかろうとかまわないから、とにかく数を刷って見かけ上の発行部数を多くして、松本ご老公に渡す原稿料の回収を行う必要があったのではないか、ということです
(なんでそんなことができちゃうのかは書店業界特有の返品制度が関わるんですが、長くなるのでここでは割愛)
作品の中身はともかく名前だけは大きくなってしまった作家というのは、いろんな方面で負担になっちゃうもんなんだなぁと少し寂しくなったもんでした
ところで
旧ぜろだまのトップページのみをずっと毎日チェックしてたために、Blogがちゃんと更新されてることに気付かないまま数ヶ月が過ぎまして
ここに行き着いたのはつい最近でした
またちょくちょくコメント欄を汚しにきますんで、あらためましてよろしくお願いしますです。
香ばしいったらない感じですね。
>バードチーフさん
ブログ毎日見てます。
新刊を買う時にすごく参考にさせてもらってますよ!
頑張ってくださいー!
おひさしぶりです。サイトのトップは全然更新していないしコンテンツも整備していないしでご迷惑をおかけしました。あらためましてよろしく。
>「ご老公」
疲れていたせいか、隣の文字とごっちゃになったあげくに何かが混じって、「ご老犬」に見えた…それでも違和感はないような気がした…って犬に失礼な気がした…
>トチローの息子が出てくる999新作
ま、マジですか?
ご老公は昔、「ハーロック」アニメ版で、トチローとエメラルダスの娘(まゆ)が登場した事にえらくご立腹だったはずですが……
父さん…健忘症にかかって…
>地方の本屋の入荷量とは思えないようなすごい冊数
私も以前少しだけ本屋でバイトしていたことがあるので多少分かりますが、本屋の規模や売り上げによって配本部数が違いますよね。
私のバイト先はわりと小商いの本屋で、しかもコミックよりも学術書や美術書に強いところだったもので、コミック新刊の希望配本数を申告しても、かならずその何割かしか回ってきませんでした。そのため売れ筋の新刊についてはいつも実際の希望より水増しして発注していたのですが、「AKIRA」5巻が出る時に、担当者が「どうせうちにはちょっとしか回ってこないだろう。なら500冊発注しとけ!」と超ドンブリ勘定で発注したら本当に500冊来ちゃって途方にくれたことがあったそうです。
増刊をそんなに送ってこられても、かさばるし長く置くものでもないし、困りますよね…
確かにチーフの推測するような事情が推し量られます…
>鉄郎さん
>私の中の999はアンドロメダ編で終了しているので、そんな台詞知らねーなー!っていうのが心境です。
あなたの場合はHNがHNですからなあ…お察しいたします。
確かに世の中には“知らないではすまされない”事が多々ありますが、これもその範疇はいるのでしょうか?
ちょっと混乱しています。
思い切ってアンドロメダ編文庫を特装版BOXで買ったりしたこともありますし。
でも、ここ最近では発言や行動から人間的に尊敬できる人物か多少疑問に思うようになりました。
ソレへの第一歩としては、故郷に自作品のブロンズ像ができる事が大事です。
ちなみに新潟市には郷土の名士、水島伸司のキャラクターブロンズ像郡がすでにあります。ラムちゃんブロンズ像も時間の問題です(高橋某先生も新潟市出身)
>チーフ
松本零士のご老公の老害っぷりも楽しめるようになって真の松本フリークです....てか、ひょっとして来年早々に鹿児島へ仕事へ行くかもしれませんので、その時によろしく....(なにを?)
いやいや〜。少なくとも「999エターナル編」は「知らないでは済まされない」範疇には入っていないと思いますが…使っている言葉も一般的なものですしね…
というかコレ、松本ご老公の出方が非常にまずいというか頭ごなしに電波なせいで、普通だったら頭かきかき「偶然の一致とはいえどーも失礼しました」ですむところが、そうできなくなっちゃってるのだと思います。今の状態だと、「知らないうちに意識下にあった」「無意識の引用だった」ことを認めてしまう事になりますしね…
>涙星さん
私も今でこそ毒舌しか吐きませんが、前はあの世界観や絵もひっくるめて大尊敬してたとですよ…実際著作いっぱい買いましたし、ハードカバーで揃えた物も多いです…
ここ10年は、売りだった「絵」の劣化が激しいのが泣けます。デジタルコピペやら、効果トーンとか、使いまくりなのはいいけれど浮きまくりだし、人物の顔も体もクチャクチャだし…
>発言や行動から人間的に尊敬できる人物か多少疑問に思うようになりました。
70年代後半〜80年代に少々褒められすぎたせいもあるかもしれません。でも当時は実績に見合った賞賛だったわけですけどね…
いいキャラを作ってしまったのがアダになったのか、後年「自キャラ萌え」症候群にかかってしまったのと、決定的に大人げがなくなってしまったのが痛いですね。
>イドさん
>松本御大も水木しげる大明神のようになられる事を願います。
私もかつてはそう願っていましたが…
「ゴールド」連載中の両者の歴然とした差を見て「ムリ。ゼッタイ。」と思いました。
水木大明神は、「睡眠をないがしろにする」人間は軽蔑して顧みないことで有名です(手塚・石ノ森両氏についても、「ろくに寝ないで仕事してるから早死にする」と一刀両断してます)。「零時に元気になる深夜族」という意味をペンネームに持たせた松本ご老公とは相容れないかもしれませんね…
>ちなみに新潟市には郷土の名士、水島伸司のキャラクターブロンズ像郡がすでにあります。
イド先生…決して新潟をクサすわけではないですが…水島先生も近年は老害っぷりがすごいですよ…
「あぶさん」の日本シリーズとか…もうね…
(現実の結果とは関係なく、とにかくホークスがパリーグを制覇して日本シリーズを戦う。その後、「嫁やら息子の夢でした」となるのが毎年の展開)
>松本零士のご老公の老害っぷりも楽しめるようになって真の松本フリークです
うっ…そこまで達観できない自分がいます…
だって、「好きな作品」「好きなキャラ」に
「銀河鉄道999(ただしアンドロメダ編のみ)」とか
「キャプテンハーロック(ただし1980年代まで)」とか一々但し書きを付けなければならない元ファンの辛さと言ったらもう…orz
それはそうと、鹿児島巡業がんばってくだされ。
そ、それは知りませんでいた...何せ近年のビックオリジナルなどは黒沢を立ち読みする程度でしたので...スミマセン。
>鹿児島巡業
多分いけると思います。参加するのは山形屋という老舗デパートのなると思いますが...近所には、あの有名なひょうたん書店が...?!!
いや、何もイドさんが頭を下げなくても…
ええ、私だって「ドカベン」「一球さん」の頃の水島新司は大好きでしたとも…持ってるし…
里中・土井垣は小学生時代の重要な萌えでしたし、今でもつい「ファウルが後ろに飛ぶようになった→タイミングが合ってきている!」と呟いてしまうし…
>鹿児島巡業
えー。ひょうたんの近くなんですか…イーナー…巡業のお手伝いに雇っていただこうかな…
今日そういえば・・・と思って週刊ポストの記事読んだ。
・・・小学館だもんそりゃ擁護するよなぁ。でもその擁護のしかたっぷりもイタいなぁと思って読み始めたけど、記事にする側もそーとー困ったんだろうなぁって、少なくともオレにはそう見えた。
エターナルってまだやってたん?
どうせ終わらせる気は無いんだろうけど・・・
いつのまにかヤマト、999、アルカディア勢、まほろばの全部の敵が共通になってるんだもんなぁ。コレに納得せぃっつーてもなぁ。
わりと早く話題にした「女性セブン」も小学館ですから、まあモロにそういう事情なんでしょうけども、たしかに「擁護しなきゃなんない方も大変だな…」って感じですよね。
小学館が押さえている版権は999とザ・コクピットあたりかな?ヘソ曲げて引き上げられたくもないって所でしょうか。
>エターナルってまだやってたん?
私も今ひっさしぶりに松本零士公式サイトの999コーナーを見たんですが、最新の「41話」の内容…
数年前に出た「銀河鉄道物語」の最初のほうに収録されてる部分でした。
ってことは、3〜4年くらい実質的に進んでないって事でしょう。
まあ、「まだやってる」のだと思いますよ。本人が「完」と描く気(というか続きを書く気が)ないみたいですしね…
>いつのまにかヤマト、999、アルカディア勢、まほろばの全部の敵が共通になってるんだもんなぁ。コレに納得せぃっつーてもなぁ。
ですよね〜……
なんかどーも、「まほろば」の辺りからヤバさが加速したかなーという気がしないでもない。