学力テストで予算ランク分け撤回(asahi.com)
新たな方針では、A〜Dの4ランクに分けるのをやめ、各学校から提出される予算の申請に基づいて1校ずつ査定する方法に改めるという。学力テストの結果は、伸び率によって学校に加点する形で予算を上乗せする。加点の点数はあらかじめ決めずに1校ずつ判断する。学校へ配分する予算に学力テストの結果を反映する点は変わらないという。同区教委は、さらに具体的な方法を詰める。
結局は、「学力テストの結果で、申請予算が通るか通らないか決まる」ことに変わりがない。
「伸び率によって加点」という表現を使っているが、予算そのもののパイの大きさは同じなのだから、上乗せされた学校があれば、その分予算が通らない学校があるということ。文言をちょっと変えて誤魔化しているだけのように見えるのだが…
また、「点数」より「伸び率」というのが出たのは、かえって子供や現場教員の受ける圧力が大きくならないだろうか。
「前年割れは予算に関わる」わけだし、低学力校には若干有利かもしれないが、今度は学力の比較的高い学校が苦しくなってくる。
前年より落とすわけには行かないし、高い水準にあるものをさらに引き上げないと評価の対象にならないとなれば、結局ガリガリと鍛えるしか手はない。学力が高くなればなるほど苦しい状況になりそうだが…
なぜそうまでして、「普通に平等に」扱う事を避けるのか疑問が残る。
「どうして勉強をするの?」と子供たちに定番の疑問を投げかけられた時、答える人間の脳裏に「予算確保のため」「みんなの教材や備品をよくするため」という命題がよぎる(勿論そうは答えないまでも)。それは教師・生徒・保護者の誰にとっても幸せな情況とは言えないのではないだろうか。