私の持っているカードでも、10年前あたりから、本来のカードのほかにもう一枚、リボ専用のカードを無条件に送付してくるし、「通常のご使用額が自動的にリボ払いになるサービス」への勧誘ダイレクトメールをやたらと送ってくる。
カードの利用は、金利のつかない一括しか使わないし、用途もプロバイダやPHSの月々の支払・ネットでの買い物のみに限っているので、わざわざ手数料・金利が高いリボサービスを使う気にはなれない。
毎月1回にすればこそ、「先月はちと大きく買ったので今月は自粛しよう」と、普通の感覚を保てるのであって、「毎月一定額」は絶対に「いくら使ったか」という意識を希薄にさせてしまうので危険極まりないと思っている。
そのリボ払いの落とし穴にはまってしまった典型的な例。
リボ払いは、手軽なイメージの宣伝ばかりが目立つために、その実際を知らせることは大事だと思うが、この件の場合、利用者があまりにもアホすぎて、効果的といえるかどうか疑問ではある…
<リボ払い>買い物50万円、返済総額125万円超にYahoo!ニュース - 毎日新聞 -
大手クレジット会社と加盟店契約を結ぶデパートのショッピングカードを利用した北海道の無職の女性(54)が、リボルビング払い(リボ払い)契約で、50万円の買い物をしたところ、約24年間で125万円以上支払わなければならない状態に陥った。
女性は1人暮らし。22年前、デパート勤務の親族に頼まれカードを作った。当初の利用限度額は30万円で、毎月の支払額のコースから5000円を選んだ。途中で限度額が50万円に上がった。洋服などを購入し、12年前、限度額に達したためカードの利用をやめた。
カード各社がリボ払いサービスを喧伝し始めたのは10年くらい前だろうか?
22年前に既にリボ払いがあったということには驚いた。当時はなじみの無い概念であっただろうが、既に「月賦」というシステムは人口に膾炙しており、それには元金だけでなく利息が含まれることは常識だったわけだから、「金利のあるシステムのもとで、50万円の買い物をするのに5000円ずつの支払いだとどうなるのか」を想像できなかった時点でかなり軽率だといえる。
女性の銀行口座からは自動引き落としで毎月5000円がクレジット会社に支払われ続けた。今年2月に会社をリストラされたことをきっかけに、請求書を改めて見ると、12年間で約70万円払ったのに元本は10万円も減っていなかった。返済のほとんどが手数料(元本の年約10%)に回されていたからだ。
一番呆れたのはやっぱりここだ。
22年間ずっと請求書をチェックしてなかったとは…口の悪い連中だったら、「そんなんだからリストラされるんじゃない?」くらいは言いそうだ。
せめて15年目くらいで、「どうしていまだに送付物が来るんだろう?」くらいの疑念を持って中を見ろと思うが…
「いつまで払えばいいのか」。クレジット会社に電話したが、「契約の変更はできない。残金を一括で払うか、これまで通り月5000円を支払うしかない」と言われた。今年8月、弁護士に相談。支払総額を試算すると、50万円を完済するにはあと12年間払い続け、計約125万円超を支払わなければならないと判明した。手数料の総額は75万円、買い物した50万円の1・5倍にもなる。
クレジット会社とデパートは契約時、支払総額や返済回数を女性に示していなかった。女性は「こんなに長い期間払わなくてはいけないなんて、全く知らなかった」と言葉を詰まらせる。
多くのカード会社では、懐具合によってリボの定額分金額を変更できるサービスを取り入れているようだが、そのあたりは、22年前のシステムがそのまま居座っていて融通を利かせられないようだ。
確かに当時、リボ払いは馴染みの薄い概念であり、説明が不十分であったかもしれない。
しかし、利息の伴う契約である以上、少なくとも金利方式やパーセントだけは契約時書類に明記してある筈だし、それを了解したものとして交わされた筈。どう見てもこの人個人が迂闊すぎたという感想しか沸いてこない記事なのだが…
ただこの時期って、クレジットカードが主婦層や若い女性にも爆発的に広まった頃で、「使った」「借金した」感覚を伴わない使いすぎがあちこちで見られたんだよな〜。この人もそういう一人なのだろうが、逆に言えば、周囲のそういう話を聞いて、「私のは大丈夫かしら」と危機感を抱かなかったのだろうか。逆に「私のは大丈夫!」と確信してしまったからこうなっちゃったんだろうけど。
しかしまあなんだ、弁護士に相談するお金があるなら素直に残金一括払っちゃったほうがラクチンだと思うがなあ。
こんな風に脇が甘すぎる人間を例示しても、警鐘を鳴らす意義が薄れるだけじゃないかと…
それにしても、リボ払いが一見手軽に見えてとんでもない金利を載せてくる方式である事は確かなので、特にお若い方々&高齢の方々にはご注意いただきたいなあと切に思う。
検索すると色々出てくるが、このあたり分かりやすかった。
・リボ払いでこんなに損している!!クレジットカードのスマートな使い方、選び方
・
リボ払いで借金雪ダルマの構図 (YOMIURI ONLINE)
(前半がキャッシング、後半がカードショッピングの話です。最後の表での比較が分かりやすい)
まあ単純に、
「これだけエサを見せて盛んに勧誘するという事は、それだけリボ払いでカード会社が儲かり、利用者の払う利息が大きい」
と考えればよいかと。
上に挙げたサイト内にあった
クレジットカード会社からすれば、
あなたの支払い期間が長ければ長いほど、手数料が取れます。
という一文が、当たり前のことながら至言だと思った次第。
いつも一括なのであまり金利のことを気にしてなかったのだが、私の持ってるカードについて、明細書や公式サイトを元に比べてみる。
分割払いの場合、当然実質年利は回数によって増えていくのだが、
3回:10.05%
↓
36回:12.34%
それに対してリボ払いの実質年利は14.40%。(しかも利息のつき方が違う)
この数字を一度でも確認すれば、リボなんてやってられんと思うのが普通じゃないんだろうか。
(しかし公式サイトにはもっと分かりやすく「金利情報」へのリンクが欲しいものだ。「新デザインのカード」だの「優待情報」ばかりを強調するのではなく…)
さすがに最近は「返済シミュレーション」なんて機能もあって、ためしに「300000円の買い物について」比較してみる。
36回分割の場合(実質年利:12.34%)
初回:10480円
以降:10000円
手数料総額:60480円
支払い総額:360480円
毎月5000円リボの場合(実質年利:14.40%)
初回:8600円
以降:5000円
手数料総額:109800円
支払い総額:409800円
要するに「完済までに時間をかける」ことがこういう差になるわけだ。
ただし、リボが必ずしも高くなるかというとそうでもなく、10000円コースにした場合はちょっと違った結果となった。
毎月10000円リボの場合(実質年利:14.40%)
初回:13600円
以降:10000円
手数料総額:55800円
支払い総額:355800円
となり、同じ月々10000円払いでも、総額としては36回払いよりは5000円ほど少なくなる。(コレは単純に、初回支払額と回数の問題ではあるのだが)ので、シミュレーションを入念に行った結果リボ方式を選ぶというのも、場合によってはアリのようだ。
まあ要するに、「一回の負担額が少ない」コースほど、最終的に支払う額はガンガン増えていくということで(って、考えてみれば当然なのだが…)。「お財布に優しい」なんて言葉にゆめ騙されぬよう心がけたいものだ。
ちなみに、クレジットカード会社ではキャッシングサービスも同時に行っている事が多い。使った事無いけど。
最近は、この「キャッシング」の金利が高く、いわゆるグレーゾーン金利である事がようやく知られるようになったが、キャッシングでもリボ方式があり、これがまた謳い文句はいいけども実際はかなりアツいことになっている。
私の加入するカード会社のキャッシング金利、リボ払いの場合は「実質年率28.8%、遅延損害金 年29.2%」。どこもこんなもんだと思うが、出資法に基づく金利上限にかなり近い数字なわけで。
残債は約3万7千円弱。
いっそのこと一括返済に変えてしまうべきか悩みどころ。
ちなみに。私カードは携帯代やプロバ代はおろか
家賃や(これは支払いが専用のカードでしか受け付けないから)日々の食材の購入にまで使ってます(マテ
ただ、利用状況は週一でwebにて確認してますが。
…とにかく言える事は一つ。
『極力分割払いとかリボは避けませう』
残金がその程度で、リボの1回支払い金額が15,000円であれば、さほど深刻な事にはならないと思いますし、使用状況をきちんとチェックされてますからまず大丈夫かと。
リボでドツボにはまるのは、1回の支払い定額が5,000円とかの、低額なプラン=支払いが長期にわたる場合ですから…