その店はこじんまりしていて、いつも大将とおばちゃん2人くらいで切り回している。酒田の店の中でも盛りがいい方で、気取らずアットホーム、コストパフォーマンスがよいのが好きで定期的に食べに行っている。個人的には、おばちゃんたちが黙々と、小気味よく作業している様子が好きだ。
いつものようにカウンターに座る。
小さい店だから、カウンターと調理場は密着しているようなものだ。
調理場には、いつもの人数のほかに、はじめて見るやや大柄な男の人(20〜30代)が立っていた。
この文をお読みの方は、「ラーメン屋さんの格好」と聞いて、どんな服装を思い浮かべられるだろうか。
オーナーが若い、もしくはちょっと流行り系の店だと、揃いのTシャツに腰エプロン、頭にはタオルやバンダナを巻いているなんてのが最近はありがちかも。
あるいはエプロンや、調理着に帽子や三角巾。そんな感じだと思う。
その男性、特に汚らしいというのではないけど、「なんか寝起きの所謂アキバ系っぽい」ボサっとした風体。
長袖の厚手ネルシャツをダボっと着ている。
袖は少し長めで、親指の付け根くらいまで袖口が来ている。捲くりはなし。
何より髪。
結ぼうと思えば結べる程度の、男性にしては長い髪。前髪も長く、頬くらいまであるのを分けている感じ。
うーん、家庭ならともかく、外食で食い物を扱う服装ではないと思うのだがどうだろう。
せめて何でもいいからエプロン類を着けて、頭はタオルでも巻いてて欲しかった。
そして袖はちょっとでもまくって欲しかった。
余り気味の袖というのは、女の子ならまだ可愛くもあるが、それでも調理時にはやめてほしいものだ。同じ手つきでも、妙にたどたどしく、不衛生に見えてしまう。
彼は時々丼を出し入れしたり、トッピング作業(勿論素手で)もしていた。
時々オヤジさんが麺茹での時間やその他の工程について指導しているようだった。
名前も呼び捨て、しかも顔もわりと似ていたので、大将の息子なのかもしれない。
将来のために二代目育成に取り組んでいるという雰囲気もなきにしもあらず。それは大変ありがたい。
ただなあ。ただ。
服装だけはもうちょっと、客に不快感を与えない程度にさせて欲しい。
それができないなら、ご指導は終業後にやって欲しいなあ。
と思う私は沸点が低いのだろーか。
ちなみにこの店、チャーシューメンの品書きに「平田牧場三元豚使用・厚さは店主の気分次第」と書いてある。私達の食べたチャーシューの厚さはまあ普通だったと思うのだが、会計時にカウンターの中で切っていたモモチャーシューの薄さときたら、「そこまで手切りで薄くできる技術すげえ」と感心するほど薄かった。
特にそうは見えなかったが、大将の機嫌が悪かったのだろうか…
最後になるが、ラーメンの味はまあいつも通りではありました。
酒田祭りン時に迷子になって、T軒に駆け込んで家に電話してもらったんだよなぁ・・・
先代オーナーのおっちゃんが亡くなって、上安に移ってからは一度も行ったことないんだよなぁ。
なんだか行けない、怖くて、いろんな意味で。
いい具合にすすけてる雰囲気なので、てっきりあの店がオリジナルだと思ってましたわ。
まぁとりあえず王道な酒田中華だと思います。あと量が多め。
「麺で腹一杯にしたい!」って時にはここか大丸かって感じですね。
ワンタンの量も気前いいです。すぐ柔らかくなっちゃいますけどね;