石川賢先生の絶筆になる「五右衛門」が掲載されている。
急逝の時点で、この回の作画が「ある程度」進んでおり、最後の作として掲載される事が葬儀の際に告知されていた。
正直、画面がスカスカかもしれない。それでも仕方がないし、遺作としてありがたく受け止めようと思っていた。
しかし、掲載された作品は、スタッフの魂がこもっていたのだろうか、きちんと形になっていた。
そして何より、面白かった。
石川作品が傑作になる時特有の、マグマのような流れを感じる、いい展開だった。このまま続けば間違いなく、時代劇系石川作品の傑作として記憶に残される作品だったのではないだろうか。
それだけに惜しい。
こんなにそそるヒキの続きが、もう読めないなんて。
最終ページの次ページには、「乱TWINS」編集者からの追悼と、今回の作品についてのコメントが掲載されていた。
今回、掲載させていただきました作品は、
石川先生が構成・ペン入れをした原稿に
アシスタントの方が残された指示のもと
仕上げをした時点での作品です。
つまり、石川先生の最終チェックが
行われていないままの原稿になります。
不完全な形ではございますが。
ご遺族の方やダイナミックプロの皆様にご承諾をいただき、
編集部の意向で掲載させていただきました。
今作品が石川賢先生の絶筆となります。
今回分が掲載されると聞くまでは、正直もう五右衛門はこのまま立ち消えで、乱TWINS次月号の巻末あたりにひっそりとコメントが載って終わりになるんじゃないかと危惧していた。
しかし、遺稿掲載のための手立てを練り、きちんと丸まる1ページを追悼コメントに割くとは、編集部の誠意というか、「ああ、何より編集さんが石川マンガを好きだったんだろうなあ」と感じられて嬉しい。
そしてやっぱり、あらためて寂しい。
今月号には、セブンイレブン限定で「忠臣蔵 赤穂浪士四十七士名鑑」が付いていた。うーむ「コミック乱」以外には有り得ない付録。何しろ「特別プレミアム」ですよ。
土山しげるの絵がひたすらに地味…しかし47人分の顔を違えて描くだけでも大変な作業だよな。時代劇だから、髪型でキャラ分けできないし。
さて思案どころなのは、「この先、『乱TWINS』の購読をどうしようか」なんだよなあ。
最初は石川先生の前作「武蔵伝」を目当てに買い始め、「全ページもれなくチョンマゲってすげえ」と独特の誌面に驚いたのだが、それも今ではすっかり慣れた。
もはや石川作品が載ることもない雑誌、来月から買わないと決める事も出来るのだが、長年読んでいるうちに続きが気になる作品もあるわけで…
・「泣く侍」…単行本買おうかな。中山昌亮好きだし。
・「天涯の武士」…実は一番気になっている。もうすぐ終わりそう(っていうか小栗様死亡フラグ立ったよね。二本くらい。)だが。これが終わってから考えるという手も。
・「黒田・三十六計」…これを目当てに一ヶ月おきにTWINSを買う(隔月連載なので)と、他の連載作品がワケわかんなくなってしまうんだよな…
追悼コメントに、また涙。礼節と愛惜がこもっていて。先生のお人柄や、編集部の方々との良い関係がしみじみ偲ばれました。
>あんなに「ちゃんと、1回分の原稿」が掲載されるとは思っていませんでした。
ですねー。
正直、これ以上ない貴重な原稿ですから「下書きでもネームでも、掲載されるだけありがたい」と思ってただけにびっくりしました。
勢いだけで語られがちですが、一コマ一コマ緻密に書き上げて妥協しない石川先生ですから、けっこう日々の進行がマメだったのかもしれません。
あるいは単に「ノってた」からかも。だって展開からもノリノリなのが伝わってきますし。
> 追悼コメントに、また涙。礼節と愛惜がこもっていて。先生のお人柄や、編集部の方々との良い関係がしみじみ偲ばれました。
あの大傑作「極道兵器」が生まれたのもリイド社の雑誌(潰れちゃいましたけど)でしたし、以前からいい関係だったのだろうと勝手に想像してます。リスペクトがなければあの追悼文は書けないですよねー。
ううっ、それだけにこみあげてくるものが…(エンドレスで涙)