2007年01月19日

WORD2003 文書保存時のメッセージPC関連覚書

昨日、実家の父からヘルプの電話。
WORD2003で文書作成し、保存しようとするといつも、

文書は保存されましたが、音声認識データを保存する十分な空き領域がないため、データは失われました。録音していないときは、必ずマイクをオフにし、ディスクで利用できる記憶域を確認して下さい。


というメッセージが出る。文書は問題なく保存されるのだが、このメッセージの意味と、対処法を教えてほしい。
という内容だった。

私は日常的に使う文書ソフトは2000なのだが、多分2002から実装された音声認識機能のオプションがオンになっているのだろうと察しはついた。

「オヤジが知らんうちにマイクのスイッチいじってオンにしちゃったんじゃないの〜〜?」と最初は思ったが、マイクを接続すらしていない状態だと言う。
少し待たせて、メッセージの一部を入力して検索する。
マイクロソフト自身がその対応手順をレクチャーしているページがすぐ見つかった。

(なお、操作中に出てきたメッセージの内容が意味不明だったり、対処の方法がわからない場合は、「そのメッセージをある程度長く(一文程度)入力して検索」するのがおすすめ。
検索結果がいい具合に絞り込まれて、説明やヘルプを解説してあるページに辿り着ける。
この場合は、

「文書は保存されましたが音声認識データを保存する十分な空き容量」で検索

し、検索結果は2だった。あまり長くて出てこない場合は適当に削るといい。)
「マイクロソフトが答える Microsoft Office Q & A 集」大特集!

Word問い合わせランキング第1位を紙面そのままに紹介!
こんなメッセージももう表示されないようにできる!


って得意げなのだが…

要は、新規文書テンプレート設定をユーザー側で変更し、「音声認識」オプションを外しなさいよ、という作業の指示なのだ。

このメッセージに出会ったとき、一般的なレベルの設定変更ができるユーザーであれば、「毎度おなじみ「ツール」→「オプション」から変更すればよいのだろう」という見当はつく。
ただしちょっと面倒なのは、このオプションは、

・これ以降行うWordでの文書操作全てに適用

されるわけではなく、

・1つ1つの文書に対しての設定


であるという点だ。

つまり、文書Aでオプション設定しても、別の文書Bではまた同じように設定しないと、一々件のメッセージが出てきてしまって非常にウザったいというわけ。

なので、ここでは新規文書テンプレートの設定そのものを書き換える手順を紹介している。
一度こうしておけば、今後新規文書はすべて音声認識オフの設定になるので、不要なメッセージも出ないようになるというわけだから、その指示は正しい。

しかし、「こうすればメッセージも出なくなる!」とか、鼻高々に言うようなことではないだろう。(手順一つ一つは大変親切で分かりやすいけれど)
ライトユーザーには、テンプレートといってもピンとこないだろう。
また、ビジネス文書やラベル作成などでテンプレート機能を使いこなしている人でも、「新規文書も一つのテンプレートである」ことを知らないユーザーも多い。
また、指示された以外の変更を誤って保存してしまうと、新規文書書式や設定に思わぬ不具合が出ることもあり、ちょっと怖い作業ともいえる。

ベンダー側のすべきことは、以下のようなことではないかと考える。

●そもそも何が問題・原因でこのメッセージが出ているのか、もっと意味が分かりやすい文章にすること。
この文面だと、一見「文書データが失われた」ように見えるので、誰しも初見時や意味がつかめないうちは焦るはず。重要なデータであれば尚更だ。

●「十分な空き容量を確保」する方法や、「マイクをオフにする(あるいは今オンなのかオフなのか確認する)」方法を明示し、できれば設定画面へ誘導する手段をつけること。

そもそも「OK」ボタンしか出ないことが不親切であり、ユーザーを大いに不安にさせている。
保存は終わっているので「キャンセル」は無理だろうが、「ヘルプ」ボタンや「詳細」ボタンをつけて、正しい設定へ導くべき。

●音声認識機能を必要としない場合も多いのだから、
「今後このメッセージを表示しない」チェックボックス→ソフト側で設定変更をするようにすればよいのではないか。
できれば、
「今後音声認識機能をオフにし、このメッセージが表示されないようにする」くらいの文章はほしい。

●問い合わせNo.1だと把握しているならば、アップデートパッチ等で何らかの対応をすべきでは。
マイクがオフならこのメッセージを出さなくするくらいの修正は必要ではないか。

まあマイクロソフト社製品(に限らないが…)のエラーメッセージが日本語としてこなれてなさすぎだったり、ライトユーザーに意味不明だったりするのは今に始まったことではないのだが、これは確かにユーザーに不要な不安を与えるだけだよなあ…

ちょっと面白かったのは、このエラーメッセージ文面で検索して見つけたもう一つのサイトが、「ヒューマンエラー」について解説するページだったこと。
(偶然辿り着いたのだがとても面白いテーマのサイトである。)

ヒューマンエラーの例としてこのメッセージが挙げられ、演習問題になっていた。

こんな警告ポップアックダイアログが出る。
「文章は保存されましたが、音声認識データを保存する十分な空き容量がないため、データは失われました。録音していないときは、必ずマイクをオフにし、ディスクで利用できる記憶域を確認してください。(OKボタン)」
よくわからないのはなぜだろう?
ユーザをして根本治療のNormal.dotの設定変更にたどり着かせることはできるだろうか?


つまりこのエラーメッセージは、専門家から例として挙げられるほど、「かなり深刻なヒューマンエラー」と認定されているということだ。

ちなみに正解は↓のほうに。
























わかりにくい要因をあげる。
1) 複数の事柄を一度に言う。保存と録音に何の関係があるのか。しかも矛盾している。文書は保存されデータは失われた、とは。
2) ユーザにとって身に覚えが無い。音声認識も、マイクの使用もしていないのに、この警告はでる。
3) 設計者が定義した用語で説明している。「データ」、「ディスク」、「記憶域」とは何のこと?
4) 強制なのか推奨なのか意思確認なのか不明。「必ず」と言うわりに「確認」でいいのか。


posted by 大道寺零(管理人) at 17:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | PC関連覚書
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