安いものですが(まあさすがにダイソーではないけど)、ミニ内裏飾りを買って、桃の花と共に飾りました。

豆雛は、学生時代に京都で買って毎年飾っているものがあるのですが、やはり二度とない初節句、「ふたばの」お人形を買ってあげたくて相方と選びました。
この手のミニ飾りも色々なものがあるのですが、あえて「双子っぽくていいな」という相方の声と、可愛らしい第一印象に惹かれて、お内裏様とお雛様の顔がほとんど同じこれを選んでみました。
珍しくBlogのテンプレを変えてみたのも同じような理由であります。
夕食にはちらし寿司を。

中身は干し椎茸・干瓢・ごぼう・人参の甘煮+白ごま。
上に飾ったのはエビ・ほっき貝・錦糸卵・貝割れ&各自お好みで刻み海苔。
あまり気取らない材料で、私にしては珍しく彩りを重視してみました。甘煮があまり濃くなかったので、全体的にとてもマイルドな味。
仏壇にあげたあと、一緒に食べました。
あとはハマグリの潮汁+アスパラ菜の辛子和えなど。
デザートには桜餅。
多分自分のひな祭りもこんなにあれこれ盛り込んでお祝いしたことなかった気がする。
オカンはそれなりに頑張ってみましたよっと。
デザートも手作りしようと思ったが、あまり気張ると逆に家の人に痛々しく思われそうなので、出来合いので勘弁すること。
ま、「なんだか分からないけど、いつもよりお花がいっぱいあって、ロボットとかじゃないお人形が増えてて、オカンが頑張ってるっぽい」とだけ伝わってくれたならそれで十分だ。
しかしなんだ、当の子供がこの世にいなくても、節句だ年中行事だというのはなんだか一生懸命になってしまうものですな。
世の「親御さん」がたは楽しみが沢山あって、心から羨ましいなあ、お幸せだなあと思うのだった。
言うまでもなく、雛人形は「婚礼の場のフィギュア」であり、女の子の健康や成長・将来よき伴侶に恵まれるように祈るものだ。
私にとっても、「いつか天国で大人になって、お父ちゃんみたいな優しい人と出会ってほしい」という願いを込めたものである。
そういう意味では、この人形も、「冥婚」の風習の1形態・「ムカサリ絵馬」に近いものかもしれない。
特に山形県に多いといわれるもので、「ムカサリ」とは、山形弁で「結婚式」「祝言」を指す方言。
婚礼の年齢に達せず、幼年・少年時に病気や事故などで亡くなった我が子を忍びなく思い、「せめてあの世で伴侶にめぐり合って結婚式を」という切なる願いを絵姿にして奉納し、神仏の前で祝言を挙げる。それが「ムカサリ絵馬」の風習である。
同じような「冥婚」は、例えば雛人形などを奉納して供養する形で行われる例が各地で見られるのだが、「絵馬」というのは山形近辺に特有のケースらしい。
参考
戦争直後は、動員されて戦没した若者のために行われることが多く、いまでも交通事故に遭った子供への供養として行われることがあるという。
山形では、天童市の若松観音のムカサリ絵馬が、奉納枚数も多く特に有名。
ムカサリ絵馬の奉納は山形地方では寺や神社にも見られる習俗だが、その根元は若松寺と山寺立石寺の奥の院と思われる。本来はあととりの総領息子が結婚前に夭逝したために収めたのがはじめだろうと思われるが、戦争直後は戦没軍人のため、今では交通事故で若い命を失った方への供養として行われることが多い。
ムカサリ絵馬は山形地方独特の風習で、全国でも他に例はない。おそらく最上の巡礼がひろめたものと思われ、南は上山の高松観音、北は大石田観音までであったが、最近は庭月の本坊にも納められている。
渡辺信三「改訂 最上三十三観音巡礼記」より「第一番 若松観音」(大叔父の著書です)