農業体験実習生 怒りの“告白”(北海道経済)
大阪府茨木市に住む池田八重子さん(仮名・40歳)は昨年7月中旬、関東・関西方面を中心に発行されているフリーペーパー「ぱど」に掲載された「農業体験実習生募集」の広告を見つけ、応募を思い立った。
募集していたのは北海道上川支庁管内にある人口5000人台の町。同町の農業後継者育成推進協議会の名称で「農業を体験して新しい自分を見つけてみませんか」と呼びかけていた。その協議会の事務局が役場内にあったことから、安心できる組織だろうと判断、まずは詳しい内容を聞くため、事務局に電話を入れてみることにした。
電話に出たのは同町農業委員会の女性職員。池田さんが「農業体験実習生とは具体的にどういうことをするのですか」と訊くと女性職員は「農家の手伝いをする仕事で、農業の勉強会のようなものと想像してください」と答えたという。
(略)
農業体験実習生なのだから、一度に数人は受け入れるのだろうと思っていたのだが、返って来た答えは「基本的には1人です」だった。
それを聞いて池田さんの両親は余計に不安を募らせ、また池田さん自身の心にも不安がよぎった。「大丈夫なのですか?」。が、電話の向こうの女性職員は「この電話で詳しくお話しするのは難しい。現地で説明するので、今は何も考えずにとにかく来てほしい」の一点張りだった。
受け入れ先の家は「両親+息子」だったが、奥さんが倒れてしまい現在男所帯だという。
「男所帯に女1人、もし間違いがあったらどうしてくれますか」と言うと、「塩谷さんはいい人だから大丈夫。あなたが想像するようなことは絶対にない」と言われました。「もし何かあったら私に電話してください」とも言われましたが、何かあった後なら遅いのです。私はもう、出口の見えない迷路に入り込んだようなものでした。
(略)
すぐ夕食をいただくことになりましたが、息子さんはお刺身の正油を注いでくれたり、おかずを取ってくれたり、何かと面倒を見てくれましたが、それは私にしてみれば、親切にされたというより、ベタベタされたという感じでした。
そのうちお父さんが「実は今年5月から役場に嫁さんを頼んでいたんです」と言い出したものですから私はびっくりして「私は農業実習に来たんです。お嫁さんに来たのではありません」と言い返しました。でもお父さんは「実習生というのはあくまでも表向きで、この町では嫁さんということなのです。あなたは何を言っているのか」と取り合ってもくれませんでした。
しかも「息子が、あなたの履歴書の写真を見て気に入ったからOKを出した。役場もOK、私もOK。何でそんなに実習生にこだわるのか。農業が好きなら、この町がもってこいではないですか」とまで言い出す始末でした。
(略)
私は2階の部屋を与えられていましたが、息子さんの部屋も同じ2階にありました。カギのかかる部屋ではなかったので、息子さんが黙って入ってきました。少しお話をしているうちに息子さんがキスを求めてきたのです。
私が「困ります」と言うと息子さんはびっくりしたような顔で「なんで拒否するの、実習生で来ていながらなんで?」と逆に私を責めるような感じで言ってきました。「私は農業実習に来ているのです。勉強しに来ているのです」と言い返すと「あなたにはそういうことでなく、この町や家のしきたりを学んでほしい。役場も父もそれを望んでいる」と言い始めました。
その後も肉体関係を求められたり、過去の実習生とのH体験を効きたくもないのに聞かされるというセクハラ体験に耐えかねて、女性はこの家を出て、別の家に受け入れ先を求める。
酪農家の夫婦(外山さん)ということで一安心するも、
外山さんが作業中の池田さんに対しセクハラまがいの行為をするようになり、それを見かねた外山夫人から、「あなたがここへ来たから悪いんだ」というような逆恨みを受けることになった。
しかも外山さんの知り合いという46歳の独身男性を無理やり紹介され、池田さんが「私はここで結婚する気はない」と言うと「この町に来るということは農家の嫁になるということだろう」と憤慨し、「結婚する気がないのなら、もう面倒は見られない。出て行ってくれ」と言われる始末。外山さんの家に来てからまだ2週間しかたっていない時のことだった。
結局街を去ることを決め、役場スタッフに不満をぶつけるが、その対応がまた。
しかしその役場でも対応はつっけんどんなものだった。
「農業体験実習というのはそういうもの。農家なんて一人でできるものではない。農業をやりたければお嫁さんになるしかない。どうしてそういう想像が働かなかったのか。想像力が薄いあなたの方が悪い」
……
…………
つっけんどんってレベルじゃねーぞ!
「想像力」って…
「農業実習」=「花嫁斡旋」という超回路が、通常の想像ロジックだとでも言うのか…いや、言ってるんだけどね……
想像できる材料といえば、募集要項に「20〜40歳の"独身"女性」と記している部分かな?
でも「実習生」「研修生」とあれば普通はそっちを重視するだろう。
いやーこれは酷い。
うちは農家じゃないけど、田舎に住む人間としてものすごく恥ずかしくなる話だ。
庄内地方を鑑みれば、数年前に温海町(現・鶴岡市)でなりふりかまわない「お嫁に来て」キャンペーンを展開して賛否両論だったが、それでもこんな風にモロ詐欺なやり口で騙すなら、ストレートにしたほうがよっぽどマシだ。
というかなー、こんなことを町ぐるみ・役所ぐるみでやらかしておいて疑問を感じない、そういう風土とか常識のなさが、嫁の来ない最大の原因だとなぜ気づかないか…
多分連中は、この期に及んでも何で自分達が批判されているかすら理解できないのでは。そしてそういう人間が意外に近くに住んでいるかもと思うと薄ら寒くなる。
嫁確保目的ではなく、マジメな志で農業研修生を募集している自治体も、これで終わったかもしれんねえ…
農家や田舎の嫁探し問題は、実際奇麗事ではないのはよく分かる。
しかし業種や条件を問わず、「初手からガツガツ」「騙まし討ちなやり方」で成立するデートも見合いもあるわけがない。
田舎育ちの人間ですらドッ引きなのに、いわんや都会の人においてをや。
利根川さんだってこんな悪どいことしねえ。
参考リンク:●農家の実態まとめサイト(2ch家庭板より)
↑そんじょそこらのホラーものより血も凍る恐ろしさ。
(↑のサイトにもありますが、そこでいう「農家」とは、最低限の常識があって前向きに真剣に農業に取り組む方は含まれていませんのでそこのところよろしく)
●北海道内の農業体験募集実施自治体リスト
(嫁狙いという意味で)危険なところとそうでないところが一目で分かる。
「農村青年との交流・結婚を希望する独身女性」とストレートに書いてある帯広市のようなところのほうがよっぽど好感持てるな…
この近辺では、比較的ストレートな花嫁募集をしています。
この記事ではどこの市町村かわかりませんが、役場の態度があまりにもおかしいことを考えると、かなり小さい、公務員と言っても地縁血縁で採用されているところのような感じですね。そういうところだと富良野みたいにはならないので、それでこんなことになったのでしょうか。
こういう話はあり得るな、と思うのと同時に、実際に知りあいの農家さんではあり得ないので、少しわたしは困惑しています。
ここからはわたしの推測です。
農家の後継者で、高卒ですぐ農業に入る人はそんなに多くはありません(少なくもありませんが)。
実際、二十歳くらいの後継者というのは、親の言うことを聞こうとしないし、親のほうもまだ若いのですぐに後継者が欲しいわけではないため、都市部の大学に進学したり、就職したり、あるいは自宅にいながら農協などの地元に就職する例(アルバイトも含めて)が多いです。
以前少しだけ高卒ですぐ親の農業を手伝っているという人に会ったことがありますが、正直言って農業をやりたいからやっているというよりも、進学や他で就職する能力ややる気がないのだろうという感じの人でした(母数が少ないので鵜呑みにしないでください)。
進学や就職によって社会性を身につけた人は、程度の差はありますがそんなに前近代的ではありません。Uターンで農業を継ぐときは既に結婚相手を決めている人も多いですし、農業をやりながら自分のネットワークで合コンをしたり、まともな出会いをして相手をみつけています。(わたしの知り合いはこのパターンの人が主です。)
一方で、高卒ですぐに家業にのみ従事していると(しかもたいてい過疎地です)、当然ですが社会性の程度は低く、若い頃に合コンやお見合いをしても近代的な女性とはうまくいかないでしょう。そのまま40歳を過ぎてしまうとこんな記事の例になってしまうんじゃないかなあ・・・。全部がそうではないでしょうが・・・。
まだ日本では農業を家族経営で行うことに頼っていますが、北海道ではぼつぼつ法人化するグループが出てきました。土地が絡むのでまだ積極的に増えてきてはいませんが、法人になることで必ずしも血縁の後継者を求めなくなり、機械の共有などで効率的に作業ができるようになっているそうです。
この記事がどこまで事実か、実態はどうなのか、少なくとも道庁(支庁)の担当者はある程度探って、事実確認ができなかったとしてもこの記事を示して市町村や農協に
「これはダメですよ」
と言っておく必要はあると思います。
わたしは農業をやっているわけではありませんが、北海道に住む者として、この件に関しては気になっています。
長文になりますが、もうちょっと続き。
ある専業農家のお家なんですが、息子さんは大学を出たあと一般企業に就職し、そのままずっとサラリーマンをしています。もう40歳を過ぎていますが独身です。わたしから見て、背も高いし(180cm以上)顔も鼻筋が通った端正な顔立ちだし、太っていないし、優しい話し方をするし、何故独身なんだろうと不思議です。わたし個人は彼に男性としての興味はないんですが、絶対もてるだろう、という外見なんです。プライベートなことなので聞けませんが、おつきあいしても実家が専業農家ということで結婚となると二の足を踏む女性がいたのかなあ・・・なんて想像しています。
「農家の後継ぎがいない」ってのは幻想だよ幻想。
実際酒田市内でもウチの地区は就農者年齢が一番若いんだけど、ほとんど結婚してるもん。まぁ夫婦一緒に農業してるってのはいないけど。
でも他地区だと、知らないうちにコリアンの嫁さんと子供までいたなんてケースもありましたが・・・
地区全体の営農自体も、田んぼなんかは集落協同で畑は個人ってなカンジで、昔とは全く違って効率的だしね。
北海道なんかだと土地は広いし酪農も多いしで、まだ閉鎖的な個人経営をせざるをえない状況なんだろうな。
維持できないなら辞めればいいのに。
>役場の態度があまりにもおかしいことを考えると、かなり小さい、公務員と言っても地縁血縁で採用されているところのような感じですね。
情報からするとどうも美深町のようです。詳しくはこの後書くパート2にて…
サイトなどを見ただけでも、富良野近辺は「北の国から」&「ラベンダー♪」なイメージで上手に売ってますねえ。
>農業従事者
私は母の実家が農家で、叔母の大半も農家に嫁いだため、農家の親戚が比較的多いほうです。農家生まれの男性従兄は、現在誰も戦農にはならず、完全な勤め人or半農です(どちらかというと親が半農or「農家はオレの代まででいい」という方向で進学・就職を勧めてた感じに見えました)。叔父達が農業を強制しなかったのも手伝って(勿論それぞれに人間的な魅力もあり)か、いわゆる「適齢期」に、学生時代の付き合いや修飾語の普通の出会いを経て結婚しています。
また、今住んでいるところもコメ農村のどまんなかですし、若き農業労働者の友人もいますので、「農家がこんなんばっかりじゃない」というのは分かっているつもりです。むしろ、「普通の農業従事者は大迷惑だよ」と思っています。
山形でも、特に果樹農家を中心に法人化が進んでいます。
また、現代社会の中でちゃんとした「農業経営」をするためには、前近代的な頭ではとてもやっていけないということもおっしゃる通りですね。
私見ですが、主力商品の販売力やブランドバリューのある地域はそうした近代的な経営にシフトできているようですが、特筆すべき農産品がない・もしくはクオリティの高いものを作ってはいるが知名度が周辺に比べて低い…などの「はざま」にある地域では、上手にシフトできてないような感があります。
学歴に関しては、40代↑についてはそういう傾向が高いのは確かかもしれませんね(勿論個人個人で異なりますけど)。30代↓は、外に出たことがなくともネットなど各種情報媒体を駆使できる人はこの限りではないかと思います。
ただ、農業に限らず、一度県外などに出たり、社会性のある仕事に就くなどして、「故郷の常識=世間の常識ではない」という認識を得て、自分の中の風通しを良くすることは長い人生において大事なことだと思います。
>この記事を示して市町村や農協に
「これはダメですよ」
と言っておく必要はあると思います。
ですね。むしろ農林水産省が厳しくお達しするべきかも。実際「なんでいかんの?」とすら分かってないのもいるみたいですしね。
普通にグリーンツーリズムしている自治体なども大迷惑ですし。
>ある農家生まれの男性
不思議ですね…その男性自身が女性に気兼ねしているということも有り得るかもしれません(農業、というよりも実家が閉鎖的・封建的だったり、母親が牛馬のように扱われているのを見て絶望したとか)。また、お天道さん次第で左右される、リスク&リターンのある商売ですから、家や畑が大きくて豪農に見えても、中身は大借金なんてことも良く聞く話ではありますね。ま、個人的なことですからこれ以上詮索はしますまい。
>ウチの地区は就農者年齢が一番若いんだけど、ほとんど結婚してるもん。
それは何より。
上のコメントにも書いたけど、若い人はけっこううまくやれてる人が多いような気もします。四捨五入して50に近い年代で、しかもなんでも「人のせい」にしたり、総領息子ということで甘やかされて育ってる世代がどうしようもない感じがします。個人的な感想ですが。
>地区全体の営農自体も、田んぼなんかは集落協同で畑は個人ってなカンジで、昔とは全く違って効率的だしね。
ですね〜。特に田植え稲刈りの季節は、家も他所もなく、システマティックに皆さんがんばってらっしゃいますよね。