週末、「同じ人間に4回も街頭インタビュー(と称した仕込み・ヤラセ)をさせていた」件がNHKニュースで流れていた。
これ、ちょっと前にネットで「謎の四つ子(笑)」として大いに話題になっていたものだが、それがNHKニュースで扱われたことに少し驚いたり、いいぞもっとやれと思ったり。
以前清水義範の短編で、「TV局の『街頭インタビュー』なるものが、いかに恣意的に局・製作者の意向に合うように切り貼りされ、原形をとどめないものか」を皮肉った作品があった。
そういう編集だとか、ある程度「仕込み」があるということはまあこっちも一応オトナだから分かって見ているのだけど、いくらなんでもこんなにインパクトの強い容貌の人間を連続で使えばそりゃあ誰か気づくってもんだ。
だって、コレですぜ??
オタクにしたって、もうちょっと没個性的な外見の人がいくらでもいるだろうにwww
TBSサンデー・ジャポン、街頭インタビューで出演依頼 - 文化・芸能(asahi.com)
TBSの情報バラエティー番組「サンデー・ジャポン」の街頭インタビューで、同じ男性が計4回登場していたことが6日、分かった。TBSによると、3回目からは取材日時を伝えていたが、3回目については「街行く人」に聞いてみたとして放送していた。
一連のインタビューは東京・秋葉原の「オタク」を取材するのが目的。06年12月10日から今月1日の間に放送された。初めの2回は偶然通りかかったこの男性を取材して放送したが、ディレクターが個性的なキャラクターに魅力を感じたため、3回目以降は連絡していたという。
広報部は「発言内容の誘導や金品授与は一切していない」とした上で、「『街行く人』としたのは、誤解を与えかねないものだった。このコーナーは他にもお面をかぶって登場する常連さんもいる。バラエティー番組の演出の許容範囲内と考えているが、今後はテーマとインタビュー内容をより精査するように配慮したい」としている。
都合が悪くなると「演出の範囲」「イメージ映像」で誤魔化す言い逃れはもう飽き飽きだが、こうも続くと、「よくもこんなに幼稚な言い訳ばかり出して来れるものだ」とある意味感動してしまう。
最近の主要なTBS事件簿はこんな感じ。
(コピペのコピペです)
+殿堂+
・オウム真理教の坂本弁護士一家殺害を幇助
・石原都知事の日韓併合発言で捏造テロップ
・筑紫哲也が阪神大震災で「温泉街」発言
2006.03 ナヌムの家報道、NEWS23スポンサー不買運動
2006.04 大家族・青木家、あざみに数々の疑惑が浮上
2006.05 白インゲンダイエットで下痢や嘔吐などの入院患者100人超
2006.06 ハイド議員の靖国発言を超訳
2006.07 731部隊の報道に安倍氏ポスターをカットイン
2006.08 亀田興毅疑惑の判定で世界王者、抗議6万件超
2006.09 亀田大毅の判定に客が野次を飛ばし乱闘騒ぎに
2006.09 KUNOICHI収録中に感電事故、一般参加の女性が病院で手当て
2006.10 新キャスター・山本モナさんが民主・細野議員との不倫で降板
2006.11 世界バレー女子、6位・日本からのMVP選出に大ブーイング
2006.12 はなまるマーケットで便器破損の恐れがあるトイレ掃除法を紹介
2007.01 反則の柔道王・秋山成勲がヌルヌル&グローブ疑惑で失格処分
2007.02 頭のよくなる音・ハイパーソニック音で過剰表現・論文無断使用
2007.02 サンデー・ジャポンで柳沢発言を不適切編集
2007.03 桜庭選手に失望したとのネット掲示板の書き込みを捏造
2007.03 朝ズバッ!の不二家報道が事実と異なるとして総務省が調査
2007.04 新SASUKEの参加者5名が重軽傷を負った事故を隠蔽
他にも、「すっごい滑るよ! - TBSにとっての「捏造」とは」など、「TBS」「捏造」で検索すると、まとめサイトやブログが多くヒットするので興味のある方は参考にされたし。
私は石原も安倍も柳沢も嫌いだが、こういうあからさまな捏造や恣意的な編集は、かえって相手に追い風を与えるだけだと思うし、何より根本的にやっちゃいかんことだろうと思う。
最近の事件簿では、特に不二家報道関連は酷すぎて呆れるばかりだ。
「街頭インタビュー」など、単なる「つかみの演出」「進行の参考」でしかなく、大きく影響される人もいないだろうとは思うが、その内容(数的な偏り)によっては、「市民の意見としてはこれがマジョリティ」と思わせることは十分可能であり、まして政治的な問題の是非などを仕込みでコメントさせることは、十分に「世論誘導」となりうると思う。
今後、番組内で「TBSで独自に行った世論調査…」などと言われても、もはや「『答えてちょーだい』の再現ムービー」程度の扱いしかされないのではないだろうか。というか、私はする。
で、国会でも盛んに法整備への取り組みがなされており、それに対して放送局側が声高に反対しているというのが現状だ。しかし、その放送法改正案も、
適用は放送局が捏造を認めた場合に限定することや、放送業界の自主規制機関が機能している間は発動しない
(「捏造番組に再発防止計画 放送法改正案を閣議決定(FujiSankei Business i」より)
など、どう見ても有名無実の腰砕け法案なのが萎える。チェックされるべき放送業界の内部に作られたチェック機関にどういう意味があるのやら(反語)。
そしてこの限定要項を出してきたタイミングも、TBSキー局保護のためではないかとすら思えるほどに一致していた。
また、「あるある」の一件が示すように、今後問題が起こった場合は「製作プロダクションに責任転嫁して尻尾を切り、キー局だけはご安泰」という手法が今後定番になっていくことは間違いない。
こうした視聴者・スポンサーまでも舐め切った番組作りは、TBSに限ったことではなく民放各局、またNHKを含めて、程度の差はあるかもしれないが「どこでもやってる」ことだとは思う。
ただ、TBSの頻度・見え見え度・言い訳の酷さがダントツなんだよなあ。
あまりにザクザク頻出なので、かえってこの一件で何かもっと大きな問題から目をそらそうとしてるんじゃないかとすら勘繰りたくなるほどに。
多分政府としても、地デジの兼ね合いもあることだし、放送局とガチでやり合う気はなく、とりあえず国民に対して仕事してますよアピールをしつつ、実際はなあなあで済ませようとしているのだろう。見え見えすぎてもうね。