2007年04月09日

恋人のメールを無断復元日記

先ほど書いた「別れさせ屋」エントリーで取り上げた「相沢京子結婚調査室」の調査実績の中に、大いに引っかかった事例があった。

出会い系サイトで知り合った彼女への不安を晴らしたい

依頼者
31歳男性

相談内容
出会い系サイトで出会った彼女(26歳)がいます。交際をはじめて2年になるのでそろそろ結婚を考えているのですが、やはりこういうもので出会った相手と思うと心のどこかにしこりがあります。自分のことをタナに上げるのも変なのですが、安心して結婚したいのです。

調査方法
ご依頼主が密かに相手のパソコンを調査したところ、削除したメールの復元に成功し、1年前までは他の男性とも関係を持っていたことがわかりました。その結果をふまえて、ご依頼主と会う予定のない日の尾行調査を行いました。

調査結果
尾行調査の結果は潔白なものでした。ご依頼主との関係を考え、自ら周囲を清算したものと思われます。ご依頼主自身も実は似たような状況にあり、「いろんな相手を選んで、お互いが最後に残ったんですね」と、結婚への決意を固めておられました。


……問題はいうまでもなく赤文字部分なのだが……

●「密かに」相手のパソコンを調査

 まずこの時点で「無許可使用」である。

●削除したメールの復元に成功

 その上、「無断サルベージ」である。
 そして、このメールを探偵業者に見せたのであれば「不正な第三者への開示」として、「通信の秘密の侵害」及び「プライバシーの侵害」となるのでは。

「PCや携帯電話のメールや通信履歴を家族に勝手に見られた」というのは、しばしばTVの法律系番組などでもよく扱われる話題である。ロックをかけていない場合、同居家族間では実質グレーゾーン扱いになることが多いようだが、この二人の場合はまだ婚姻関係になく、戸籍上は他人なので、同じように扱ってよいのかどうか。

PC自体にパスがかけてあったかどうかこの文章だけでは不明だが、真っ黒な行為であることは明らか。
他人のメールボックスを無断で使用・受信した場合は「不正アクセス」が成立するが、データの無断サルベージはどういう扱いになるのか、法的にお分かりになる方がいらっしゃったら是非ご助言いただきたく思う。

この二人は結果的には彼女がシロだったから結果的には何事もなかったようだが、表面的に円満ならそれでいいのか。
彼女がこのように疑念を持たれてPCを勝手にいじられていたことを知ったら、「心のどこかにしこり」じゃすまないと思うのだが…
「彼女のPCやメールをチェックしなさい」「データをサルベージするソフトがあるから使ってみなさい」と依頼人にアドバイスしたのか、依頼人が自発的に行ったのかも文章からはわからないが、前者であればさらに問題だ(どうせいくらでも言い逃れできる文言を使ったのだろうけど)。
大体、このような真っ黒な行為を「実績」として胸を張ってサイトに掲載できる感覚が理解不能である。別のページでは「きちんと法律を守って活動しています!」と喧伝しているのに、説得力ゼロだ。
この探偵社の実際の業績や評判がどうなのかは知らないが、少なくともサイト作成担当者にリテラシーが欠けているのは明確と思われる。
posted by 大道寺零(管理人) at 18:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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