2007年04月17日

ポキール慕情回顧

mixi友達の菅原力音さんの日記に、大人となっては懐かしい「ぎょう虫検査セロファンシート」の写真が貼ってあった。

<つまりこのエントリーはそういう話題なので、食事中の方は閲覧にご注意ください>

娘さんが保育園から渡されてきたらしい。
ぎょう虫検査は学校保健法で定められた検査なので、誰しも小学生時代に経験があると思う。
(現在の学校保健法では、幼稚園+小学校1〜3年の時期に毎年実施するように定められている)

ぺったん*2
これが検査シート。2日間1個ずつお尻に貼って、最後に張り合わせて提出する。
真ん中の「+」は、顕微鏡で検査する際の中心目安。
最初に青い色の付いた範囲を検査し、そこに卵などが見つからなければ外周を検査、それで反応がなければ「シロ」ということになるそうだ。


検査シート説明書
検査シートの使い方・提出方法の説明書。
天使風のキューピーさんが、余裕こいた笑顔で「こうするんだよ」と示す、この微妙に和風な味のイラストも私が子供の時のままでかなり感動した。
実際には小さい子供が一人で正確に肛門とシートをジャストミートさせるのは不可能に近く、大抵は母親にお尻を突き出し、よく密着するように尻たぶを広げられた上でペチョッとやってもらうのだが、さすがに恥ずかしいものだった;

この検査シート、もしくは検査そのものを「ポキール」と呼んでいたのは私が生まれた山形市周辺だけだろうか。
正確には、「ポキール」は、三共製薬が販売していたぎょう虫用の虫下し薬(検査で陽性だった生徒に配布された)であって、シートの名前ではない。
しかし、この「ポキール」という商標名が、シートを入れる小袋や説明書に印刷されていたために、「ポキール」という呼び方が定着してしまった地域もある(うちのように)。

昔の小学生というのは本当にアホで、今となっては何がそんなに琴線に触れるのかは分からないが、「うんこしっこお尻チンチン」系の単語を見たり聞いたりしただけで転げまわって笑っていた。
「ポキール」という単語の、変に味のある間抜けな響き、そして同時に「ママにお尻を突き出すあの情けないシチュエーション」「説明書に書いてあるあの微妙なキューピー(with笑顔)」を連想してしまって、私の出身小学校では「爆笑ワード」の一つになってしまっていた。

実際には、
「ポバン」と「バンキュール」という駆虫薬の名前を合成させて作られた商品名
らしい。

三共製薬の「ポキール」は、1990年代には製造販売が終了、現在は「コンバントリン」「パモキサン(錠・液)」が駆虫薬として用いられているとか。
実際に「ポキール」を見た人によれば、真っ赤な錠剤、下る時もウ●コが真っ赤になったという。
「ポキール」が消えた理由として、色素の一部に発がん性が指摘されたから…というのが挙げられている。
実際には該当物質が体内に吸収される可能性は低く、
「ポキールはぎょう虫専門にしか効かないのに対し、コンバントリンは複数の寄生虫に効くから」
というのも大きな理由のようだ。(しかし対ぎょう虫に限定すればやはりポキールはエース級の能力を誇っていたらしい)

(一部、力音さんの日記のレスで引用されていたページを参考にさせていただきました。
 「ぎょう虫検査・検便」より)

太郎ちゃんところで、WikiPediaで調べていて芋づる式に知ったのだが、このキューピーさんにはちゃんと名前があった。
「丸輪 太郎(まるわ たろう)」というのだそうな。
一応ちゃんと項目もある

とはいえ、メーカーが「ぼく、丸輪太郎!ぼくがぎょう虫検査のことを何でも答えるよ!」とかキャンペーンをしているわけではなく、検査シート記名欄の記入例に「丸輪 太郎」と書かれていた(銀行や役所の記入用紙の例に『日銀太郎』とか書いてあるのと同じ)ところから結びついたようだ。
「丸輪」は、検査シートに◎が印刷されているところから来ているのだろう。

ぎょう虫検査といえばポキール、つまり写真を乗せた「青色・◎・真ん中に+」のものしか知らないのだが、東京や関東の一部では、青ではなく、「黄色と紫に色分けしてある、渦巻きの検査シール」だったらしい。
前者(通称ポキール)は、正式には「ウスイ式ぎょう虫検査」という名前があり、後者は「ピンテープ」と呼ばれることが多い。
丸輪太郎さんを見ることが出来るのは、前者のウスイ式のみである。

昭和30年代あたりまで、畑の肥料には下肥(人糞・排泄物)がよく使われていた。そのため野菜などを通じて「もらって」しまったり、その人の排泄物がまた肥料になって…という悪循環があった。
さらに当時は下水処理もまだ備わっておらず、水洗トイレもまだ普及していなかった。寄生虫やその卵は、以前は本当に身近なものだったのだ。
外で遊んできた子供が、手や爪の間に付着した土や汚れをそのままにして物を食べたり、指を舐めたり爪を噛んだりすることで、虫を体の中に入れてしまう。ぎょう虫は成虫になっても小さく、見つけにくい。普段は盲腸付近に住むのだが、産卵する時になると、メスが肛門に出てきて卵を産み付ける。
このときが猛烈に痒いらしいのだ。
起きている時ではなく、宿主が寝ている時にぎょう虫の活動は活性化する。(起き抜けに検査をするのはこのためだ)
痒くて起きてしまえばまだいいが、中には自覚症状のないまま幹部周辺を掻いてしまい、朝そのままの手で食事をしたり家のものや衣服に触ってしまうことで、家族全体、感染してしまうことが少なくないという。集団生活の中で移りやすいということで、学級単位も決して無関係ではない(給食の配膳などもあるし)。
今では少なくなったらしいけれど、それでもなくなってはおらず、一定の罹患数があるらしい。そんなわけで21世紀の現在でも検査はしているというわけだ。
最近では、「無農薬・有機栽培」の野菜を栽培する際、動物の糞をもとにした堆肥を使うことがリバイバルしているので、そこからもらうこともあるとか。
気が付いたら衛生的になっていた環境で育った世代(30歳付近↓)は、かえって衛生観念がルーズなことが多く、野菜などもあまり洗わない人が増えているらしいので注意したいものだ。

検査シールの添付プリントに載っている、「心当たりのある人は虫がいるかも」項目にある、
「体があたたまったり、布団に入ると肛門の周りがむずがゆくなる」
という文を読んだだけで、虫もいないのになんだか痒くなってくる気持ちになったものだった。
ぎょう虫症の典型的な症状として、
「落ち着きがない、イライラしていて短気」
というのも昔からよく言われていた。

検査の結果陽性だった子は、保健室の先生から「ポキール」をもらって説明どおりに飲む(家族全員が飲まなければいけないこともある)のだが、「保健室の先生のところに行きなさい」というプリントを担任から手渡されるので、そのタイミングによってはバレバレで(今は流石に考慮しているはず)、みんなから「今年のポキールはユウイチ(仮名)だ〜」と囃されることもあった。

上にも書いたように、周辺地域では、「ポキール=ガキ爆笑ワードの一つ」として既に定着していた。
給食で牛乳を飲んでいる時に誰かが唐突に(笑わせようとして)「ポキール!」と叫んだ日にはもういけない。
まして、あの「キューピーのポーズ」までされては間違いなく…

;:゙;`(;゚;ж;゚; )ブフォ-!
確定であった。

中学生の頃吹奏楽部でトロンボーンを吹いていた。
ミニコンサートのポピュラーコーナーでの定番に、ラテンの名曲「テキーラ」がある。
曲の途中のキメで、全員で「テキーラ!」と叫ぶところがあるのだが、どこぞのパート練習中、誰かが
「そこでポキール!って叫んでもアリじゃないか?w」
とアホなことを言い出し、全パートに伝わって
「ねーよwwww」と爆笑の渦。
しまいには合奏練習していても、「テキーラ!」に近いところに来るとみんな笑ってしまって全然吹けなくなるという状態に一時陥ったことがある

(吹奏楽部「テキーラ」演奏の参考映像:
 http://www.youtube.com/watch?v=FWtmUSSJylU

このように、小学生生活と切っても切れず、名前を言うだけで笑いを誘う単語「ポキール」だったが、他にレスした方々は意外とポキールとの距離のとり方がクールだった。
というか、私だけが「昔ポキールといえばめちゃめちゃ思い出ありますよね?」みたいに盛り上がっているようでいて、恥ずかしくなってしまった…
もしかして私の通った小学校・中学校が飛びぬけておバカ&笑いの沸点が低かったのだろうか…今更ものすごく不安になってきたんだけども!

茅ヶ崎市の市民のメール質問に答えるコーナーにおいて、「なんで今時ぎょう虫検査なんかするの!」とキレている人がいて、その理不尽なケンカ腰が非常に印象に残った。

 毎年子供がぎょう虫検査を学校で渡される試験シートで行っています。ただ、今の衛生事情を鑑みて本当にこの検査が必要なのでしょうか?茅ヶ崎はそんなに不衛生なのでしょうか?もし、通例で行われているのでしたら、他のワクチンなど予防接種もあわせて再検討が必要ではないでしょうか?(今時、はしかとか水疱瘡が蔓延しているのにそれは放ったらかし)もし、文科省と厚労省との確執で踏み入れられないのであれば、市独自で動くべきだと思います。どうも、波風立てるのが嫌いで、税金を湯水のごとく使い、それでいて増税はどんどんしていくこの不条理。役人仕事を見直してください。


市役所の人はちゃんと穏やかに答えていて流石プロだと思った。
市や環境の衛生状態よりも、「あんたんちの子供が衛生的かどうか」「手洗いのしつけをちゃんとしてるか」のほうがぎょう虫的には重要なのよねぇ。
それにはしかや水疱瘡は、親がワクチン接種をさせたかどうかのほうが問題だろ…まったくもう…
posted by 大道寺零(管理人) at 17:02 | Comment(5) | TrackBack(2) | 回顧
この記事へのコメント
小学校4年だか5年だったとき

・・・

のみますた。
しっかり家族全員分のポキールもらった記憶が。
Posted by eng at 2007年04月17日 20:07
 昭和40年代の大阪では、アレは「ポキール」でした。私はあの、尻拓をとる検査用紙の名前がポキールなのだと、今の今まで思い込んでいましたよ!薬の名前だったのか・・・
 ブルーの粘着液がぐるぐるしているところや、保険委員の子が、ホントにいやいやあの用紙を集めて廻っていた姿なんざ、まざまざと思い出しますワイ。
 どっかの誰かが、ナニを勘違いしたのか、用紙にンコをはさんで、真ん中を膨らした状態で持ってきた、なんて話が雑誌「ビックリハウス」(だったと思う)に載ってたり・・・
 「サラリーマンNEO]の放送を待ちながら、ネコトシもポキールの思い出にノリノリです♪
Posted by ネコトシ at 2007年04月17日 23:08
さすが零さん!!
私のあの短い日記が進化して立派な姿になって(TロT)感動!
ぎょう虫検査の大きな画像(…しか提供できませんが)を見てみたいという方、明日の話題のネタに使ってやって下さい。
今回、生まれて初めて『トラックバックを送る』という体験をさせて頂きました(緊張しましたよ〜)。

ちなみに今朝、一回目の『ぺったんこ』をしたのですが。
娘が眠いと言って起き上がってくれない為に、寝たまま実行に移すことになってしまい(゚д゚)
おしりを広げて◎を出そうとする度に『娘がおしりに力を入れる→それを広げようと追う私→(くり返し)』という状況にっ(゜д゜;)
娘がお祭りで売ってるポンプで動くカエルに見えてきて爆笑しちゃいました(ノ∀`)
Posted by 力音 at 2007年04月18日 01:53
>>engさん

そうですか。いますたか。
やっぱり家族全員分のポキール配布なんですね。

>>ネコトシさん

>尻拓

いきなりツボりました。少年少女のソレフェチの人にはたまらないアイテムなのかしら…

>用紙にンコをはさんで、真ん中を膨らした状態で持ってきた、なんて話

あったあった…
冷静に考えると、あのサイズとホールド力では無理っぽい話ですが…
排便後に当てちゃった人とかはいそうかも。

> 「サラリーマンNEO]の放送を待ちながら

残念ながら延期になってしまいましたね…
テロップが出たのが遅かったようで、待ってた方多かったみたいですねー。

>>力音さん

トラックバックありがとうございます♪

>娘がお祭りで売ってるポンプで動くカエル

かわいくも微笑ましい…
検査シールを貼ってもらう朝の置きぬけって、母親も朝食とか弁当作りで忙しいんで、変にはじらってると、しまいには軽くキレられたりしましたわ…
さりとて父親には絶対に頼みたくないですしね!


Posted by 大道寺零 at 2007年04月18日 23:03
ぎょう虫セロハンがネットで買えることを最近知って、さっそく注文しましたがどこでも売り切れで購入できません。
手に入れる裏ワザご存じないですか?
Posted by たけうち at 2016年02月11日 16:27
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