2005年03月15日

小池せンせいにまつわるエトセトラ漫画

 小池一夫作品と言えば、シトシトピッチャンであったり多分にエレクチオンだったりするわけだが、何より特徴的なのは「あンた〜〜」とか「そうなンだ」などの、「『ん』がことごとくカタカナの『ン』で表記される」こと、というのに異論は出ないだろう。
 ネームだけならいざ知らず、中には「涙弾(るいだン)」のごとく、作品のルビにまで自己主張しているものまである。(サブタイトルとなると列挙に暇がない)
 確かにこれ、見ただけで勢いというか独特のリズムを生み出しているし、「マンガでは字面もまた絵面」であるから、「誰がどう見ても小池作品」というインパクトを与える事にも成功している。

 この起源については、以前漫画板の小池スレで興味深い説が出ていた。要約すると

若き小池一夫氏は、直木賞作家の藤原審爾のサロン(当時「藤原学校」と呼ばれ、文壇に影響力が大きかったらしい)に入ることを切望していた。
しかし、藤原氏に気に入られず(一説には、小池氏は歯槽膿漏で口臭が強かった事で嫌われたとか)、サロンに加えてもらえなかった。
その後小池氏は山手樹一郎に師事、時代小説方面へ歩み学んだ。
「ン」表記を使用していたのは藤原一門で、小池氏が「ン」を使い続ける背景には、捨てきれぬ憧れとルサンチマンが根底にある。


という話で、ドラマとしてはなかなか面白い。

で、先日小池一夫オフィシャルサイト質問コーナーに、そのものズバリの質問(Q5)が投げかけられていた。
小池サイドの公式見解としては、
「ネームが妙な部分で区切れる事によって『なぎなた読み(詳しくはリンク先参照)』を起こさないように、また『字も画』なので、見やすく、読みやすくするように」
ということらしい。
確かに漫画のネームは、フキダシに格納される関係上、普通の小説などより頻繁に改行される。
しかし改行場所は写植の入れ方一つでどうにでも読みやすくできるし、「ン」にすることによって「なぎなた読み」が防げるかどうかというのは疑問なのだが、まあ後半の方がメインの理由で、要は「より分かりやすく、インパクトが伝わりやすく」なるように、ということなのだろう。

仮に理由が前者(藤原学校説)にあるとして、公式で書くようなことでもないわけだ。
二つの理由を総合して、
「『ン』を使っていた藤原学校には思うところはあるけれども、自分が考える表現技法としては優れているので使っている」ってところなのだろうか?
-----------------------------------------
ついでにもう二つほど小ネタ。
「ぼくらのマジンガーZ」「Zのテーマ」「おれはグレートマジンガー」「勇者はマジンガー」「電子戦隊デンジマン」などをカラオケで歌った際、「作詞:小池一雄」というクレジットが出て驚いた事のある方もいると思う。
一部で「小池一夫とは別人」説が流布しているが、これはれっきとした本人の仕事(小池「一雄」は60〜70年代の筆名で、「子連れ狼」などの発表時にもこの名前だった)。
ということで、これらの歌詞を小池調にリライトしてみると、なんつーかもう、タマランものがある。

小池一夫は、かつてさいとうプロのスタッフで、のちに独立した。
「ゴルゴ13」の初期のプロットなどに関わっていたとのこと。
そう考えると、ゴルゴ1巻で「いきなりブリーフ一丁ゴルゴ」が登場するのも、ものすごい勢いで納得できてしまう。
posted by 大道寺零(管理人) at 01:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:[基本的に空欄を推奨します。詳細はこちらをご覧ください。]

ホームページアドレス:

(コメント投稿後、表示に反映されるまで時間がかかる場合がございますのでご了承の上、重複投稿にご注意ください。)
コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/40006112

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。