2005年05月11日

イラク邦人拘束雑記

拘束事件が報じられた斎藤氏に関しての動きはまだ無い。
自衛隊の空挺部隊出身で、その後フランス外人部隊で活躍していたというドラマチックな経歴がインパクトありすぎで、事件の進展が見られないこともあって、朝の報道番組ではどこも「外人部隊とは?」みたいなことを延々と時間をかけて流していた。
気持ちは分からんでもないが、どう見てもピント外しすぎのような気がするぞ。事件に直接関係無さ過ぎだし…あさっての方向ではしゃいでるようにしか見えない。
数々の戦場を歴戦し、現在の会社にはアドバイザー的に招かれたという。
「リアルのジェド・豪士(「パイナップルARMY」)がいたとは…」とぶったまげた。

外人部隊でも空挺隊、実力と人望を兼ね備えた人物だったとか。
フランス外人部隊の階級は、日本の自衛隊や米軍のようにポンポン上がるものではなく、その中にあってこの年齢で准尉というのはかなり凄い事らしい。
外人部隊の日本人、というといかにもフィクショナルな印象を受けるが、実際には隊員もいるし、入隊試験を受けた人の体験談などもあるようだ。

(「天漢日常」より)イラクで日本人拘束 (その3) フランス外人部隊に志願した日本人たちの話

日本語の入隊試験用紙まで準備されているのだとか。

斎藤さんの知人や友人がインタビューに答えていたのだが、一人は「外人部隊に身を投じたのはあるマンガの影響もある」と語っていた。
その漫画というのが、「裂けた旅券」。
御厨さと美かぁ…10も年上の方に言うことじゃないが…渋いですな。

とかなんとか、そういうことに興味はあるけれど、この事件は、

「現地で警備会社に雇用されていた邦人が武装組織に拉致られた」

というシンプルな構図でのみとらえるべきで、過去がどーのこーのを前面に押し出すのは何か違うんじゃないかと。弟さんの会見の模様が放映されていた。
「国・外務省、それに国民の皆様にご迷惑とご心配をおかけして申し訳ない」と頭を下げていた。
昨年のイラク3バカの件以来、「家族はとにかく頭を低くして」がデフォルトになっているようだが、今回の件、物見遊山や一旗上げたくて素人がホンダラホダラダと行ったわけじゃなし、プロとして実力を買われて雇用関係の上でイラクに赴いて巻き込まれた事件である。ましてどこかの方々のように、政治的な要求を自分たちが口にしているわけじゃなし(政治的要求をすっ飛ばすような凶悪な組織らしいのが逆に心配だが)、「心配」はしているけども、一般国民は(費用以外の)「迷惑」は別にかけられていないと思うぞ。国や外務省が現状把握や安全確保に尽力するのは「義務」だしね。なんというかこう、「お手をあげてください」って気分になった。

弟さんのコメントは以下のようだったという。
 「(兄は)44歳で立派な大人。報道で知る限り、かなり前から特殊な任務に就いていたようだ。それが事実なら、今まで拘束された誰よりも危険性を知って、イラクの地に赴いて危険な仕事をやっていたと思う」。政府に望むことを聞かれた博信さんはこう答え、続けた。「イラク政策を変えることなく、揺らぐこともなく、兄の件とは別に主体的に(自衛隊が)イラクにいるべきかどうかを考えてほしい。いるべきだと思うなら、日本政府を支持します」と淡々と語った。
MSN-Mainichi INTERACTIVE


マスコミは恐らく、大いに取り乱したり、去年の今ごろのアノ人たちのように鼻息荒くしてくれるような展開を期待していたのだと思う。そういう下世話なツッコミや期待を完全に牽制するこのコメントは、内心の動揺はどうあれ(拘束時に既に重症と聞けば心配もひとしおだろう)切ないほど賢明だ。自衛隊の件についても、全肯定も全否定もせず、距離のとり方が絶妙だと思う。

ところで、去年の連中のうち今井某が関わっていたという団体のサイトにて、こんな文章が。
http://www.creative.co.jp/top/main2697.html

それにしても奇妙なのは、
今回はどこからも「自己責任」という言葉が聞こえてこないことだ。

先生!だから事情が全然違いますし、誰も他者に責任転嫁してないっすよ!今回は。

人間は「社会の空気」を察知して「学習する動物」であるらしく、
記者会見での斎藤さんの弟さんの言葉が、ひどく痛々しかった。

先生!誰のせいで何を学習したかわかってますか?

やっぱりなあ。相変わらず凄い、というかむしろハッピーの部類だな。彼らは。


posted by 大道寺零(管理人) at 14:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記
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