今も小学校の教科書に載っているのだろうか。
後になって、事実背景は違っていたという説(処分命令を下した大達茂雄の目的が、「猛獣が逃げ出した場合のリスク」というよりも、「内地に気合を入れるため」であり、この話が教科書に採択されたときの文部大臣が大達茂雄本人であったという事とか…まあソースが「赤旗」ではあるんだけど…)なんかも知る事になったのだが、今読んでも実にぐっとくる名文であることは確かだと思う。
「ひらがなの多さ」もヤバい要因だが、繰り返しがものすごく効果的に使われている。
『「さあ、食べろ、食べろ。のんで くれ、のんで おくれ。」』
とか
『ぞうに えさを やっては いけないのです。水を のませては ならないのです。』
あたり。
同じことなのに
『ぞうに えさも 水も やってはいけないのです』
と短くまとめた時と全く印象が違う。うまい。
今音読したら確実にヤバいだろうなあ、これ。
クラスに、根はいいヤツなのだが、今はもうお目にかかれないような青ッパナたれたイタズラガキンチョがいた。本当に落ち着きのない男の子だったのだが、ある日「かわいそうなぞう」のクライマックス部分を朗読させられていた時に、感極まって号泣してしまったのだった。
意外な人物が、誰よりもセンシティブな情緒を持っていたことに皆驚くわ、もらい泣きする女子はいるわで、今でも忘れられない光景だ。
この文章が再びのインパクトをもって迫ってきたのは、以前軍事板で「悲惨な戦況なのに(笑)をつけて報告するスレ」を読んだ時だった。
タイトルどおりのスレで、例えば
赤木がやられた(笑)
加賀がやられた(笑)
蒼龍がやられた(笑)
あ!ついに飛龍もやられた(笑)
とか
「艦長、古代の艦がついてきません(笑)」
とか、あまりに不謹慎なのだが妙に破壊力のあるスレだった。
で、その中に「かわいそうなぞう」もあった。
今までどのぞうも、自分の子どものようにかわいがってきた、かかりの人は、
「ああ、かわいそうに(笑)、かわいそうに(笑)」と、おりの中をいったりきたりして、
うろうろするばかりでした(笑)。
どのかかりいんも、うごけなくなったぞうを見ながら、
「せんそうを やめろ(笑)」
「せんそうを やめてくれ、やめてくれえ(笑)」
と、心の中でさけびました(笑)。
ついにどのぞうも死にました(笑)。
「ぞうが しんだあ(笑)。ぞうが しんだあ(笑)」
かかりの人はさけびながら、げんこつでつくえをたたいて、なきふしました(笑)。
うはああ〜、なんか全くの別物にぃ〜とか言いながら、モニターの前で悶絶してしまったのだった。
現在、軍事板には別の「かわいそうなぞう」スレッドがある。
いま、ドイツぐんには90台のぞうがいます。
そのころ、ドイツはソれんとせんそうをしていました。せんそうがだんだん
はげしくなって、つよいせん車をつくることになりました。
ポルシェはかせは、はつでんきでモーターをまわせば、かっきてきなせん車
ができるとかんがえて、つよいタイガーせん車をつくりました。
でも、ポルシェ・タイガーはやくたたずだったので、じょうぶなせんとうし
つをつけてエレファントというじそうほうにかいぞうしました。
いよいよ、90台のぞうも、しゅつげきすることになりました。
けれども、近くのてきをうつきかんじゅうのないエレファントは、ちかよっ
てきたソれん兵につぎつぎにげきはされてしまうのです。
今までどのぞうも、自分の子どものようにかわいがってきた、ぞうの中の人
は、
「ああ、かわいそうに、かわいそうに」とせんとうしつの中を、いったり、
きたりして、うろうろするばかりでした。
どの兵士も、ぞうにとじこめられたまま、
「せんとうを やめろ」
「せんうを やめてくれ、やめてくれえ」
と、心の中で さけびました。
ついにどのエレファントもしにました。
「ぞうが しんだあ.ぞうが しんだあ」
エレファントぶたいの人がさけびながら、しれいぶにとびこんできました。
げんこつでつくえをたたいて、なきふしました。
その90台のぞうも、今はロシアのつちの下に、しずかにねむっているので
す。
戦車の知識が少しあればかなり笑える&泣けるスレ。他にも「かわいそうなとら」「かわいそうなチハタン」、別板からのネタなどもある。
特に昨年のジャイアンツをネタにした「かわいそうなじぞう」が秀逸。
いま、巨人ぐんには5人の4番打者がいます。
そのころ、巨人ぐんはセリーグで戦っていました。ペナントあらそいがだんだん
はげしくなって、つよいチームをつくることになりました。
ナベツネオーナーは、各球団から4番打者を強奪すれば、かっきてきな打線
ができるとかんがえて、つよい史上最強打線をつくりました。
でも、じぞうは一塁しか守れないやくたたずだったので、ペタジーニに無理やり
レフトを守らせて超強力打線にかいぞうしました。
いよいよ、史上最強打線も、しゅつげきすることになりました。
けれども、ザル守備陣がろくに守ってくれない投手陣は、機動力を売り物に
してきた他のチームにつぎつぎにげきはされてしまうのです。
今までどの投手も、他人の子どものように酷使してきた、首脳陣の中の人は、
「ああ、かわいそうに、かわいそうに」とダッグアウトの中を、いったり、
きたりして、うろうろするばかりでした。
どの投手も、マウンドに上らされたまま、
「酷使を やめろ」
「凡ゴロぐらい 止めてくれ、緩慢な動きをやめてくれえ」
と、心の中で さけびました。
ついにどの投手もしにました。
「河原がしんだあ.真田が しんだあ.木佐貫が しんだあ」
池谷投手コーチの中の人がさけびながら、かんとくしつにとびこんできました。
げんこつでつくえをたたいて、なきふしました。
そのじぞうも、そろそろしずかにねむるのと思いきや、500号ホームランを打つまでは
ずっと巨人ぐんの4番にすわりつづけているのです。
まあそのー、本当に可哀想なのは別に「じぞう」じゃなくって、投手陣だったりするあたりがまた可哀想。
特に第二次世界大戦ネタが笑っちゃいけないんですがブラックパワーに吹いてしまいます。
短く、状況が具体的に想像できるほうがインパクト強いような気がします。
「話せばわかる(笑)」
とか。