2005年07月12日

トラウマ絵本書籍

昨日「パンを踏んだ娘」で昔のアレコレを思い出しながら検索していると、2chの絵本板(初めて足を踏み入れた、というか存在を知った板だ…)「トラウマになった絵本」過去スレを発見。
トラウマ物件は色々覚えていたはずなのだが、やはりかなり記憶が散逸していたようで、「ああ、そういえばアレもコレもトラウマだった!」と懐かしく思い出すことしきり。
挙がっている物件を見ると、どーも70年代に集中しているように思えてならん。

幼い頃のトラウマ物件の代表的なものに、永井豪の「ススムちゃん大ショック」とか、水木しげる作品とか昭和マンガ史ムック本で1、2ページしか読まなかったにもかかわらず強烈だった「つんではくずし」「アシュラ」などがあるのだが、これらのマンガトラウマと、絵本・児童書トラウマには差があるように思える。
今と違って、あの頃のマンガは「読んじゃダメと言われているのに読んじゃう」背徳的なもの(私たちの親の世代はマンガへの理解がおおむね低かった)だった。自分で勝手に開いて勝手に受けた、いわば自爆的なトラウマといえるだろう。
絵本や児童書は違う。何しろ幼稚園や小学校・自治体の図書館に置いてあって、先生も親も「読みなさい」と奨励する。本屋に行けば、ナンチャラ福祉協議会の推薦シールが貼ってあって、安全・健全を保証している(かに見えた)。
それなのに、妙に話に救いがない。話はともかく絵が怖すぎる。
あんたら何考えて俺らにコレ読まそうとすんのよ?大体本当に自分で読んでこれを「子供が読んでも大丈夫」って認定したのかよ?バーカバーカえーんえーん。
かくして、夜トイレに一人で行けなくなったり、押入れや天井の木目が恐ろしくてたまらなくなったりする子供が量産されたのであった。
「一見恐怖物件に見えないので油断する」「学校や図書館、児童書コーナーにあるので、一冊で多くの人数が長きに渡ってダメージを受け続ける」という点を考えると、一種のテロといってもいいかもしれない。

*「かたあしだちょうのエルフ(読み聞かせFlashへのリンクあり。BGMも朗読もイマイチだけど全文収録)
これは小学校の時に買ってもらった(探せば実家にある)ハズ。
一言で言うと「勇敢なダチョウ」の泣ける話なのだが、救われなさ過ぎの話、あと絵が妙に怖い(特に襲い掛かる黒豹)。
実家の裏手の水田地帯の中に、一本だけ立っている木がエルフの木とソックリで、しかもその根元に墓石がポツンとあったりしたもので、「なんかとてつもない怪談が秘められているのでは」と、その木を眺める度にいらん恐怖に駆られた。あまつさえ、自分一人が怖がっているのも悔しいので、それっぽい怪談(木といえばやっぱり首吊り系ダヨネ)をでっちあげて語り、近所の子にムリヤリ恐怖を共有させたりしたもんだ(何やってんだ自分)。
子供心に、自分の子供の恩人なのに援助をしなくなる周囲の動物の薄情さに「ひでー」「ジャングル大帝じゃありえないね!」と憤慨し、同時にサバンナの過酷さを学んだような学ばなかったような。

サバンナといえば、「野生の王国」系の番組も多かったのだが、綺麗でかっこいい鹿やシマウマが肉食獣やハゲタカのご飯になっちゃうシーンもお食事時によく放映されていてショッキングだった。どうしても食う方が悪いように見えて、「おいおいカメラ回してるんだったら助けろよ〜!」と叫びたくなったものだ。
ここにもやはり「ジャングル大帝じゃありえないのに!」って感覚があったように思う。インパラもライオンも一緒になってフルーツ食べたり、あまつさえ農園作ったりする甘っちょろさ(少なくともTV版は…この頃に真の「レオ」最終回を読んでいたらメガトン級のトラウマだったろうけども。)だったからなあ。今思えばそういうリアルな映像があったからこそバランスを崩さないですんだともいえるのだが。

*「ねないこ だれだ」
今もなお現役バリバリベストセラーの、せなけいこ作の絵本。
「夜中はおばけの時間なのに、寝ない悪い子はおばけになって、お化けの世界に飛んでいけ」と、夜更かししている子がおばけに連れられて空の彼方にフワーリと飛んでいく(既に足がなくなっている)場面で終わり、あまりのノーフォローぶりに戦慄した。
記憶では、一番最後のページに、フクロウがたたずむ闇夜の絵が来ていて、飛んでいくシーンそのものよりも、「子供が一人おばけになって消えたところでどーってことない」雰囲気満載なのが怖かった。
とはいえ、これをはじめて読んだのが既に幼稚園に上がってから、友人の家でだったのでそうした恐怖を感じたのかもしれない。
実際に子供に読み聞かせた人の日記などを読むと、この絵本で寝かしつける本来のターゲットである3歳〜の幼児は、怖がるよりもオバケやオバケの世界にときめいて、「この絵本大好き!」と好むパターンが多いとか。
多少ものがわかってきた年代になると怖くなるのかも。

ロングセラーなので多くの人に愛され、こんなパロディまでもあちこちで見られる。
*「ねないこ だれだ の ばりえいしょん」(朝目新聞)
*「ねないこ だれだ(ギャラリーまとめサイト?)」

他のトラウマ物件に関してはまた語るかも。
posted by 大道寺零(管理人) at 14:37 | Comment(8) | TrackBack(0) | 書籍
この記事へのコメント
あああ!ねないこだれだ、は私もトラウマです!!!(涙)
これなにが怖かったって、たしか4冊セットで持ってたんですよ。
んで「にんじん」「もじゃもじゃ」「いやだいやだ」と・・・ひとりきり牧歌的というかおだやかなのが続いたあとのトリがこれだったため、怖さもひとしおでしたです(泣)
ネコの顔のアップが怖さを引き立たせてくれてました。
Posted by きたかZ at 2005年07月12日 15:45
鴨のトラウマは「おしいれのぼうけん」ですねぇ・・・
押し入れの壁の木目が底なしのトンネルになる、というシーンは、子供ながらに怖かった・・・壁からネズミの魔女が出てくるところとか・・・
でも、そんな想像力の広がりは子供ならではなんだよなぁと今にして思う今日この頃。
Posted by at 2005年07月12日 23:54
鴨のトラウマは「おしいれのぼうけん」ですねぇ・・・
押し入れの壁の木目が底なしのトンネルになる、というシーンは、子供ながらに怖かった・・・壁からネズミの魔女が出てくるところとか・・・
でも、そんな想像力の広がりは子供ならではなんだよなぁと今にして思う今日この頃。
Posted by at 2005年07月12日 23:55
私のトラウマ絵本は「かいぶつになっちゃった」です。
話自体は別に全然怖くないのですが、挿絵の、特に背景部分の
暗闇の描き方がなんかすごーくイヤな感じの暗さなんです。
ttp://www6.ocn.ne.jp/~euterpe/image/pakkun.jpg
この絵本描いた人と同じ人の作品。
おかげで階段の暗がりを怖がる少年になりましたとさ。
Posted by 鉄郎 at 2005年07月13日 02:33
>きたかさん
そうですそうです、4冊が箱に入った「いやだいやだのえほん」ですよね。冷静に考えると
「好き嫌いしない」「身だしなみきちんと」「わがままいわない」「よふかししない」という基本的なしつけを身につけさせる内容なんですが、「ねないこだれだ」は一気に説教の域を飛び越えてしまってます。
大人の下衆なかんぐりで考えると、当時小さい子は自分の部屋とかあまり持てず、親と一緒の部屋で寝る事が多かったので…その、つまり、早く寝てくれないとお父さんとお母さんに不都合が…ゲフンガフン…

私はこの絵本のせいで、ルナールの「にんじん」も同じような内容だと思い込んでしまい、実際に読んでみてあまりのギャップにたまげました。

>鴨っち
「おしいれのぼうけん」、これも基本ですなー。
モチモチの木はそう滅多には生えてないし、近所にはダチョウもいないけど、押入れとか木目はどこの家にも必ずあるからなあ…怖かった。ねずみばあさんも恐怖だった。
おしいれのぼうけん公式サイトがあったので貼っときますね。
http://www.doshinsha.co.jp/longsaler/oshiire/oshiire-3.html
「黒い本は売れない」という定説をひっくり返した本だそうです。

>鉄郎さん
>かいぶつになっちゃった
「トラウマ絵本スレ」ではじめて知りました。
・洋館に住むという怪物を退治しに、動物たちが決起する。
・合体フュージョンして、怪物も怖がるような姿になるが、洋館に行ってみたら怪物はいなくてタケノコがあるだけ
・分離しようとしたら
「あれ・・?あれれ?はなれないよ!?」
「はなれられないよ・・・」
「・・・・・・・。」
「・・・・。」
・動物たちは「だんだん むかしのことを わすれるようになっていった」
・物語の最初の文が「森の奥の古い館に怪物がいるらしい」、最後が「森の奥の古い館に、今でも怪物が住んでいる」。と、伝聞から確定に変わる

…鉄郎さん…話だけでもじゅーぶんに怖いっすよ…
んで、絵を見てみました…
こ、これヤバすぎでは…
Posted by 大道寺零 at 2005年07月13日 03:30
私は大きくなってから木村泰子(「かいぶつになっちゃった」の作者)の世界にはまったので「なんてかわいそうな話だろう…」と言うのが感想でした。
確かに子どもにはキツイよねえ。

ところで木村泰子さんは西岸良平さんの奥さんだってご存知ですか?私は初めて知った時「なるほど!!」って感じでした。
Posted by よむよむ at 2005年07月13日 13:43
せなさんの絵本好きです。姪に「いやだいやだ」シリーズをプレゼントしようかと思ったけれど義姉と姪には好かれていたいので、マイルド風味の「めがねうさぎシリーズ」をあげました。お店の人にせなさんのシール(お化けやうさぎやにんじんなど)をもらって私が大喜び。「おしいれ」もインパクト大です。
絵本ではないのですが、家族旅行でよく利用した保養所は風光明媚でアットホームな明るいところでしたが、サロンルームの書棚に「アシュラ」がおいてあって、毎年読んでは暗い気持ちになりました。
Posted by ふらここ at 2005年07月14日 11:59
>よむよむさん
>かいぶつになっちゃった
考えてみると、「敵対していたもの、恐れていたものが実は自分だったor自分たちがそれに代わる存在に変質してしまう」というのは立派なホラーのフォーマットの一つですよね…系統は違いますが「火の鳥 羽衣編」を思い出しました。

>木村泰子さんは西岸良平さんの奥さんだってご存知ですか?

それは初耳でした!ありがとうございます。
ご夫婦でこれほど色彩感覚が違うというのもすごいですね。

>ふらここさん
>めがねうさぎシリーズ
今も現役だということを知って驚き、嬉しくなりました。先日書店で「おばけのてんぷら」を立ち読みしましたが、確かにマイルド路線ですね。

>サロンルームの書棚に「アシュラ」がおいてあって
ふらここさ〜ん!それちっとも「保養」できてな〜い!
Posted by 大道寺零 at 2005年07月17日 00:39
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