2005年07月13日

ぼうや良い子だと口では言いつつ恐怖劇場記憶

なんか堰を切ったように自分のトラウマ体験ばかり書きまくってるのだが。
「まんが日本昔ばなし」で、恐怖や非情のトラウマを植え付けられた人の数は、やっぱりこれも長く続いた番組ゆえに相当な被害者数にのぼるようだ。
私の脳裏に刻まれたのは、非常にメジャーな作品で恐縮だが、やっぱこれ。

*「耳なし芳一」

同世代は、この「まんが日本昔ばなし」で「耳なし芳一」ファーストコンタクトを遂げてしまった向きが多いはず。あの落武者がものすごく怖かった。
お坊さんの話というと、一休さんのような「ウッカリチャッカリ系」という先入観があったため、耳がブチブチともがれるシーンでは動けなくなるほどショックだった。

松江市の人へ。公園に芳一像を建てちゃうのはどーかと思うのですが。

*「キジも鳴かずば」

これも同番組トラウマとして必ず上がる作品。
貧しい親子がいて、単に欲しがったか飢えかかったか病気になったか忘れたが、「赤いまんまが食べたい」という娘のために、父が金持ちの家に忍び込み、少しの米と小豆を盗み出し、それで小豆ご飯を作って食べさせる。父は口止めするが、娘がマリつき歌の中に「赤まんま食べた」というフレーズを入れて歌っていたのを聞きとがめられ、盗みがばれて父が捕らえられる。
捕らえられた父は、橋を立てるときの人柱として生き埋めになる(このシーンがトラウマ)。
娘は、失言が父を殺してしまったことで自分を責め、一切口を利かなくなる。村人からは「ショックで唖になり、気もおかしくなった」娘として扱われる。
それから時が過ぎ、荒野に一人立つ猟師がいる。身を隠していたキジが声を上げたために、見つけられて撃たれる。そこに例の娘が現れ撃たれたキジを抱きかかえ、「キジも鳴かずば撃たれまいに…」と呟き、吹きすさぶ風の中、いずこともなく去っていく…

このラストシーンの娘の絵が、もう「虚無」としかいいようのない表情で、忘れることができん。
「ベロ出しチョンマ」にも通じる「救われない話」の代表格だろう。

振り返ってみると、ある程度大きくなると見なくなる番組ではあるのだが、こーいうプログラムって必要だよなと改めて思う。時に理不尽な民話の中に、色々学んだ気がする。

同番組では、ごく初期のエンディングに出てきた「グルッパー」もなんか得体が知れなくてそこはかとなく怖かった。(今思うと、「ひみつのアッコちゃん」に似たようなキャラがいなかったっけ?)
あとは、日本昔ばなしほど長く続かなかったが、「世界昔ばなし」の「青ひげ」も相当ヤバかった。
同番組は、宮城まり子の語りが変に不気味だったこともあるのだが…
エンディングの「好き?嫌い?好き?嫌い? 天使がとおる 天使がとおる」という歌が妙に印象に残っている。関連リンク
まんが日本昔ばなし資料室
  スタッフリスト、全話放映リストや製作エピソードなど。(三好和彦氏のサイト「狢工房」のコンテンツ)
  高橋良輔や出崎統など、怱々たるメンバーがスタッフ参加している事を再確認。
  いがらしみきお演出・文芸の回まであったとは…

まんが日本昔ばなし
  けっこうな数の動画が見れる。他に音源や過去スレリストなど。
  昔ばなし関連のスレは、絵本やアニメ板のみならずオカルト関連の板にも広がっている(むしろそっちのが多い。やっぱりな。)ので、まとめてくれているのは大助かり。
  「キジも鳴かずば」のリメイク作品「もの言わぬお菊」が見れる。

この子にすごい武器を与えてくれ〜(顔文字板過去スレ)
  トラウマ探索に疲れたらここで一服w
  OPでおなじみのあの子がとんでもないことに。

ところで、この番組のOPの替え歌、日本中のクソガキが歌ったと思うのだが、地方や学校によって色々バリエーションがあるんだなあ。
うちのクラスでは
「ぼうや 良い子だ金出しな 今なら殺しはしないから〜」
だった。


posted by 大道寺零(管理人) at 15:50 | Comment(4) | TrackBack(0) | 記憶
この記事へのコメント
あああああ。
実は私も「まんが日本昔ばなし」でのトラウマあるです。
タイトルとか細かいシチュは忘れてしまったんですけど・・・。記憶だけで書かせていただきます、ごめんなさい。
竹だったかなんかの植物だったか忘れたんですけど、歯の丈夫なおじいさんが、おばあさんを風呂敷みたいなのに入れて口でばあさんの入った風呂敷ごと咥え、ドシドシ登っていくんです(なんのために登るのかは忘れました)。んで、月だったかについた瞬間、じいさんが「着いたぞ!」みたいなことを言ってしまい。その瞬間、ばあさん入りの風呂敷包みがまっさかさま。そのままばあさんは、月(?)から地上まで転落死してしまうと・・・で、話のオチは、雑草みたいな草に赤いシミのような斑点だか模様がついてるのを見て、「これはきっとわしが落としてしまったばあさんの血じゃ・・・。」みたいなことを言って話が終わるんですね。

これ、いまだにトラウマです。私、おばあちゃん子だっただけになおさらでした(涙)
また絵柄がリアル系ではなく、ギャグっぽい絵柄だっただけに怖さがひとしおでしたですよ(泣)
Posted by きたかZ at 2005年07月13日 17:48
「坊やよゐこだ金出しな、金が無いなら働きな。」
でした。→替え歌
Posted by 水天堂 at 2005年07月13日 21:43
「きじも鳴かずば」、父ちゃんの生き埋め図が恐ろしかったです。
Posted by ふらここ at 2005年07月14日 12:12
>きたかさん
スレッドではその話を挙げる方も数人いましたよ。
「口に何かをくわえていて、うっかりしゃべって落としてしまう」というパターンは外国の童話や民話にもありますが、何もばあさんを落とさなくても…ですよね…
 無理のありすぎる設定が印象に残りすぎます。

 また、ソバなどの植物の「根っこが赤い理由」というのも色々パターンのあるフォーマットで、「血の色が残ったから」というのもよくあるのですが…やりきれませんな、ホント。

>水天堂さん
>金がないなら働きな
口は悪いけど話の分かる店主みたいですね。
宮崎駿のばあさんキャラみたいな。

>ふらここさん
>父ちゃんの生き埋め図
私が「人柱」というものを知ったのは多分この話なんです…怖かったですよねアレ…
Posted by 大道寺零 at 2005年07月17日 00:45
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