2005年07月19日

大陸ビールその3食べ物

トラックバックをいただいたD-lifeさんのエントリーを読み、続報を色々と知った。

調査に基づく一応の安全宣言。
質検総局:ビール・ホルムアルデヒド問題で安全宣言(中国情報局)

  質検総局は、国内メーカー136社の生産するビール221種を検査。その中で、「ブランドビール」とされる「青島」「燕京」「雪花」「真江」「哈爾浜」「金龍泉」「金威」「金星」8社の製品23種に関しては、ホルムアルデヒドの濃度が1リットル当たり0.10―0.56ミリグラム、その他のメーカーのビール134種に関しては、1リットル当たり0.9ミリグラム未満だったと発表。
  また、64種の輸入ビールから検出されたホルムアルデヒドの濃度は0.10―0.61ミリグラムだったと発表した。
  質検総局は「すべてのサンプルは、中国の『発酵酒衛生標準』及び、飲料水に含まれるのホルムアルデヒドの量を1リットル当り0.9ミリグラム以下と定めた世界保健機構(WHO)の基準を満たしており、消費者は安心してビールを飲むことができる。また、中国のブランドビールは輸入ビールと同等の品質を持っていることが判明した」と宣言した。


なんかドサクサにまぎれて自国製品の品質向上をアピールしてることには突っ込まないことにして。
ここに至るまでの過程を見てみると、「情報提供者を探し出して叩こうとする」呆れた行動があったり(早めに「当社製品はホルムアルデヒドを使っていません」と安全志向をアピールしたメーカーが疑惑の目を向けられたりもしたらしい…)、また、青島ビールなどのメジャーメーカーが、問題発生後「2003年以降『』使っていない」と公開した事を受けてのアンケートで、「まあこれまでも飲んできたし、飲んじゃったものはしょうがないし、これからも平気でね?」的な楽観的な意見が多かったりしていたようだ。

しかし一方で、新華社をはじめとするマスコミや国民からの反感・突き上げが強くなってきており、食品の安全性に対する意識が高まるきっかけとなったように見受けられる。ビール有害物質問題で「言いだしっぺ」叩きの動き

  一部の中国メディアが「中国製ビールの95%に人体に有害な化学物質であるホルムアルデヒドが含まれている」と報道した問題で、業界団体の中国醸造工業協会は14日、これを否定する声明を発表した。中国メディアでは情報提供をした張本人を探し出すキャンペーンが始まっている。15日付で第一財経日報が伝えている。

  第一財経日報によると、7月5日付の「環球時報生命周刊」に「ビール業界はもっと早くホルムアルデヒドの使用を禁止すべきだった」という記事が載った。北京の研究所で働く読者が、匿名で「中国ビール業界ではホルムアルデヒドの使用が暗黙の了解になっている」と投書をしたことがきっかけだったという。第一財経日報はその読者の苗字を伝えていて、ビールメーカー以外の研究所で働いているという。
(略)
  第一財経日報の記事は、報道した記者や情報源の人物名まで言及しており、「言いだしっぺ」を強く非難する意図が感じられる。
  また、14日付で「誰がビール業界を陥れようとしているのか」と題してあるビールメーカーを取り上げた記事を掲載している。


金威ビール声明発表で潔白証明、消費者は事態を楽観 2005/07/15(金) 19:02:57<中国情報局>

  なお、中国の三大ポータルサイトである新浪網(SINA)が実施した調査によると、14日現地時間の14時時点で、「この事件を知ってからでも、中国製ビールを飲みますか」との質問に、「飲む」「時には飲む」とした人は60.38%。「飲まない」と回答したのは39.63割程度だった。一方、7割近いユーザーが、「一連の報道は真実だと思う」としており、「これまでも飲んできたのだから大丈夫だろう」という楽観的な見方をする消費者が多いようだ。


ビール有害物質事件:新華社が政府の対応を批判 2005/07/18(月) 18:46:05<中国情報局>

  内容については、大胆な当局批判が目立つ。中国青年報からの転載記事では、先日、中国で問題となったケンタッキーやリプトンの事例を挙げて、「マスコミは騒ぎ、消費者は困惑しているのに、当局はいつも沈黙ばかり。今まで同じ轍を踏んできた」と辛口のコメント。

  さらに、新華社は中国人民大学法学院の楊建順・教授の考え方を紹介。この中で楊教授は「政府の職員は積極性に欠け、情報公開という概念がない」「事件に対する認識が不十分で責任感が強くない」と怒りをあらわしている。

  一方、法制日報からの転載記事は、まず「マスコミの過熱報道が中国ビール業界に悪影響を与えている」「発展途上国は先進国と事情が異なるのだから、発展途上国自身の規定に従えばそれで十分」とする対外経貿大学の学者の意見を紹介。

  それと対比させる形で、北京大学法学院の孫東東・教授の「庶民は知る権利を持っているのだから、マスコミは堂々と報道すべき」「人命がかかっている問題であり、貿易という次元の話ではない」「マスコミが報道することで市民の関心は高まり、製品の品質向上につながるし、政府の監督強化を促すことにも役立つ」という見方を伝えている。


その時の都合にあわせて、先進国を自称したり、発展途上国と言ったりする節操のなさがお笑いだが…

こうした動きは、やはり「自分たちの口にするものだから」という危機感が大きいのだろう。
これまで長年、日本向けの輸出野菜や食材は、国内向けや自家用とは別の畑で、自国用には使わない強烈な薬剤をバカスカ使用して(栽培中・ポストハーベストに関わらず)育てて来る上では、「所詮他人事」だから問題にもしなかった(これからもそうなんだろう)が、自分たちが飲むものとなれば話が違うのは当然だ。
安全意識が高まるのは結構だが、おそらくはドメスティックなものであって、輸出食材の改善には繋がる可能性は薄かろうと思う(逆に、毒性に関する啓蒙が進むほど添加が進む…とまでは考えたくないが)。
個人的には、生活に違いが出るとすれば、これまで酒屋の棚を眺めていて、「今日の夕食は中華っぽいから、たまには青島もいいかな?」となることもあったのが、これからしばらくはなくなるだろうというくらいだろうか。

住んでいる場所が農村部だ。周りのほとんどは米メインなのだが、野菜を手がけている人も多く、時折見事なネギをいただき、ありがたく食卓で楽しませてもらう事がある。
義父がその方たちと歓談していた時、たまたま中国野菜の話になり、
「ある程度の日数が経つと、当然どの野菜も乾いたり傷んだりするのだが、同じだけ日が経っても、中国の野菜は全然しなびないし、腐りもしないでピンピンしているよ。強い薬を使っているんだろうけど、見るだけでゾッとするなあ」
とおっしゃっていたそうだ。
スーパーなどでは、一部の中国産野菜については、悪いイメージを払拭しようと、「無農薬」「ポストハーベストなし」という表記やシールを加えて汚名返上に勤めているものもある。そうしたものを見て「どこまで信じていいんだろ…」と思ってしまうのは、こちらの性格がひねくれているのだろうか。

昨日、昼に出かけたついでに、平田町の産直ショップで野菜を買ってきた。
朝取りのキュウリは、まだトゲがピンピンしていて、生で何本でも食べられるほど美味しかった。(それが10本入って150円くらい)
こういったショップは、安さと新鮮さ、「作り手の顔が見える」安心さがウリなのだが、そういったイメージに甘えることなく、生産者ごとに使用農薬などの分かりやすいレポートを作って壁に貼って、減農薬・有機栽培などへの取り組みをアピールしており、努力の跡がうかがえた。
手間のかかることとは思うが、国内の生産者のこうした地道な努力とアピールが実を結ぶ事を期待したいし、それを左右する「購買者」も、漠然と「安いからカゴに入れる」というだけの行動を考え直さなければならないのだろう。

…とはいえ、店頭に「3本50円中国産ネギ」と「3本198円国内産ネギ」が並んでいると、前者の吸引力は抗いがたいほど強いのだよなあ…


posted by 大道寺零(管理人) at 13:13 | Comment(2) | TrackBack(0) | 食べ物
この記事へのコメント
D-Lifeのoikawaです。
やっと政府が安全宣言を出したんですね。
肝心な部分の遅すぎる対応に、ホントに大丈夫なのかねぇ〜なんて感じちゃうんですよ。根が曲がってるんで(笑

中国野菜はココ最近どんなに安値でも手が出ません。
中華料理は好きなので、"日本"の食材と"日本"で製造された各種調味料類を使って料理します。

イロイロと積み重ねた事もあり、どーしても疑心が拭えないので、この先きっと中国の食材類は口にしないでしょう。
Posted by oikawa at 2005年07月19日 22:36
>oikawaさん
はじめまして。コメント&トラックバックありがとうございました。
確かに、中国政府の安全発言って「話半分」で聞かないと…と思ってます。基本的に信用してないので、ええ。

>中華料理は好きなので、"日本"の食材と"日本"で製造された各種調味料類を使って料理します。

同感です。メニューとして優れ、技法も合理的な料理ですから、自分が安心できる(と思う)材料で、美味しく作って食べようと日夜思ってます。
調味料は一部(醤類など)あちらのものを使ってます。日本製で代用できないものもあるので…

海原雄山は、かつて中華料理勝負で「中国の醤油・中国の酢」を使って勝利しましたが、「人毛醤油」の話を聞いてから、あのエピソードを鵜呑みにもできないなと思うようになりました。
Posted by 大道寺零 at 2005年07月20日 07:52
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