到着は11時35分くらいだったが、既に数人お客さんがいた。「今日は餃子ありません」の張り紙が残念。
メニューは醤油・味噌ともに「あっさり」「こってり」に分けてある。あっさり系、特に最近発表された新メニュー・無添加シリーズにも興味はあったのだが、油好きのイケナイ性で、「こってり醤油チャーシュー」を注文。あっさりもこってりも好きな相方、迷った揚句に「こってり味噌チャーシュー大盛り」と「ミニチャーハン」。
開店直後と言う事を差し引いても、ラーメンが出てくるのが驚くほど早い!厨房内の手際はかなりよさそうに見えた。
そしていきなりチャーシューの量に圧倒される。
えーとえーと。
口で言ってもしょーがないので、同店を紹介している「酒田のラーメン ラーメン天国」内(管理人:curryさん)の「尾浦」ページをご覧あれ。
下のほうにある「味噌チャーシュー」。写真のものは大盛り。普通盛りの肉の量も、せいぜい2,3枚しか変わらない。4,5枚程度でチャーシュー麺を名乗る店も少なくない昨今、このトロリ系チャーシューのひしめきっぷり。そしてよく見ると中央にはさらに、チャーシューの切り落としがトッピングされている、容赦ない「肉」っぷり。ご店主太っ腹すぎ。おそらく庄内のチャーシューメンの中でももっとも戦闘力の高いものだと思う。
さらに麺の量もハンパではない。庄内(特記すれば酒田)ラーメンの麺の量の多さは何度も述べたが、ここの店では
中盛り…1玉増し……100円増し
大盛り…1.5玉増し…150円増し
すりばち…2玉増
という設定になっている。なんたる良心的な量&値段設定(ついでに言えば、小盛りを50円引きで出してくれるところも実に良心的)。損してませんかご店主。
大盛りのインパクトたるや相当なものがあった。
麺自体も申し分なく、駅東味好系で時々気になる熟成臭もぜんぜん感じない。太さも喉ごしもちょうどよいし、湯切りも丁寧だと思った。
こってり醤油、デフォルトでイヤミない程度にニンニク・臭くなくトンコツが効いており、なかなか美味しかった。庄内で「油表面うっすらカバー系」のラーメンが食べられるとは感激。適度な油分のおかげで、最後まで熱いまま食べることができた。バランスいいなあ。
こってり味噌は、酒田ではものすごく珍しい、ニンニクのパンチがあって、甘味も強く出ているタイプ。ただしその甘味のせいで口飽きする印象は否めなかった。味噌ダレが少しとけ切っていなかった部分があったのも残念。インパクトがあって美味しいが、想像以上に重いかも。また、醤油よりもぬるく感じたのはナゼだろう。
しかし、「酒田近辺のミソラーメンはどれもこれも味噌汁みたい」と私のような嘆きをお持ちの方は、ここで満足を得られるかもしれない。
チャーハンは見るからにパラリ感がなく、油っぽい感じだったのが残念。具は多くてサービス精神がうかがえる。
いや〜、しかし総合的に、ご主人の気合と真剣さが伝わってくる、実直なよい店だった。値段も基本のラーメンが少し高めかな(600円)?という程度で、全体的に普通。よってコストパフォーマンスはよいと言えるだろう。
次に行く時は無添加か、あるいはごく普通の「ラーメン(あっさり)」を注文してみようと思う。
味とは直接関係ないが、お店全体が清潔で明るい印象なのもよかった。女性客も行きやすい感じ。いや、師匠筋にあたる駅東「味好」の厨房周りがあまりに…なものでちょっと心配だったんだ。
ご店主も、師匠と違って「常連以外には無愛想」なんてこともなく、店員さんともども、差し出がましくないけど明るい接客。
そういうハード面を含め、総合的にかなり高い評価を感じた。
食べ終わる頃には、お店は12時前にも関わらず既に満席になりつつあった。大事にされるのも納得できる店だと思う。私たちの誤算は、休みなのをいい事に遅くまで寝てしまい、朝食をとってない状態で行ったことだった。空きっ腹にあの肉、あの量はあまりにヘビーで、帰りの車の中で久々の胃もたれに、思わず言葉少なになってしまうほどだった。
もうちょっと早く起きて軽く何かを、せめて牛乳でも腹に入れていけばよかった。
まるで、空腹状態で大酒飲んで二日酔いになった時のコメント。ラーメンについて語っているとは思えない文だが、そーなのだから仕方ない。
よく、ラーメン評論サイトなどで、こってり系や量多い系のラーメンについて、「体調を整えていかないと…」なんてコメントを見る。今までは「おぢさんは大変ね」と思っていたのだが。この世には確かにそういう戦闘力の高い店がある。思い知らされた。
ええ、こっちが年取ったせいだろと言われればもうその通りだけども。もう若くはないさと君(誰だよ)に言い訳します。