2005年09月13日

アルハラからのアプローチのまネコパクリ問題

特定非営利活動法人アスク(アルコール薬物問題全国市民協会=ASK)が、その「イッキ飲み・アルハラ防止のページ」で、「『のまネコ』はイッキ飲み・アルハラを助長しています!」という記事を掲載。同団体は13日付でavexに要望書を出したとのこと。

確かに、旧版フラッシュのラスト部分、二匹のモナーがお互いに一升瓶を口に突っ込み、「死ぬまで飲めゴルァ」と酒を流し込むシーンは、まあ誰がどう見てもアルハラだ。
「オチてない」という不満足感とともに、ただつまらないだけではない不快感を感じたのも事実。
(注:DVDに収録された「完結編」の方では、この「死ぬまで飲め」というシーンはなく、かなりマイルドなシーンに作り変えられている。
これは1番のみ、しかもフェイドアウトで半ば誤魔化すように終わった旧版に対し、新版は2番+リフまで入れているためでもあるし、またさすがにavex側も、強制飲酒をそのままリリースするのはヤバいと判断したのかもしれない。ただし、「イッキ」の場面は旧版同様何度も出てくる。)

のまネコ問題を知ってもらうためのアプローチとして、アルハラ方面から知ってもらうように働きかけようという動きはここ数日のうちにあった。
該当ページでは、実際に寄せられた電話・メールも紹介している。
ここの中にある、「居酒屋で『のまのまイェイ!』と歌いながらイッキをさせている場面」などの報告が全て事実であればいい(いや、本来はちっともよかーないが)のだが、ASKを動かしたいがために「つくり」のエピソードが入っていそうな気もして、もしそうならばちょっとこの働きかけには「どうよ?」と言いたい気分になる。

(追記:実際にキャバクラのコールなどで使われているのを見たというレスが、2chのスレにあった)

2ちゃんねるの大半が嫌悪する「プロ市民」のやり口に共通しているものを感じるからだ。

同ページによれば、この団体は

イッキ飲み防止連絡協議会は、「イッキ飲ませ」によって大学生の子どもを亡くした親が中心になり、1992年10月に大阪で結成されました。


とのこと。家族を失ったり、自らの健康を損なった痛みを背景として生まれた運動を利用するようで心苦しい。

また、この働きかけでは結局、今回一番の問題にしたいはずの「avexの企業体質、倫理的な姿勢」ではなく、「飲ま飲まイェイ」という空耳そのものが問題と言う事になってしまう。
あの空耳自体は多くの人が昨年を中心に楽しんでいて、だからこそこれだけ流行したわけだが、それをまるごと否定してしまう事になるのでは?とも思った。

私はこののまネコ問題、「avexが何をしたのか、立場・年齢層の違う多くの人間が憤っているのかを広く知ってもらいたい」というのが第一だと思う。「知ってもらう」のは、決して、「知らしめた上で賛同者を増やして一人でも多く味方につける」こととイコールではない。そこを履き違えた瞬間、運動の性質はイヤゲなものに変わってくるのではないか。
「こういうことを知った」上で、「あっそ、だからナニ?」「関係ない」「君たち必死すぎ」という反応もあって当然。問題だと思わない人は当然すぐに忘れる。何かでavexの名前を聞いた時、「そういえばこんなことしてたよな」と思い出すことがあればそれで御の字ではないだろうか。そこを「啓蒙しよう」とすればこちらのほうが「痛いヤツ」になってしまう。
不買運動にしても同じことで、個人で行い、「こういう理由でこの製品を買わないことにしています」と表明する分には何の問題もないが、売り場でその製品を手に取った人にいきなり『こんな企業の製品を買ってはいけません、なぜなら…』と説教を始める客がいたら、誰だってドッ引きになるというものだ。

恐らくこの先、avexが具体的な行動に出ることは考えづらい。恐らくしばらくは、頭を低くして、ネットワーカーが飽き、騒動が去るのを待つ構えだろう。根負けや自滅はしたくないと考えるならば、立ち止まって「なりふりを構う」ことも必要だと思う。

勿論、アルハラや薬物問題は、成人・未成年を問わずもっと真剣に向き合い、改善に向けて実行に移さなければならないことは言うまでもない。
ASK側が、事情を大体分かった上で、アルハラ問題啓蒙のためにあえて「のまネコ」の一件にのっかろうと判断したのなら、何も文句を言うような筋合いではないのだが。まとめサイトの掲示板で、以下のような懸念を書いていた方がいた。

137 名前: 番組の途中ですが名無しです 投稿日: 2005/09/13(火) 20:44:17 [ W3YyPBho ]
強制飲酒で問題になったときは
2chキャラをつかった2ch発祥空耳フラッシュで有名になった曲で〜
とか嫌な風に取り上げられるかもしれないし、マジ怖い。


確かにものすごくありそうな話だ。
少なくともTVのワイドショーなんかは、

「売れてる、話題になってる⇒『ネットで話題』とは言っても、『2chという掲示板』とは言わない。むしろ『avex発売の…』を強調する。直接スポンサーだったらもう当然」

「批判や事件が起きた⇒『(これまでもさんざん色々やら貸してきた)2chという掲示板で…』と、苦虫を10匹くらい噛み潰した表情で名前を出す」

のはデフォだからなあ。

いずれにしろ、NPOが動いた以上、avexがどう対応するか見物ではある。
が、
「実はもともと2ch(ここで初めて2chの名を出す)で流布していたものはもっとひどいアルハラを含む内容だったのでかなり修正したのだが、配慮が足りず…」
みたいなコメントでネットに対する悪イメージカウンターを返してくる危険も考えられるので心配……
どちらにしろ、ASKのページの「宣伝のためのプロモーションビデオとして、例のアニメをそのまま使用しました。」については指摘してくるだろう。事実だし。

ええどうも申し訳ない、基本的にかなり心配性なもので…
これらが杞憂に終われば何よりなんだけどもね。
posted by 大道寺零(管理人) at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(1) | のまネコパクリ問題
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「のまネコ」
Excerpt: http://yaplog.jp/risako88/archive/315 現在avexの「のまネコ」というキャラクターが、2ちゃんねるで...
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