小気味よさと共に、問題の裏にあるものが明確になることで大いなる無力感にさいなまれてしまうけれど、この不条理なカラクリについて非常に分かりやすく語られている。
●誰のためのデジタル放送か?(前編):NBonline(日経ビジネス オンライン)
この問題の根っこにあるのは、放送業界が資本主義のルールで動いていないっていうことに尽きるんです。
放送番組にコピーガードをかけるなんてことを始めたら、使い勝手が悪くなり、機器が売れなくなり、新たな問題を引き起こしたりするでしょう。常識的に考えればすぐに分かることなのに、放送業界というのは新しいものを拒絶し、一切封じ込めることに異様な熱意を燃やしてきたんです。
(池田信夫氏)
●誰のためのデジタル放送か?(後編):NBonline(日経ビジネス オンライン)
前編のパート2と後編の内容を読むには、日経オンラインへの登録(無料)が必要なのでちと面倒なのだが、興味のある方は一読の価値ありかと思う。
今ある機器が壊れなければ、停波ギリギリまでアナログで行く(デジタル化対応は、レコーダーの買い替えで行う)予定でいるのだが、ギリになってもコピー制限とか機器の価格などの根本的な問題は何ら解決しそうにないのが腹の立つところだ。
そして相変わらず、草ナギ剛の出ている地デジCMが感情を逆撫でしてムカムカする(まあ別に彼のせいじゃないんだけど…)。
「地デジの準備、お願いしまーす!」ってさあ。
オカンに「明日おにぎり作って」って頼むんじゃないんだから、なんだその気安さは。
理不尽に、決して安くない出費を強制するんだから少しは申し訳なさそうにするとか、「ご負担になりますが」感を出すとかあるだろう…
何もかもがゴマカシなんだよなあ、本当に。
私一人がギリギリまで粘ったところで何が変わるわけではないけれど、納得の行かない強制移行にはせめて瀬戸際まで乗りたくないと思う(本音はギリまで少しでも安くなるのを待ちたいだけとも言うが)。
とりあえず何が納得行かないかって、この件に関しての広報宣伝があまりにも欺瞞ばっかりで、真に必要な情報や負担の実情が全然内容に含まれていないところなのだ。
少しずつデジタルへの切り替えを進めていますが、そうなると機材を一新しなくてはいけなくなったりして、小さな制作会社はかなり厳しくなるんじゃないでしょうか。
視聴者もそうですが、制作者もデジタル化が何を示しているものか今の時点ではよくわかっていないんじゃないかとも思っています。
これを機にテレビを見るのを辞める人も出るんじゃないかと思うんですけどね。
これ、実は地方局も同じことなんですよねー。
紹介した記事では地方局は叩かれ気味に書かれていますが、例えばローカルニュースとか独自番組やブリッジの制作などのために、ただでさえ苦しいところに出費を強いられている状態で、実際2011年あたりにはつぶれる地方局、切り捨てられる地方局も出て来そうな気がします…
>視聴者もそうですが、制作者もデジタル化が何を示しているものか今の時点ではよくわかっていないんじゃないかとも思っています。
同感です。特にハイクオリティを要求されないコンテンツもありますし…
問題なのは、記事にも書きましたが、デジタル化を邁進している組織が、本当の肝の部分を市庁舎に伝えないどころか、まるで隠しているのではないかとすら思える行動ばかり取っている点なのですよね…