肝心の親玉である宋江こそ登場しないものの、人気の定番キャラクターはわりと出てくる。
(私は武松大好きなので、今川監督が動かす武松が見れなかったのは残念なのだが…)
性格付けや、時には性別までも違っている例(揚志とか)もあるが、原設定の大まかな部分は引き継がれている部分も多い。
例えば、知多星・呉学人こと呉用先生の、「能書きたっぷり理論万全、でも肝心なところでウッカリしていて大失敗、『ああ〜私のせいで〜』と地団駄煩悶する」部分など、実に彼のチャームポイントをよく掴んでいるといえよう。
「水滸伝」好きなら、「電磁ネットワイヤー作戦」を見ていて、「あー、呉先生が自信満々ってことは失敗フラグだわ」と思いつつニヨニヨしていたことであろう。
左なる御仁は、アニメに登場する鉄牛。デザインはほぼ横山水滸伝に登場する姿に準拠している。可愛いやつである。基本的に戴宗とコンビを組む「弟キャラ」で、尊敬するアニキも憧れの銀鈴も妙に大作ばっかり可愛がって気に食わなかったりもするけど、大作に頼られれば捨て置けなくて頑張っちゃう、純情な愛すべき男…として描かれている。一方で、「まだ幼い頃に父親を殺した」という過去もちらりと登場する。怪力と、トレードマークの2丁の手斧を高速回転させて旋風を巻き起こす「黒旋風」が特殊能力。
彼を見たとき、さわりだけでも「水滸伝」を読んだ経験がある人間なら、そのあまりの穏当な設定に驚いたことだろう。
まず、原典や翻案小説・漫画における彼の基本的な設定をまとめておこう。
本名 :李逵(りき)
星 :天殺星
号 :黒旋風
あだ名:鉄牛(よく「こって牛」「暴れ牛」とも呼ばれる)
前歴 :牢の囚人⇒牢役人
(恩赦が出たので刑期御免となったものの、牢に居座ることを選択したため)
武器 :板斧
性格 :粗暴で酒乱で超短気、戦闘となれば我を忘れて大活躍
反面、義兄弟や親子の情は人一倍厚く、特に宋江や戴宗への服従は盲目的ですらある。
初登場時にやりこめられた戴宗は直接の兄貴分で頭が上がらない。
最期 :宋江の服毒自殺に付き合わされて死亡。
一言で言えば、「幼児のまま大きくなって、戦いと酒を覚えちゃった狂戦士」。それが李逵である。
指揮の能力には劣るが、戦闘力だけで言えば梁山泊随一。
原典の表現でも、「敵味方一般人を問わない(マジで殺している)戦いぶり」は情け容赦なく描写されている。「鎧袖一触」という言葉は彼のためにあるようなものだ。
スパロボ風に言えば、ロングレンジ一直線型のイデオンソードのような凶悪なMAP兵器。ダブルトマホークで突っ走る姿はまさに元祖ゲッター1。
シグルイ風に言えば、「敵だろうが味方だろうが間合いに入る者全てを斬り倒す魔人」の元祖。
彼の行くところには旋風と血煙(敵と味方とその辺にいた人の血)が舞い上がる、「元祖・東洋一の狂戦士」。戦いの場にあって、俺の行く先にいたから斬る。そこには快楽原則さえ存在しない。
「李逵を怒らせたから殺された」シチュエーションも数々あるが、こと戦場にあってはそれすらない場合もある。
そんな殺人マシーン李逵だが、実は水滸伝屈指の「愛されキャラ」なのも事実。
人を人とも思わず簡単に殺す反面、特定の義兄弟や母親など、「愛すべき対象」として認識している少数の人に対しては本当に盲目的に尽くし、怒られれば子犬のようにシュンとしょげてしまう。
その二面性が、数百年に渡って愛される魅力の源と言えるだろう。
その主な対象は、実の母親、戴宗・宋江である。
彼の高感度ポイントを一気に加点するのは、やはりその最期だろう。
「水滸伝」の基本的なストーリーは、梁山泊に集まった好漢たちが悪役・高俅を倒して大団円…なのだが、「その後」のストーリーもある。
好漢たちのほとんどは戦いを退いたり、異民族との戦いに駆り出されて戦死したり、好漢同士で戦う羽目になったり、大部分が悲しい運命を辿るので、正直読んでいて凹んでしまう。
梁山泊の頭領・宋江もまた、最終的には自死を余儀なくされるのだが、朝廷から下された毒酒を飲んで死ぬ際、「私が死んだ後、他の連中はともかく、鉄牛は復讐のために大暴れして、梁山泊の名を汚し、彼自身も殺されるだろうから心配だ」と李逵を呼び、ともに酌み交わす。
酒をお互いに飲んでから、宋江は毒酒であることを明かすのだが、李逵は逆らいもせず、毒と知ってその杯を飲み干す。
そしてこう言う。
「俺は生きてる間兄貴に仕えて、死んでもやっぱりずっと兄貴の子分になって付いていくよ。たとえ地獄の鬼になっても…」
毒が回って死の瞬間を悟った時、従者に
「俺の棺は宋江兄貴の眠る場所に運んで、同じところに埋葬してくれ」
と頼んで息絶えるのだった。
もう泣けるよ。100点中60点くらいの配点のシーンよ。
戴宗&李逵のコンビが好きな私としては、最期に李逵のそばにいるのは戴宗であってほしかったけれど、最期の方では、李逵は朝廷への帰順を拒み、戴宗は宋国の軍人としての道を選んで、生き方の袂を分かってしまったので仕方ないかもしれない。
宋江も戴宗も、口では色々言いながら結局は、善悪という概念すらなくて面倒を掛け捲る超トラブルメーカーの李逵が大好きで仕方ないんだよな〜。
「バカな子ほど可愛い」という言葉が、これほどラジカルに当てはまるキャラクターも古今東西類を見ないところではある。
まあ、「李逵に可愛げを感じられる」メンタリティを持つ人間が「水滸伝」を好む…って傾向のも多分にあるけれども。
李逵がらみで有名なエピソードは、「李逵VSニセ李逵」のくだりだろう。連続戦闘もあるので、読んでいて非常に面白い。
巻四十三
仲間が父親を梁山泊に迎えたり、母親を見舞ったりするのを見ていた李逵は、急に故郷の母親のことが心配になり、
「自分の母親も梁山泊に迎えて面倒を見たい」
「公孫勝はよくてオレはダメかよ。斧でヒゲじゃダメなのかよ。」と言い出してきかない。
しかし、李逵が長期の一人旅などした日には、絶対にトラブル&殺しが起きないわけがないと頭を抱えた宋江。
・酒をのまないでまっすぐ帰れ
・お前と一緒に行きたい奴なんかいないから供は付けられない(事実だけどひでえなw)が、用事を果たしたらすぐ帰れ
・ダブルトマホーク携帯禁止
という3つの約束を厳守するなら…という条件付きで、李逵の単独行を許可する。(でもこっそり仲間を付けさせるのだが)
案の定、自分を手配する高札をボケーーーっと見ている現場を、後を追ってきた朱貴にフォローされたりしながらも、家路を急いで、街道を外れた小道を行く李逵。
その彼の行く手を阻み、
「俺は悪名高い黒旋風李逵だ。命が惜しければ金を出せ」
と、こともあろうにご本人様に向かってカツアゲ行為を仕掛けるニセ李逵(本名は李鬼)。まさに比喩でなく自殺行為。
自前のダブルトマホークがないもので、李鬼のトマホークを強奪して成敗!と思ったところ、李鬼は泣き落としにかかる。
「実は私がこのような追いはぎをしていたのも、90歳になる母を養うため。私があなたに殺されるのは仕方ありませんが、私を殺せば母も死ぬ、貴方様は二人を殺すことになってしまいます。」
正直李逵にとっては、二人が二十人だろうが二百人だろうが知ったこっちゃないが、「母」を持ち出されては分が悪い。まして自分自身も母を迎えに行くところなので、つい情をかけて李鬼を見逃してしまう。その上、「母のために商売換えするんだな」と、金まで与える。
「李逵が情けをもって相手を見逃す」。
ものすごい確率で起こった奇跡。しかし命を永らえた李鬼はその奇跡の価値に気付いていなかった。
道中腹を減らした李逵は、ある民家を尋ねて、家の主婦に銭を出して飯を出してもらう交渉をし、
ご飯マダー?(・∀・ )っ/凵 ⌒☆チン
と待っていたところ、 民家の主人らしき男が帰ってくる。
その主人こそ、先ほどの李鬼だった。
「いやー、さっき例の手口で追いはぎやってたら、本物の黒旋風が来てよぉ。マジヤベかったんだけど、とっさに『年取ったお母ちゃんが〜』とか芝居打ったらあっさりソイツ信じたしぇ、その上金までたんまりくれたしぇ」
女房が慌てて
「ちょwwwww
アンタ、そこに本人来てるんだから大きな声じゃマズいって!丁度メシ食わせるところだから、痺れ薬持ってきてよ。それ食わせりゃ一発だし、金品いただいてしまいましょ」
当然それは李逵の耳に筒抜け。
アレですよ、「ヤットデタマン」の大巨神状態ですよ。大激怒ですよ。
なまじ普段見せない温情をかけて裏切られただけに大逆上して李鬼を惨殺&斬首(女房は取り逃がした)。ついでに家捜しして金品もゲット。
ここからの描写が実は凄い。
さて、鍋のところへ行って見れば、三升の飯はもうたけています。ただ、おかずがないだけ。
李逵、飯を盛り、しばらく食べた上、
(*)
李鬼のしかばねをば、家の中へ引きずり込み、火を放ちますと、仕込み杖をひっさげ、山路をさして行きました。
(岩波文庫「水滸伝(旧訳)」第七冊 P18)
私が持っている「水滸伝」は従兄から貰った古い版なのだが、実はこの旧訳では、(*)の部分が省略されている。
この部分は、後に別の訳や「完訳」版では訳出されていて、その内容が凄い(というより、その内容ゆえにカットされたのだろう)。
(*)の部分は以下の通り。
ひとりで笑いながら、
「ぼんやりした。よい肉が目の前にあるのに、食べようとせぬなんて。」
腰刀を抜くと、李鬼の腿から肉を二切れ切り取り、水で洗ってから、かまどで炭をかき起こして焼きます。焼きながら食べて、腹いっぱいになると、
そう、「飯はあるがおかずがないだけ」という部分は、この展開の前振りだったというわけ。
もっとも、「憎い奴を殺した後に肉を食う」というシーンは他の巻でも出てくるし、「李逵だから食った」とは言い切れないことを付け加えておこう。
「腿の肉を剥ぐ」のも、当時行われていた公開処刑「凌遅」の刑にも合致しているので、「うひぃカニバリズム」と震撼するほどではないのだけど、「まあ引くだろうなあ」という判断でカットされたものだろうか。
(その後李逵は無事に母親に再会して同行させるけれども、ちょっと休ませている間に虎に食われてしまい、その虎(親子4匹)を屠る。)
話が長くなったが、「水滸伝」の「オリジン李逵」はこれほど濃い味のお兄ちゃんなのだ。
どーです?アニメの鉄牛はマイルドでしょ??
「李逵」という名前を使わず、「鉄牛」が名前として用いられているのは、分かりやすさと、「逵」の字が読みづらいし、出力の際も色々面倒だから(IME2002では、「人名/地名モード」ならば変換可能)ということからだろうか。
娘と一緒に1を観ていたら「この男の子は”魔女の宅急便”の男の子だよ」とプチアニメファンぶりを発揮するじゃないですか(ノ∀`)よく観てると”ちびまる子ちゃんのともぞうじいさん”の声優さんがいる。どんなカッコいい台詞を言ってても「…ともぞう…”まる子や〜っ”(≧ε≦)」が浮かんで笑ってしまう。っていうか、このアニメの声優さんたち、すんごいイキイキでノリノリしてんだけど!!
そういうことで「池袋ウエストゲートパーク」は「ジャイアントロボ」に変身したのです。全部観たら感想を言わねばっ、そうだ、零さんの日記を参考にさせてもらおう(←これじゃまるであらすじを書く小学生の読書感想文じゃないか〜)。あ、ナウシカの声の人って、激しい役もするんですね。←激しいって…こんな私に何故ジャイアントロボを貸してくれたのだ、友達よ、あなたはO型 (Θ_Θ)
>ジャイアントロボ
さ、「サスペンス風」…?かなぁ…まあ…無理矢理そう言えなくも……まあいいか……
ジャイアントロボOVAは、横山キャラや水滸伝を知っていれば知っていたでニヤリとできますけど、知らなくても楽しむうえで全然支障がないのが素晴らしいところです。
もし、「これって誰?」「もともとどういうキャラ?」という疑問があったら遠慮なく聞いて下さい♪
ところで、その「お友達」って、にぼしさんじゃないですか…?
>「この男の子は”魔女の宅急便”の男の子だよ」
うむ、山口勝平さんの声は特徴的ですからね〜。
娘さん、着々とオタク方面に向けて成長なさってませんか。
>このアニメの声優さんたち、すんごいイキイキでノリノリしてんだけど!!
5巻以降に進んだらもうこんなテンションじゃないですw。
はっきり言ってこのアニメ、大作くんとかロボよりも、生き生きしすぎているオッサンたちが主役といっても過言ではありません。
>あ、ナウシカの声の人って、激しい役もするんですね。
クラリスのようなお姫様とか、ヒロインヒロインした役が多いですが、「もののけ姫」のタタラ場のトキみたいな、肝っ玉姐さんもなかなかイケますよ〜。
ジャイアントロボ、まあ騙されたと思って最後まで楽しんでくださいね。
……「騙された〜〜〜」って思う部分も、あるかもしれませんけど……多分…あるけど……
やっぱりこういうの買う人って限られてますかね…。
私は「池袋ウエストゲートパークを貸して下さい」ってお願いしたのにジャイアントロボですよ( ゚Д゚)ポカーン
その前は西遊記でした、ハハハ。
でも、アニメは好きなので続きは娘と観ようかな。
零さん、実は私、ムチムチバディの女の子を描くの得意です。
ポイントは下着の食い込みですな(エッヘン)。
いつかお目にかけまする。
(なんかジャイアントロボから話がそれてしまった)
「IWGP」と「Gロボ」の組み合わせで間違いなく彼だと確信しました。まあ、「G」しか合ってない訳ですが!
なんか急速に洗脳されてませんか。
アクションとかが多いので子供さんと見るには楽しいかもしれません。
しかしその一方で、
「ママー、この人いい人?悪い人?」
「さっきのはどうなったの?」
「どうしてこのおじちゃんは、こんなことできるのぉ?」
としょっちゅう質問されたり、聞かれたはいいけど自分でもぱっと見よくわかんなかったりすることがこれから増えるかもしれないので、集中できない可能性は高いです。とだけ言っておこう。
>ポイントは下着の食い込みですな(エッヘン)。
私もエッチ絵には多少心得がありますので、今度お会いする機会がありましたら二人でスケブでも書きまくりますか?w
食い込み、余り肉、パッツン部分とシワ部分、ポイントですよねっ!