先日、病院の待合室で時間つぶしに「オレンジページ」を読んでいた。
その中の「収納すっきり」特集の中に、「ごちゃつきを隠すだけでもスッキリ見えます」という項目があった。
この手の「目隠しテク」もまた収納特集の定番である。大抵はカフェカーテンやら布を画鋲などで止めたり、ボックスを使ったりことが多い。
(完成した部屋が時に布だらけになっていることも珍しくない)
で、「ごちゃつき」として目の敵にされるのが、コマゴマした文房具や雑貨の醸し出す「生活感」であったり、機械・コード類である。
コードやケーブルのコンガラガッチャカは確かに見目良いものではないし、発火・発熱などを起こさない程度にまとめることは良いことだ。
しかし、あまりにも「むき出しの家電やPC類」に対する敵意が強く感じられることもある。
この特集はわりとそうだった。
で、「部屋の見た目をもっとスッキリ」させるために、このような提案がなされていた。
「TV周辺もこれでスッキリ!」と題された囲み記事ではこんな内容が推奨されていた。(記憶による再現なので文章は忠実ではありません)
・TVの下にあるAVデッキラック、ガラス戸から中のデッキが見えるのも、部屋がなんだかゴチャゴチャ、スッキリしない印象を与える犯人です。
・そこで、ガラス戸の内側から布を張って、中身を目隠し収納!はい、これでスッキリ!!^^
え〜〜〜〜〜〜;;;;
あの〜〜、御宅様ではリモコンはお使いにならないんでしょうか…
リモコンの受信部は、その、布で遮られた先にある本体にあるわけなんだけどもね……取扱説明書にはたいてい、「受光部を遮ったり布をかぶせたりしないでください」というようなことが書かれているんだけどもね…
まあ実験してみると、本体とリモコンの間に布を置いても、タオル一枚程度なら通して反応するようだけど、ガラス+布だと反応が悪くなりそうな気がするんですけどもね…
さらに、多くのAVラックの前面がガラス窓なのは伊達ではない。
デッキの前面表示部には、カウンターや時計・チャンネル・モードだけでなく、さまざまなエラー情報なども表示される。
まして最近の高機能なHDD/DVDレコーダーでは、インジケーターなどで示される情報が増えている。
それらの情報は、画面切り替えすれば見られるものがほとんどだが、肝心の番組画面の邪魔になるし、一々切り替えるよりは、多数の情報を集約した本体表示部でさくっと確認する方がずっといい。
録画ファイルの再生や、特にダビング・編集などを目隠しですることを考えると、相当イライラしそうだ…
まあ、「だからあんたの部屋は汚部屋なんだ」と言われれば返す言葉もないのだが、「デッキラックの前面を布で隠してスッキリ」する自己満足(…と言ってしまおう)よりも、「いちいちガラス窓を開けなければ基本情報も目視確認できない、リモコン信号も通りにくい」というストレスのほうが私達には大きいものになると思う。
要するに、「見た目のスッキリ」と「機能のスッキリ」、どちらを重要なものととるかの違いなのだろうけど。
というか…
「パソコンとかデッキのダイオードとか、むき出しだとなんかスッキリしないわぁ〜」という発想って、ドアノブとか電話機とか炊飯器とかポットとか、家中のありとあらゆるものに布製手作りカバー(しかもファンシー入ってる)をかけないと気がすまない「ハンドメイドおかん症候群」(症状が悪化すると、人の分まで作って配り歩いて処分に困らせる)への第一歩だと思うんだけど…
時々こういうことを胸張って書いちゃったりするから、こういう女性向け・家庭向けの雑誌って、金出して買う気にならないんだよなぁ……
頻繁にDVDを出し入れするので埃が入らなければAVラックのガラス戸を外したいくらいなんですけどね。
そういえば主婦向けの雑誌は手に取らなくなりました。
美容室や歯医者の待合室で読むくらいでしょうか。
たしかオレンジページを買ったのは「男の料理」で最後。
あ、私の部屋も汚部屋です…。orz
主婦向けの雑誌は、むしろ結婚する前、学生時代にオレンジページとかレタスクラブにはたまにお世話になりました。料理特集で興味あるときにって感じでしょうか。オレンジページとかESSEとか、それなりに歴史のある雑誌は、少なくともあんまりトンデモな料理とかはあまり載せないし、1人暮らしを始めた頃にはありがたい存在でした(安いし)。
なんか、こういう「目隠しテク」とか「機械類はとにかく隠してスッキリ」に必要以上にこだわる人って、普段ビデオ予約とか録画ファイル編集とか人任せなのかな〜…とか思ってしまいます。偏見ですが。
何つーかセンスを疑いますな。
自分の場合漫画やらアニメのDVDやらは押入れやロフトの奥に隠したり、外から確認できないようにコンテナの中に隠してます。
部屋の中が汚部屋なのかどうかは微妙DEATHがw
ごちゃごちゃと絡み合うケーブル、激しく瞬くインジケータ、ジェンカも真っ青な状態に積み上げられたメカニズム…
「フランケンシュタイン」や「博士の異常な愛情」を引っ張り出すまでも無く、こういうものの独特の美ってのがありますが、その辺は多分主婦雑誌編集者や読者にはけして理解していただけない領域なのでしょうね。
坂口安吾のエッセーで、工場や刑務所の持つ機能的な美を語る話がありましたが、(続・堕落論か青春論だったと思います)美しさや格好良さを一切排除し機能性だけを追及した先にある美と言うのはある意味理想でもあります。
うちでは、ケーブルは出来るだけまとめて針金で束ね、同じ方向のケーブルはビニールのチューブみたいな奴に束ねて、テレビの後ろに隠してますが、ハードそのものを隠す気にはさすがになりません。
どうせなら、「AV機器は押入れに入れちゃおう!!−WiFiを使った手作り統合AVコントローラの作り方−」とか、「目隠しするならこの素材!−京レの赤外線フリー生地で作るAVシステムカバー−」と言う「ラジオの製作」的な記事を載せて見てはいかがでしょうか。
(余談ですが、私が中学生の頃の「ラジオの製作」誌には、今のWiiのリモコンに通じる、レバーやボタンではなくコントローラーの傾きや動きで命令を送るジョイコントローラーの作り方が載ってました。作れませんでしたが。)
そんなに厳重に隠さなくてもきっと大丈夫!
というかイザというときに出しにくくありませんか?
うちでは窓に近い書棚にだけ竹カーテンをかけてますが、目隠しというよりはもっぱら日焼け防止であります。
>>水天堂さん
そろそろ下のお子さんも、何でも触りたがったりかじりたがったりする頃ですから大変ですね。確か初めて水天堂さんのお宅にお邪魔した時は、壱号君がビデオデッキに色々突っ込んで大変とうかがったような記憶があります。時が過ぎるのは早いものですね。
…と書いていて気付いたのですが、こうした時期の小さいお子さんがデッキやコードなどをいじったりするのを防止するには、「ガラスを目隠しして、デッキの存在に気付かせない」というのはすこぶる有効のように思います。
>こういうものの独特の美ってのがありますが、その辺は多分主婦雑誌編集者や読者にはけして理解していただけない領域なのでしょうね。
そうですねー。コイル美・ビス美・コード美・パイプ美などはなかなか女性一般には伝わりづらいもののようです。
>「AV機器は押入れに入れちゃおう!!−WiFiを使った手作り統合AVコントローラの作り方−」とか、「目隠しするならこの素材!−京レの赤外線フリー生地で作るAVシステムカバー−」と言う「ラジオの製作」的な記事を載せて見てはいかがでしょうか。
なんだかんだいって、まだまだ世の中の主婦は機械に弱い人が多いようなので、オレンジページ向きではないというか、そういう指向の主婦はそもそもPC・AV雑誌を買うことでしょうw
話が脱線しますが…機械に弱い強いというのはその人の得意不得意であり、個性の一つだとも思うんですが、未だに「機械に弱いこと、『わかんないからやってぇ〜』と頼ること=女性らしいこと」と何かすごい誤解をしている女性が一部に確かにいるのには閉口してしまいます。