山形県からは、内陸の「冷やしラーメン(冷たいラーメン)」が3位と意外な上位、また置賜の「赤湯ラーメン」が12位にランクインしている。
酒田ラーメンはランク外。
でもまあ、万人向けとは言いづらいラーメン(クセが強いのではなく、むしろ極シンプル・アッサリしすぎているので逆に最初からは万人受けしづらいし、持ち味が分かるまでに時間のかかるタイプだと思う)なので致し方ないところだろうか?
正直なところ、なにかのきっかけでブレイクしたとして、今以上に新月が混んじゃっても困るしなぁ…
・冷たいラーメン
冷やし中華ではなく、普通のラーメンのスープが冷たいバージョン。初めて見た他県の人は面食らうことも。
私は大好物だが、山形内陸の人の間でも好き嫌いが別れるようだ。
庄内でも出す店が増えてきたが、個人的な感想としては、魚ダシの酒田ラーメンでこれをやると、脂が固まったり浮いたりしないのはいいのだけどなんだか物足りない気がして、こっちではあまり注文しない。鶏・鰹節系のダシがきいた内陸のスープのほうが一番しっくりくると思う。
と言いつつも、兄の勤務している会社でも家庭用の冷たいラーメンを販売しているので、もしブレイクしたら嬉しいのだった。
・赤湯ラーメン
赤湯市「龍上海」が編み出した辛味噌ラーメン。
煮干のダシとニンニクががっつり効いたパンチのある味噌スープと、各人の好みで溶き入れる辛子味噌が特徴。
置賜地域で同系統の辛味噌ラーメンを出す店がいくつかある。
セブンイレブンで発売された同店のカップラーメンが非常によく出来ていて驚いた。
突然矢も盾もたまらず食べたくなる味、しかもアッサリ系の味噌が多い庄内では似てる店とてなく禁断症状に悩まされていたのだが、このカップ麺のおかげで応急処置が出来るようになったのはありがたい。
昨年、東北ラーメンランキングでも1位になり、横浜ラーメン博物館にも出店して、知名度が急速に上がっている。
しかし、これが「ご当地ラーメン」として、地域の盛り上がりとなるかどうかはいくつかの点から微妙かとも思う。
一つは、「赤湯ラーメン」「赤湯からみそラーメン」という名称が、登録商標として「龍上海」に押さえられており、他の店が「赤湯ラーメン」を名乗れないという事実である。
例えば、米沢のように「地域全体として米沢ラーメンをPRしよう」という動き方ではなく、「自分の店の利益さえあればいい」という利己的な行動ではないかと批判する向きもある。
また、赤湯のラーメン屋がどこもこの手の辛味噌を出すかと言えばそうでもなく、「来々軒」や「いもせ食堂」のように、昔ながらの穏やかな中華そばを主力とする店も多い。「赤湯に行けばどこでも龍上海みたいな辛味噌を食べられる」というわけではない部分も、「ご当地」として展開するにはきつい部分がある(もしくは特にそれを望んでいない)かもしれない。
地域的に米沢に近いこともあり、シンプルな醤油中華の支持も根強いんである。
龍上海の辛味噌は好きだし美味いのだが、とにかく混む、行列で待たされる(その上近所の人からすげえ睨まれる)、価格が高いなどの面倒くささ、また支店がいくつかあるのだが、味のバラつきが多かったり接客が概して悪いなどのマイナス面(特に山形駅前店では不愉快な経験しかないなあ)も大きい。
もし赤湯で龍上海が混み混みでどーしようもなかったときは、宮内まで足を伸ばして「まるひろ食堂」おすすめ。
また、辛味噌ではなくて昔ながらの醤油中華だが、「来々軒」の中華そばには以前食べて感動したっす。
「俺、いつまでブレイク寸前でいればいいんですか?」とは、音尾大先生の名言だが、このランキングに出てきたと言うことは、「知名度はまだ全国区ではない」「ブレイクしてない」という裏返しでもあり、心外に思ってるご当地もあるかもしれない。
このランキングの中では、「油そば」が、「何年も前からブレイク寸前状態で保留」な位置づけにあると思う。