2007年06月25日

納得行かないが本当だ日記

sakushi4.gif


「錯視」といえば、有名なのが上図。
「上と下では、下のほうが直線が長いように見えるが、実は同じ長さ」というやつで、よく児童向けの本なんかにも書いてあった。
sakushi5.gif


こういう「長さ」とか「角度」についての錯視はなじみ深いこともあり、
「実は●●なんですよ〜」と言われれば、「あー、錯視ですなあ」と納得できるのだけど、なかなか色や明るさの錯視となると、「ホントかよぅ」と疑り深くなったり、どうしても納得できないのは私だけだろうか…

この前「納得いかん!」と思ったのが↓。

sakushi1.jpg

この図の、「『A』と『B』の部分は実は同じ色」という錯視例である。

色の錯視があるのは知らないではないので、「そういう仕掛けなのだろう」とは思いつつも、ついつい画像処理ソフトを立ち上げて検証してしまった。

で、AとBそれぞれの部分を切り出して、同じ白無地の上に乗せて比べてみると

sakushi2.jpg

確かに全く同じ色だ。

さらに、AとBの部分を位置を入れ替えてそれぞれの近くに置いてみても

sakushi3.jpg

なるほどポッキン金太郎。同じ色である。

日本の錯視研究の大家である立命館大学・北岡先生のサイト「北岡明佳の錯視のページ」には、このような錯視の例や種類について豊富に掲載されている。

このサイトによれば、この種の錯視は
「明るさの錯視」のうち「明るさの対比」によるもの
(同じ灰色でも、背景が白ければ明るく、黒ければ暗く感じる)
に分類
されるらしい。
(参考リンク:いずれも同上サイトより
・「錯視のカタログ/明るさの錯視」)
・「明るさの錯視1」「明るさの錯視2」「明るさの錯視3

もう一つ、この手の錯視で「担がれてる気がする…」と思ったのが、北岡先生のサイトのトップページでも掲載されている「蛇の回転」の画像だ。

sakushij.jpg

この画像、それぞれの円盤がウネウネと回転しているように見えて実は静止している。
最初見たときは「絶対アニメGIFだろいくらなんでもこれは!」と思ったのだが、実際アニメーション処理はされていない。
上に掲載した画像は、アニメーション機能を持たないJPEG形式に変換してあるのだけどいかがです?

この手の「回ってないけど回っているように見える」とか、「静止画像なのになぜかうねって見える」という錯視例も多数掲載されているので一度ご覧になっていただきたい。
(注:錯視そのものが体調に悪影響を及ぼす可能性は低いそうですが、乗り物酔い体質の方や二日酔い中に画面を凝視しすぎると気分が悪くなるかもしれないのでご注意ください。)

私が一番来るのは、
蛇の回転」と、「波の錯視4」内の「海溝」だ。

現在、このような錯視が起こるのは目のせいではなくて脳の解釈・知覚によるものだそうな。
網膜がとらえる像の情報というのは、実はとてもアバウトでぼんやりしたものであり、それを脳に送ってシャープな像を結び解釈するシステムになっているとか。

この手のデザインのTシャツ(着用によっていらん立体感が出てしまうので見えづらくなるかも?)とか小物(カードケースやファイルケースなど)があったら買ってしまいそうだ。



参考:以前文字の錯視について書いたエントリー
posted by 大道寺零(管理人) at 15:25 | Comment(6) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
片目を閉じて見ると静止してるように見えるのでお試しアレ :)
Posted by トリ at 2007年06月26日 00:52
動きを感じるタイプの錯視は、絵を全体に眺めると起こりますねえ。わたしは一点を凝視する癖があるので最初は動きを感じられませんでした。
Posted by Felice at 2007年06月26日 07:13
こんにちは、その後へんなスパムは来ていませんか?
北岡研のサイトは以前何かを検索したら偶然引っかかって思わず見入ってしまいました。
ご紹介の「蛇の回転」はきれいで私も一番気に入っています。
私はエイが3列ずつ円を描いている絵を縮小して電話機の壁紙にしています。小さくて判りにくいですがなんとか回転して見えますよ。
遅ればせながら8周年おめでとうございます。(ウチはまだ昨日で3ヶ月です…)
Posted by 末期ぃ at 2007年06月26日 10:59
>>トリさん

本当だ!片目を隠すと大分錯視量は減りますね。
ただ、この画像はサイズを小さくしてあるのでもともとも割く資料が小さいのですが、元の画像やページではやはり動いて見えます。とはいえ、感じる動きの量が小さくなるのは確かです。
「両方の目からの情報」が錯視に大きく関わっていそうですね。

>>Feliceさん

ですねー。
凝視している部分は動きが止まるかごくゆっくりに感じます。それ以外の部分はやはり錯視を感じます。
この画像は少し小さくしてあるので錯視量も小さいのですが、「画像の全体がある程度大きい⇒凝視していないけれど視界に入る部分がある」ほうがより強く錯視を感じるようです。

>>末期ぃさん

エイの回転も可愛くていいですねー。
北岡研のサイトは、投稿の錯視例も力作が多く、ついつい見入ってしまいますね。

そしてありがとうございます。
でも末期ぃさんのところは3ヶ月とは思えない情報量にくわえ、なんといっても世のため人のためになりまくる内容ですから素晴らしいです。
相変わらず変なスパムは来ますねえ。
「月収200万円以下の泥水をすする貧乏人」あてのやつも来てましたよw
確かに、「こんなバカスパム送ってくるのはどこのアホだよ!」という契機のクリックを狙う手口が増えているのかも…
Posted by 大道寺零 at 2007年06月26日 14:29
>>大道寺零様
実はスパムのストックは1年分あるんです。先輩(アンチスパムブロガー)方のブログをしばらく拝見してやっと始めたもので、先達のスタイルの真似にすぎません。
迷惑メールをわざわざ読ませるブログなんて、知人に一所懸命宣伝してるけど誰一人見に来てくれないんですよ(笑)

こちらのブログは凄いですね。これだけ広範な知識と興味を持ち続けるのは大変なことだと思います。
(先日の「どんどん焼き」は親父も言うので共感しました:ただ山形とは全く関係ないんですが…)
これからもときどき勉強のため覗きに参ります。
Posted by 末期ぃ at 2007年06月28日 00:13
>>末期ぃさん

基本的にスパムの誘導先って、大体察しはつくものの、あんまり追跡するほどのリスクは負いたくないものなんですよね…末期ぃさんはそこまでやっちゃってくださっているので本当にありがたいと思いますよー!
でも色々新種のトラップとかマルウェアも出てきているようなのでくれぐれもご無理なさらぬよう…

>どんどん焼き

調べてみると、色々な地域で「どんどん(どんど)焼き」という名で呼ばれる軽食があるようですね。お隣の仙台にもありますが形が違いますし…地域によっては大判焼きのようなものだったりもして、サーチすると楽しいです。

どうぞまたお越しくださいませ。
Posted by 大道寺零 at 2007年06月28日 13:43
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