2007年06月26日

利用された修学旅行(6)日記

いやもう修学旅行は出発したかもしれないし、結局目的は修学旅行じゃなかったということがハッキリしたわけなんだけども。

先日の岩屋外務副大臣のブログ内の「離婚は成立していない」という記述(もっとも「出生時に」とも「今もって」とも取れる書き方だったが)について、支援団体側が講義したというニュースが今朝入った。

asahi.com:「ブログの内容は事実と違う」と、外務副大臣の罷免要求

 母親が前夫から暴力を受けて出生届を出せず、無戸籍になった滋賀県の女子生徒(16)が旅券発給を求めていた問題で、岩屋毅外務副大臣が、自身のブログに生徒の母親の婚姻関係について事実と違う内容を書き込んでいるとして、支援者らが25日、岩屋副大臣の罷免を求める抗議文を麻生外相に送った。

 岩屋副大臣がこの問題に触れたのは21日付のブログ「たけしの国会日記」。母親は前夫と93年に協議離婚しているが、ブログに「正式な離婚は成立していない」「離婚が確定していない以上」という表現があった。母親が離婚していないと誤解して寄せられた市民の書き込みも掲載されている。これに対し、支援者らは「プライバシーに立ち入る内容の記載で良識を疑う」と話している。

 岩屋副大臣はフランス外遊中で、事務所側は「本人の帰国後、事実関係を確認して対応したい」としている。

 女子生徒は12日、現在の姓で旅券を発給するよう麻生外相に直接求めたが拒まれ、海外への修学旅行の参加を断念した。


は???
「訂正」や「謝罪」ではなくていきなり「罷免」要求ですか????
いくらなんでも飛躍しすぎじゃないか????

また最後の文も「いわゆる朝日的」な悪意に満ちていると感じた。
別に麻生外相が直接拒んだわけではなく、すんごい譲歩をして「母の前夫姓でなら出せる。今使っている名前はカッコ書きで併記できるし、署名もそれでいいけど」と言われたのに対し「そんな旅券イラネ。旅行イカネ」と突っぱねたのであって、「断念」もなにも。

さて、対する支援団体側の言い分はこう。

ながきのりこ Webサイト」より

外務副大臣のブログに抗議
 
戸籍ない高校生のパスポート発給の件で、岩屋たけし外務副大臣が自らのブログの中で「高校生の母の離婚が成立していない」と述べています。そのことが原因で多くの市民がネット上で高校生と母、支援団体を攻撃しています。私の家にも深夜に嫌がらせ電話がかかり、無言電話が続きました。
前夫のDVから逃れた高校生の母は、離婚調停に身辺警護2名をつけるなどして臨み、高校生の出生から数年たってようやく離婚届を出すことができました。
旅券事務を扱う行政庁のトップたる地位に位置する人が個人の旅券申請に対し、何の根拠もない、事実無根の誹謗・中傷を行なうことは断じて許しがたく、岩屋たけし外務副大臣の罷免を望みます
"

「身辺警護をつけて離婚にケリをつけることができたのなら、なぜ同様にして戸籍を得るための審判や手続きをしないのか」
というツッコミどころは当然として…

問題は緑字の部分。

上に引用した朝日のニュースでは

「母親は前夫と93年に協議離婚

なのに、支援団体元締様の文章では

離婚調停に身辺警護2名をつけるなどして臨み、高校生の出生から数年たってようやく離婚届を出すことができました。」

あのー、結局協議と調停のどっちなんでしょーか…

さらに、少し前の関連記事
(現在見れない毎日の記事
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/newsup/news/20061127ddn010040037000c.html
 引用してあるブログからの孫引きです)

前夫から逃げ出し、女性相談所に保護されたものの突き止められてさらに避難。その際助けてくれた男性との間に生まれたのがA子さんだ。実の父母である2人が、男性の姓で出生届を出した。しかし、受理されなかった。

民法では、婚姻中か離婚後300日以内に女性が産んだ子の父は、婚姻相手の男性と推定される。母は前夫と離婚調停中で、男性と婚姻できなかったため、A子さんの父は前夫とされてしまうのだ。

母は後に前夫と離婚できたが、今でも、A子さんの戸籍を作るために出生届を出し直すと、まず前夫の籍に入る。前夫と親子関係がないと裁判所で確認する審判も可能だが、前夫が争えば容易ではない。極めて不条理だが、これが現実だ。

戸籍を得ようとすればA子さんの存在や居場所を前夫に知られてしまう。母は前夫から殴るけるの暴行を受けて障害を負い、離婚裁判の際には警護がついた。今も隠れて暮らしており、「見つかれば殺される」とおびえている。「子どものために、前夫を殺して自分も死のうか」と真顔で話す。

こうした境遇をA子さんは知らない。「いつか話さなければと思うけど」。口ごもる母に、私は言葉すらなかった。(2006/11/27)


こっちでは「裁判」となってるしもう訳わからん。

(離婚の場合、当人同士で話し合いと離婚の決定がなされれば「協議離婚」、それが不調であれば「調停離婚」、さらにそれも不調であったり片方が決定に従わない場合に「離婚裁判」となるので、それぞれ状況が違うわけである)

また、この記事では

「戸籍を得ようとすればA子さんの存在や居場所を前夫に知られてしまう。」

とあるのだが、その場合は「別の男性の子供を妊娠して出産したという事実を相手方に知らせず離婚手続きを行った」ことになり、これはこれで手続き上非常に悪質で不実な行為なのだがそのへんどーなのか。
また、前夫がK.S(この記事では「A子」)の存在を知っている甲斐ないかも、嫡出否認において重大なポイントとなってくる。

また、離婚年度についても、メディアの報道はこの間まで「92年」となっていたが今回は「93年」と統一されていない。
支援者であるながきのりこなりレモンなりが「**年に●●離婚」と事実を示せば混乱しないものを、なぜはっきりと書かないのだろう?

これだけプロパガンダ用のパンダにしておきながら、今になってワタワタと「プライバシー」「詮索をするな」などと言い出している彼女らだが、離婚の形態や年度、その事実で個人が特定できるわけでなし。
また今回の問題を考えるにあたっては、「離婚が成立しているか」「審判手続きが開始されているか」が大きなファクターである。
で、「自分たちでやるだけやってるだけなので、別に他の方にご理解もご協力も得なくていいですし啓蒙もする気ないです」というのであればまだしも、署名活動などしてバリバリとご理解ご協力を要請しているのだから、自分たちに有利な情報ばかりを曖昧に小出しにしていくのはどんなもんかと思うわけだ。
しかも、「(K.Sの要求する姓で)発給できないことの根拠」として重要なものだから、説明する上で必然的に出てくるのは仕方のないことなのだが。

さて、副大臣のブログの訂正記事は以下の通り。
たけしの国会日記:訂正とお詫び

この議論はブログに寄せられたコメントの中に本件に対する麻生大臣の対応についてのご批判があったことに対し、私が状況を説明したことから始まったのでした。丁寧にご説明したつもりでしたが、前々回の私の発言の中に一部、「事実誤認」と受け取られる内容があり、ご迷惑をおかけしました。ここに訂正し、深くお詫び申し上げたいと思います。

本件の場合は「既に離婚は成立しているのだけれども、親子関係確定のための裁判が進行中で、まだお子さんの戸籍が確定していない状況にある」というご説明を受けていた事例だったのです。その点、私のほうに誤解がありました。誠に申し訳ありませんでした。この場をお借りして当事者、ならびに関係者の皆様に深くお詫び申し上げたいと思います。

いずれにしても検討の結果、「戸籍未確定」の申請者に対しては現行法ではどうしてもパスポートを発行することは困難でした。したがって、その上で、なんとか今回のような人道上の要請に応えたいと考えて、先にご説明したような省令改正による対応を行なったという次第でした。なにとぞご理解いただきたいと存じます。


コレだと結局、「このように説明された」というだけが明らかで、実際に離婚していたかしてないかはハッキリされていないように思うんだが、「プライバシーが云々かんぬん」とか言われたからはもはやキッパリとは書けないのかな…
まあどちらとも取れる書き方になってしまっていたのは副大臣本人の責任だが、決して「公開するに不必要な情報」ではなく、むしろ核心。

LEMON+Cに掲載された抗議文

岩屋毅外務副大臣のブログに対する抗議文

私たちは戸籍記載のない高校生のパスポート発給について、学生証や住民票と同じ高校生自身の姓で発給することを求める署名集めをし、私たちの同行のもと6月12日高校生と両親の3名が外務大臣に直接手渡させていただきました。しかし、大臣から、高校生自身の姓(実父の姓)を前夫の姓の横にカッコ書きで併記する譲歩案が提示されたものの、高校生自身の姓でのパスポート発給は実現されませんでした。結果として、6月に予定されていた海外への修学旅行への参加を高校生は断念いたしました。

ところが、このことについて、岩屋毅外務副大臣が自らのブログ「「たけしの国会日記」の中で「高校生の母の離婚が成立していない」と述べました。さらには、ブログを見た多くの人による書き込みをブログ管理者が承認の上サイトに掲載しました。そのことが原因で多数の市民が各ネット上で高校生と母、支援団体を攻撃するという事態が起こっています。私たち個人の自宅や携帯電話には深夜嫌がらせ電話がかかり、無言電話が続いています。嫌がらせメールやサイトへの書き込みもなされています。また、ブログを見た人からテレビ局、新聞社へも抗議が寄せられています。
  前夫のDVから逃れた高校生の母は、離婚調停に弁護士ばかりでなく身辺警護2名をつけるなどして臨み、高校生の出生から数年たってようやく離婚届を出すことができました。それにもかかわらず、旅券事務を扱う行政庁のトップたる地位にある人が個人の旅券申請に対し、誤った事実を自らの公式サイトにのせ、不特定多数に事実とは違う個人情報をもたらし、それによって事実無根の誹謗中傷を、当事者及び支援団体が受ける結果となったことは、あってはならない、断じて許しがたいことです。

このような行為は、高校生らへの人権侵害であると共に、DVから逃れ民法772条と戸籍制度の壁にぶち当たった当事者が、見ず知らずの土地で誰一人知人もいない中で、人権を護るためにこつこつ積み上げてきた運動を愚弄し地に貶めるものです。ここに厳重に抗議し、岩屋毅外務副大臣の罷免を望みます。


岩屋たけしブログ6月20、21日 http://iwaya.junglekouen.com/


・ネットでの批判の肝は、離婚の不成立・成立以前に、「戸籍を取る手続きをいくらでもこれまでできていたのに、『あえてしない』などと訳のわからないことを言っている母親の怠慢と支援団体の胡散臭い主張、『私の名前は偽造なのか』などと摩訶不思議な逆ギレをする娘の理不尽さ」についてである。

・やっぱり削除や訂正は要求しないんだねw

・個人情報ってのとはちと違うような。話題になっている件の判断の根拠として必要な範囲で説明しただけで、これだけで個人を特定されるなら、とっくに演説やら署名やらやってる段階であなたたちの言うところの「DV夫」が居場所を突き止めてやってくるはずだが…

・民法772条
離婚が現在成立してようがしてまいが、離婚前の妊娠+出産なのだから、いわゆる300日条項(第二項)にはこのケースはかすりもしないわけだが。
それに戸籍上壁を作ったのは自分だしねえ…

というか、「批判」と「攻撃」「誹謗中傷」を一緒くたにして被害者面するのは、イタい方たちに共通した特徴のようで…

ところで、LEMON+Cのトップページにおいて、彼女らの方にもかなり重大な事実誤認が…

lemon.jpg
岩屋毅大臣が…いつのまにか大出世を…
posted by 大道寺零(管理人) at 21:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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