プロ野球人気減退はNHKのせい?(Sponichi Annex)
オーナー会議では各オーナーが「NHKは日本のプロ野球をもっと放送すべき」と口をそろえた。オリックス・宮内オーナーは「プロ野球はこれだけ(人気回復に)苦労しているのに、大リーグの、しかも日本人選手個人に偏った放送をしているのは極めて異常」と話した。今年1月のオーナー会議に続く要請で、近く申し入れることになるNPB関係者は「大リーグ中継を減らせ、とも言えないし…」と困惑していた。
[B]
<注:詳しくは記事の後に書きますが、一時的なニュースソースではなく多分に問題のある要約記事でした。>
ゲームに押されテレビ視聴率が低下(イギリス生活情報週刊誌 - 英国ニュースダイジェスト - 英国における日本報道)
本誌1105号(7月19日発行)
7月の第1週、日本のテレビ業界に大きな衝撃が走った。なんと1週間の間に放送された番組の中で、ゴールデン・タイムに視聴率9%を超えたものが1つもなかったのだという。業界関係者らは、これを任天堂の人気家庭用ゲーム機Wiiの影響によるものと分析している。
フジテレビの専務取締役は「日本のテレビ視聴率は常に上下しやすいが、このように著しい低下はあまり経験がない。>テレビそのものに問題があるというよりは、Wiiなどの外的な要素に左右されている可能性が高い」と話す。親達は、ゴールデン・タイムにテレビを見るより、子供達と一緒にゲームを楽しみたいと考えているのかもしれない。
7月11日付 「タイムズ」紙
<追記:
この記事は、要約サイドの要約の内容に問題があったようです。「タイムズ」の元記事を読むとズバリwiiについて扱った記事であり、「TVの現場を脅かすほどwiiはキてるらしい!」という趣旨の内容。それに対して要約はどちらかといえば「ゴールデンタイムのTV視聴率が落ちている」と、TV事情のほうに主眼を置いた表現となっていました。
また、実際には7月第1週の各キー局ゴールデンタイムのバラエティ番組の視聴率は10%を越えるものが多く、「9%を切る」は数次の出所が不明であり、ニュース記事に添える内容としては問題があるのではないかと目されています。
『「2007年7月第1週のゴールデンタイムの番組が全て視聴率9%未満に」というガセネタと典型的な反応』(うさだBlog)
において「踊らされた人間」と叩かれた通り、当方も「踊ったバカ」の一人ということになりますな。
しかしながら、フジやTBSの人間の談話までもが捏造なのかどうかは今のところソースがなく、自らの製作努力やコンテンツ見直しを棚に上げ、ゲームやネットに責任を転嫁する論法はこれまでも同業界にしばしば見られたことであり、それを批判する気持ちは変わりません。ミスリードを含むニュースソースを用いた件については追記として記録を残しますが、以下の内容の主張は特に撤回いたしません。
それにしてもやはり、英文でめんどくさいとはいえ、一次ソースに当たってみなかったことは反省すべきこととして認識したいと思います。
なお、この追記はあくまで[B]記事のみに関するもので、[A]記事とは関係がありません。>
[A]
NHKがメジャーばっかり放送する?ってよく言うよ。
名古屋や大阪など、お膝元のプロ野球チームのある中核都市は別として、山形のような田舎で見れる放送は、その年ペナントレース上位に絡んでいなくても延々と巨人戦ばかり。
巨人に偏らないカード、またはパ・リーグのデーゲームなどを放映してくれるのはNHKだけ。
日本シリーズですら「時間になったので中継打ち切りになる一部地域」でも、ラジオで続きを伝えてくれるのはNHKだけ。
正直、NHKほど野球を放映している局はないだろう。
確かにイチローが渡米以来、地上波で前ならノンビリとパのデーゲームをやってた時間にMLBの中継が来たりもしているが、それでもこれだけ日本プロ野球の放映をしている。
もう少しすれば夏の高校野球中継も始まるし(高校野球の注目選手は、そのままドラフトなど来期プロ野球の大きな話題でもある)。
第一、BS−1を中心に、それこそ野茂がメジャーに挑戦するずっと前から、根気良くMLBの放送を続けていたのがNHK。
MLBに限らず、MBA(バスケ)、NFL(アメフト)やX-Game、ワールドストロンゲストマン、自転車競技などの海外のスポーツ(日本国内ではイマイチマイナー扱いされる)を継続的に放映している地味な努力が、たまたま日本人メジャーリーガーの活躍と結びついただけの話。(むしろ従来のMLBファンが、マリナーズ・ヤンキース・レッドソックスの放送に偏ってしまったことを嘆いているのでは)
さらに、「プロ野球を放映しなくなった」のはどう見ても民放の方が顕著。ゴールデンタイムのナイター率がいかに下がったことかは、新聞のラテ欄を開けば一目瞭然。
ただし、スポンサーだったりオーナーだったり色々な力関係があるためにおいそれと民放批判ができない、その苦しい矛先をNHKに向けたのだろうけども明らかに筋違い。
[B]
これは単に「自分たちの番組は面白くて何の問題もない」と信じきっているか、
<追記:前述の「追記」に書いたとおり、まさしくwiiが主眼の記事でした。>
TVの電源を入れているにも関わらず画面を占領する家庭用ゲーム機は、ずっと前からTV業界の目の敵にされてきた(同率で、TVの前にすら座らなくなるPC・インターネットもそうだが)。と同時に「視聴率が奮わない理由」を転嫁するには絶好のアイテムでもある。
<追記:上記の追記と同じ理由で削除線を入れました>
端的に言って、
「ゴールデンに垂れ流している民放のバラエティやドラマがつまらない、興味を引かない」
これに尽きる。そして局側は絶対にこれを認めようとしないようだ(とりあえずフジは)。
日本で言う「ゴールデンタイム」の定義は、19:00〜23:00。
この時間帯の私達夫婦の平均的な行動とTVの状況はこんな感じだ。
・19〜20時 夕食
TV:NHKニュース+クローズアップ現代orナイター
民放に合わせることもあるが、バカ騒ぎのバラエティ、そしてCMの音圧が高くなるため、義家族からしょっちゅう「ボリューム落として」と言われて見た気も食べた気もしないので結果的にNHK。
ナイターもなくクロ現のネタにも興味が湧かない場合は、ニュースが終わったらTVを消すことも多い。
・20〜21時 くつろぎタイム
2階の夫婦エリアでお茶を飲みつつ会話したりネットを見たり、録画しておいた深夜番組を見たり、本を読んだりその日によって内容が違うが、大体そんな感じ。
TV:バラエティーやドラマをリアルタイム視聴することはほとんどない。
BSの海外ドキュメンタリー類や映画を録画していることが多い。
また、過去に録画しておいた番組を二人で見るのもこの時間。
・21〜23時 ネトゲタイム
友人・知人も大体このくらいの時間からのINが多い。
TV:上に同じく、BSのドキュメンタリーや映画、海外ドラマなどを録画していることが多い。
興味を強く引かれるスポーツ中継などがあればそちらを優先してリアルタイム視聴することも。とりあえず経過がわかればいい時は流しっぱなしにしてゲーム。
実際にはゴールデン〜プライムタイムにTVを見ていない層は、家庭用ゲーム機だけでなく、携帯ゲーム機、インターネット閲覧(YouTube等を含め)、ネットゲームなどに興じている。
しかしネットゲームの実際を見ていると、IN(接続)しているからといって必ずしもPCの前にいるわけではない。これを「AFK(Away From Keyboard)」と呼び、よく「ご飯AFK」「バイトAFK」などのチャットを出した状態でキャラクターを放置していることがある。
「プレイヤーは今●●をしていてPCの前にいないので、知り合いに話しかけられても反応できません」という表示である。
で、この「AFKチャット」を見ていると、「TVを見るためにAFKしています」という内容のものがけっこうある。
例:
「ラピュタAFK」
「サッカーAFK」
また、「●●を見てて入るの遅くなっちゃった」というようなやり取りもよく聞かれる。
自分にとって興味のあるTV番組があれば、ネットゲームのユーザーはそちらに反応してゲームの手を休めて視聴する。昔の「君の名は」伝説における風呂屋のようなもので、「●●の放送があるせいか、接続人数が少なくてガラガラだなあ」ということもある。
要するに番組が面白ければそちらに流れる人数がかなりいるということ。
ネットにしても家庭用ゲームにしても、見たいものがあればTVの前に行き、モードを「TV」に切り替える。ごく当たり前のことなのだが、「そうまでさせるコンテンツを作っていない」ことを局側は認めようとはしない。
[A]の話とも関連するが、プロ野球ナイター中継が減ったのもゴールデンタイムの視聴率低下に大きく影響しているように思う。(視聴率が下がってきたから切り捨てたというのがTV局の言い分だが…)
少なくとも私の周りの男性陣を見ると、『チャンネルを一通り回して「なんだ今日も野球ないのか」とガッカリしてスイッチを切る』という動作が実に多いのだが…
夏の夜にビール飲みつつ、やっぱり今日はナイターだろ!という気分なのに、TV付ければ細木和子とかだもんなあ。そりゃ萎えるよなあ。
ニュース以外はほとんどリアルタイムでTVを視聴しなくなりました。
見たい番組は録画して、いわゆるゴールデンの時間は、その録画した番組を見るので精一杯。
まぁ、その中にゴールデンのバラエティは1本もないわけですが。
(深夜のはある)
なんで最近のバラエティは、若手芸人ばっかりなんだろう…
うちもまったく同じです。
逆にリアルタイムでゴールデンタイムのバラエティや番組を見るのって(例えば「鉄腕DASH」とか)、「割と見たいけど、HDDに残すまでもない」という優先順位のものが多いです。
例外(順位は低いけど録る)は「タモリ倶楽部」ぐらいで、これは放映時間が遅いのと多少浮動するので見逃しがちなこと、番組本体は一度見て楽しんで残さないけれど空耳アワーは編集して残したいという意図があるので。
TV局の意識は、「最優先=リアルタイム視聴」なんだけど、視聴者の意識は
「最優先=残したい=録画する」
なんですよね。(それをリアルタイムで見るかタイムシフトで見るかは人それぞれですが)
我が家の録画番組表を見ると明らかにゴールデンタイム終了後から混んでくることが多いですねえ。
若手芸人の出るバラエティの多くは、そういう過程を経てなくても、
「深夜でそこそこ人気があったのがゴールデンに移動してヌルくなっちゃった」
番組と同じ匂いのするのが多いように思います。