2007年07月31日

主張するエコバッグ日記

トリさんのブログ「トリちらかしておりますが。」で、最新エントリーに「アニヤハインドマーチのエコバッグを手に入れました」というタイトルを見て、私の中のトリさんのイメージは、そういう軽薄(なイメージとなってしまった)なブツに手を出すような傾向とは真逆だったので驚き、タイトルをクリックしてみたところ…

こういうことでした。

やられたww
さすがさすがでございます。

ブランドに疎い(縁もない)私は、正直先日のエコバッグ騒動ではじめて「アニヤハインドマーチ」というブランド名を知ったのだった。

ecobag.jpgこれがそのバッグの外観。フォントは全然違うけれども、なぜかマジソンスクエアバッグを思い出した。この70年代な感じは狙いなのか。
個人的には、最大限に褒めても「ダサかっこいい路線なのかな?」という程度で、並んでまで買うほどのものとは感じない。
材質は厚手のコットンで、中国製らしい。正札は2,100円(ちなみにイギリスでは1,200円で発売されたとか)。付加価値を見出さない場合、同様の製品を買うならば500〜700円くらいが適性に思う。1000円だったら高いと感じるかな。実際1000円出せばもっと使い勝手が良くて洗濯可能・防水加工までしてあるバッグが手に入るし。
第一印象は、「単純な作りだから偽造品が出回りまくりそうだなあ」「騒ぐほどかっこよくもないよな実際」というものだった。

先行販売に客が殺到し、整理券もないのにゴネたという報道で有名になったのが大体半月くらい前。

東京・銀座の店では、開店1時間前に長蛇の列ができ、警察が駆けつける騒ぎにまでなった。
殺到した女性たちのお目当ては、アニヤ・ハインドマーチ製のエコバッグ。夜明け前に整理券が配られたが、手に入らなかった客が店に詰め寄った。客は「どうにか解散させてくれる!?わたしたちもういたくないのよ、ここに!」と怒り心頭の様子だった。

一方、新宿のデパートでも「ちょっとちょっと逃げないでくださいよ、ちゃんと誠意を見せてください!といった声が聞かれた。
(ニュースソースはサンケイなのだがもう見れないので、「痛いニュース」の同記事を参考に引用しました)

「1人2個まで買える整理券を配布されたのですが、『赤ちゃんにも整理券を配ってる!』『並んでいた間の飲食代を返せ!』など無茶苦茶なクレームをつけてる人もいました」(並んだ客)

エコバッグ争奪戦 ホームレス風の人まで並ぶ騒ぎに(Ameba News)

この人たちも普段行列慣れしてないわけではないだろうに、整理券がないのによくここまで開き直れるものだと驚いてしまう。おばはん若者を問わず、女性(しかもブランド好きの)ばかりの行列というものは、カオスを通り越して容易にバイオレンスジャックの世界に突入してしまうから恐ろしい。まさに「筋肉はゴリラともかくとして、牙はゴリラ、燃える瞳は原始のゴリラ!」状態である。
ちなみにどうやら
「どうにか解散させてくれる!?わたしたちもういたくないのよ、ここに!」

という意味不明なフレーズは
「要するになんかくれたら帰ってやらないこともないから何かよこせ、できればアニヤ関連のノベルティグッズとか。そうじゃないと帰らないぞ。」

という意味らしい。怖すぎる

この騒ぎが起こった頃、オークションなどでは価格が急騰しており、一時は相場が20,000〜25,000円にまで達したという。(現在は幾分落ち着いており15,000円前後のようだ。海外バージョンはまた一段と高く扱われている。)
Yahoo!オークション:「アニヤハインドマーチ」の検索結果)
転売のために並んでいた人もいたようだし(中にはホームレスに整列を委託した業者もいたとか)、また構造の単純さから見て、複製がかなり簡単なようなので、相当ニセモノが混じっていてもおかしくないと思う。厚物ミシンとアイロンプリント用紙・あるいはシルクスクリーンでプリントさえしてしまえば(フォントも珍しいものではないし)製作は簡単なのでは?

ecobag2.jpgネットで写真を検索すると、どうやらこのように製品タグを付けて持ち歩くのがスタンダードなのだろうか?
田舎の親切オバちゃん(あるいはオカン)が見つけたら、
「アラまぁお姉ちゃん!バッグに値札付けっぱなしになってるわよ〜」
と指摘されるに違いない。オカンがハサミを持っていた日には、言うと同時にその場でチョキンされてもおかしくない。

こういう、「タグを見せて持ち歩く」というのもいかにもイヤらしいなあと思う。(そうでなくてもこんなに自己主張してるバッグなのに)
「ニセモノじゃないわよ!」という意味も込めているのかもしれないが…
同ブランドのバッグというのはえらく高価らしいので、結局は
「2000円で買えるアニヤブランドのバッグ」
をゲットしつつ、「環境に気を使ってますよ」という自己主張も出来る「安く買って見栄を満足させる正規のブランド品」
であることが彼女らをここまで狂わせたのだろう。
まあ実際にネギだの土ゴボウだの白菜だのを入れてザクザク使うのなら何も言うことはないんだけど、購入者の中には「もったいなくて使えません」と本末転倒な発言を堂々となさっていた淑女もいたなあ。

しかし、こういう騒ぎがクローズアップされると、常識的な感覚では「持ち歩くのが恥ずかしい」という気持ちに至りそうだ(それでもまだ高額で落札されているが)。何しろ見た目の押し出しがこれ以上なく強すぎる。
また、スーパーなどで本来のエコバッグとして使うならまだしも、日本では普通のトートバッグとして日頃持ち歩くユーザーが多いらしい。
シャネルやグッチなどの高級ブランドの『紙袋(商品を入れるだけのもの)』が未だにOLなどに人気で、ネットでもそこそこの値段で取引されているのと同じようなものなのかもしれない。

ファッションにさほどこだわらない人でも、女性の多くは「安い服やバッグ・靴などを買う」のはいいとしても、「その値段を知られる」ことは嫌がるものだ。
デザインや大きさ、作りなどに自分が納得して買ったバッグでも、「できれば1980円とは知られたくない」と思うことが多いし、逆に「これいくらのバッグに見える?2000円には見えないでしょ?」
「ホントだ〜、2万くらいに見えるよ」

と買い物上手を自慢したり、褒めあったりもする。
要するに、
「高いものでなければ、正札を外からは知られたくない」
という意識があるものだ。

しかしこのエコバッグは、「正札2100円」とニュースで知れ渡ってしまったばっかりに
「ああ、あれがニュースで言ってた2100円のエコバッグかぁ。すごい争いだったんだってねー。」
「アニヤの2100円エコバッグってあれかー」
「徹夜で並んだり、オークションで10倍以上の値段とかで買ったのかなあ?」
「●●さんが毎日普通のバッグとして持ち歩いているアレって例のエコバッグでしょ?後生大事に抱えてて、スーパーでニンジンとか豆腐とか入れたりできるのかしら。」

と見る人見る人から認識されてしまうのである。
もしこのバッグを持っているのにレジ袋としては使わず、片手にはコンビニ弁当レジ袋入りを持っていたりしたら笑われても仕方ない。
自分はとてもそういう目の中で持ち歩く根性はないなあ。

そもそもエコバッグの理念・目的とは、
「レジ袋をもらう習慣を改め、バッグ持込により一枚でも多くのポリ袋を節約し、石油を大切にしよう」
という部分にある。
買い物の際に持っていく代替レジ袋としては

・ビニールや不織布などで作られた、コンパクトに折りたためるバッグ
・マチの大きな厚手のトートバッグ(防水だったりもする)
・商品を入れてもらってそのまま持ち帰れる手付きカゴ(スーパーカゴと同サイズ)
・紙袋
・以前もらったビニールのレジ袋を持参して使いまわす

などが挙げられるが、軽くてかさばらない、折りたたんで小さくなるという意味では、「ビニールのレジ袋使いまわし」がけっこう優秀である。持ち手もあるし、破れたら心置きなく捨てられるという利点もある。
アニヤハインドマーチのエコバッグは、実際に使うことを考えると、折り畳みができないという点で大分不便に思える。(カラのトートバッグを持ち歩くのは万引きと間違えられそうでなんだか落ちつかないかも…)
結果的に一人一人がレジ袋を1枚でも使わないように出来れば上々なわけで、代替バッグの材質がビニールだろうが綿だろうが、それによってレジ袋が一枚節約できるなら問題の本質には関わりがないのだ。
だから、「I'm Not A Plastic Bag」というロゴがなんともちゃんちゃら可笑しく感じられてならない。
「だから何?」と思ってしまう。

海外ではこんな商品も出ている。
アニヤ・ハインドマーチのパロディ版バッグ、ロンドンで人気 (AFPBB News)

 一連の騒動を受け、米カリフォルニア出身でロンドン在住のデザイナーMarissa Vanderzeeは、ハインドマーチのパロディ版バッグ「I’m NOT a smug twat(わたしは気取った嫌なやつじゃない)」を考案。この皮肉たっぷりのスローガン入りバッグは、現在ハインドマーチのバッグに引けをとらないほどロンドンで人気を集めている。

 コットンのベージュ地にインディゴ・ブルーでスローガンが描かれている。持ち手はクリーム色のロープ。価格は20ポンド(約4880円)とハインドマーチと比較すると高めだが、素材は北アイルランドやイングランド、イタリアなどのヨーロッパ近郊で生産されたものを使用。生産の拠点も、ロンドン、ウェールズと英国内に置いた。

 このバッグには、アニヤ・ハインドマーチが本国の公式ホームページ内の質問コーナーで、エコバッグの生産地について「中国国内の、最低賃金の2倍以上を労働者に支払い、労働基準法の全項目を守っている、信頼の置けるサプライヤーのもとで生産されている」と回答していることへの批判が込められているという。

この皮肉、いろんな意味で「イギリスだなあ」と思う。
確かに「セレブ御用達」を歌うなら、せめて素材の綿のフェアトレードとかもうたってこそだろ、と感じたし。



posted by 大道寺零(管理人) at 14:40 | Comment(5) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
転売目的がバレバレな日雇いの小汚いオッサンまでもが並んでいましたね。
整理券を手に入れられずオッサンを恨めしそうに見て「悔しい」と泣いてたオバサンとか・・・・。
田舎なので持ち歩いている人には出会わないと思いますが、もし見かけたら「エゴバッグ持ってらぁ〜。高額で手に入れたんだろうなぁ」と白い目で見ちゃいそうです。

私もブランド物に縁が無いので検索してみたのですが、アニヤハインドマーチのバッグってそんなに欲しい物なのか?と思うようなアニマルプリントのバッグ(下町の商店街に売っていそうですよねぇ、特に大阪)しかヒットしなかったんですけど。
それなら自分の愛玩動物をプリントした方が有意義な気がしました。
Posted by クマ at 2007年07月31日 19:55
>わたしたちもういたくないのよ

いや、じゅうぶんイタいと思いますが…w
Posted by じゅま at 2007年07月31日 21:47
>>クマさん

>転売目的がバレバレな日雇いの小汚いオッサンまでもが並んでいましたね。

買い物板のアニヤスレッドを覗いたのですが、オークションで入手した数人が「なんだか取っ手が変なにおいがする…もしかしてホームレスの?」ということを書いてました。まあ多分素材の臭いなんでしょうけど、実際ホームレスが並んでいる場面をTVで見ると心配にもなるのでしょうな。

このバッグを買い物袋として使うのであれば何も横から言う筋合いはないんですが、「セレブが持ってるから」「勿体無くて使えない」という声を聞くと「アホかいな」と思います。実際使ってる人を見たら、「おー本来の目的に使ってますねー」と微笑ましく見るでしょうけども、一方で「オクかな、行列かな?」と思っちゃいますねやっぱり。余計なお世話ですけどもね。

>同ブランドバッグ

無地のものやパターンのものはけっこういいかなと思いましたが、如何せん値段に見合う価値を感じませんです(というか高いバッグ全体にそうなんですが…)。プリントのは、自分の写真を持ち込んでオリジナルバッグを作れるというのもあるらしいですね。ただやはり私も、アニマル系の製品にはどうしようもなく「大阪のおばはん」を感じずにはいられませんでした。

>>じゅまさん

はははははははは;
誰がうまいことを言えとw
Posted by 大道寺零 at 2007年08月01日 01:55
かの有名なアニヤの宣伝バッグですね。
数量限定の為、争いが起きてるというのは聞きましたが・・・よもやここまで酷いと笑うしかアリマセンね。
Posted by しろ at 2007年08月01日 08:21
>>しろさん

ブランド無関心な私の脳裏にコレだけ名前を刷り込んだのですから、宣伝作戦としては大作戦だったのでしょう。刻まれたインパクトが正の方向だったか負の方向だったかは別として。
以前から品質・デザインやイメージが気に入ってアニヤハインドマーチの製品を愛用していた方たちは、今回の騒ぎを果たしてどう思っているやらですね。
「こんなに人を惑わすなんてさすがアニヤの魔力だわ」
なのか
「恥ずかしくて他の(しかもたいそう寝の張る)アニヤのバッグを持って歩きづらいじゃない!迷惑だわ」
なのか。

>>数量限定

本当に温暖化防止やらレジ袋節約を皆に考えてほしいのならば、数量限定などせずにできるだけ多くの人がエコバッグを買えるようにするのが本来のやり方かと思うのですが、まあそうやって飢餓感を煽って宣伝も果たすのがブランド戦略と言うものなのでしょうね。
バッグのメッセージからして、「このバッグを見た他の人も環境のことを考えてね」という、いわばホワイトバンドみたいな位置づけなのでしょう。
それにしても、数量限定の品に対して「もっとバッグを増やしなさいよ!」と詰め寄るおばはんには笑いました。豆腐かなんかじゃないんだから…そもそも限定品だからそこまでして欲しいくせに;
Posted by 大道寺零 at 2007年08月01日 09:14
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