2007年08月12日

土用干し完了料理

初挑戦の梅干し、土用干しが完了。
干す間梅酢に戻していない方法なので赤くなっていないものも多いけれど、つまみ食いすると十分美味しい。
ume1.jpg

*土用干しの経過*

先週、実家の母(がこの梅を送ってくれたので漬け込み開始もほぼ同時)に「梅いつ干す?」と質問したところ、「えっアンタまだ干してなかったの?もうこの間干し終わっちゃったよ」と言われて慌てる。
土用干しには、「いいお天気が連続して3日」になる日を選ばなければならず、なかなかここという日を決められずにいたのだが、天気予報を見ながら、「8/10〜12でいこう」ということに決める。

1日目:8/10

朝少し早く起きて相方と梅を並べる。
(ネットフードつきの盆ざる2皿に4kg分の梅+シソがちょうど載った)
昼間鶴岡に出かけなければならず、留守の間雨が降ってきたときの取り込みを義母たちに頼む。
朝〜出かける辺りはいい天気に思えたのだが、昼鶴岡を出るときに驟雨。真っ青になって家に帰るが、義父たちが出かけるときに雲行きが怪しくなって室内に入れて出かけてくれていたので一安心。
雨があがってしばらくして、日が出てきたところに干すが、あまり日干しの時間が稼げず少々不安。
色の付いていない梅が多かったので梅酢に戻すべきかどうか迷ったが、実家の母の干し方は「梅酢に戻さずに3日間、昼は外・夜は中で干す」らしいのでとりあえず今回はそのやり方を参考にして戻さず。

2日目:8/11


今日からはまず雨の心配がなくなるカンカン照りが続きそう。
また昼間出かける用事があり、本当は相方と一緒に行きたかったのだけれど、梅の番のため家で涼んでいてもらう。
問題なく干し終わり。やはり天気がいいと梅の表情の変化具合が違うと感じた。この日も夜は室内干し。

3日目:8/12

再び天日干し。義母たちも家にいるし、今日は二人で昼出かける。買い物を済ませて昼過ぎに帰ってくると、うっすら塩を吹き、表面も柔らかく皮が薄くなった感じで、すでにもういいかな?という仕上がり。
一度ひっくり返して4時前取り込む。
今晩もう一晩室内干しして、明日はホウロウ容器にしまって完成。
2ヶ月くらい熟成してから食べようと思う。

熟成はまだこれからだが、つぶれかかったものを試食すると既にこのままでも十分美味しい。
香りがよく、ちゃんとすっぱく、ちゃんとしょっぱい遊びのない味。これはまさに、スーパーで売ってる安い「梅漬け」じゃなく、買うと結構する「ちゃんとした梅干し」の味。昔ばあちゃんが作ってた梅干しと同じ風味だ。感動。
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見映えはイマイチで、慣れた人から見たら「プッ」と吹き出されそうだけど、これが我が家の初梅干し。味はいいですよ!


<次回に活かしたい反省点>
・赤シソを入れた後に重石を軽くするのが遅れて、つぶれ気味の梅が多くなってしまったので次回はすぐに軽くする
・赤梅酢になってから一度天地返しをして色を均一にする(今回はしなかった。下手に手を入れるとカビの元になりそうで怖くて;)
・赤シソはセオリーどおりに梅の20%にしたが、仕上がってみるともうちょっと量がほしいと思うので次からは少し増やす
・今年は塩分量20%で作ってみたが、次は18%にして、土用干しの時に赤梅酢に戻してみる
・「梅4kg」に対する適正な漬物樽サイズが分からずに随分大きいのを買ってしまった。来年漬けるならいっそ梅を増やすか?

初挑戦して分かったことは、
「見た目にあまりこだわらず、また減塩の限界にチャレンジするのでなければ、梅干しは簡単で失敗もしづらい、しかし手間はかかる」
ということだ。
「手間」は、土用干し以外はほとんどかからないと言っていいと思う(ポイントポイントでチェックは必要だが)。
やはり土用干し、天気予報とにらめっこしつつ、3日間の行動がかなり漬物一つに束縛されるという事実をどう受け止めるか、その余裕を確保できるかということが唯一の問題だ。
手間にしたって、一日1〜2回梅をひっくり返したり、数回日光の当たる場所に合わせて干し場所を移動するくらいでたいしたことはないのだが、やはり「雨に備えるので行動が束縛される」点が一番大きいだろう。

今回は梅自体は伯母の畑からいただいたので無料だったが、漬物樽・重石・盆ザルなどの初期投資があり、スーパーの安い梅漬けを数キロ買えるくらいの費用は生じている。とはいえ、出来たものの味の次元は全く違うし、漬物用品は次回以降や他の漬物にも使いまわせるので無問題。
いやーそれにしても自分で作ってみると、昔ながらの製法の梅干しの価格が高い理由がよく分かる!

副産物である赤梅酢は綺麗に仕上がり、この後新ショウガやミョウガ、ウドや山芋などを漬けて楽しむことを考えると夢がひろがりんぐ。
また、赤シソを買いすぎてしまったことで赤シソジュースに初挑戦、家中がハマる(結局また赤シソだけ買い足してジュースを量産してしまった)など楽しい出会いもあった。
時々刻々姿を変える梅の様子を見守っていくのも、我が子の成長を見るような楽しさがあり、梅干しにハマってしまう人が多いのも分かる気がする。

それにしても、梅という果実は、そのままでは野生動物が見向きもしないほど不味く(熟した時の香りは最高なのだが…)、しかも毒性さえあるというのに、
多めの塩をすり込まれてギュウギュウ重石で責められれば美味しいお汁をたっぷりと出し
怪しい葉っぱを放り込まれればお汁はその色に染まり、香りまで良くなり
・最後にセミも落ちるような炎天下に3日もさらされて更に美味しくなって柔らかく赤くなった上に、いつの間にか毒まで抜けて


なんというかこれほどドMな果実も他にないんじゃないか?とふと思うのだった。そう考えると梅干しって相当エロい漬物かも。


posted by 大道寺零(管理人) at 16:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 料理
この記事へのコメント
懐かしいですねぇ。
うちも随分前は梅干しやら辣韮を毎年付けていました。
止めた原因は盗難に遭うから。
捕まえても逆ギレされるだけ気分悪いですし。
近所もみんなやってないそうです。
Posted by at 2007年08月12日 19:27
夕食の時に一つご飯に載せて食べてみましたが、果肉が杏ジャムのようにねっとりとしていて素晴らしい味でした。感動しました。
時間と手間をかけたものだけに、盗難は腹立たしく許しがたいですね!
梅干し作成の参考にしたうちの一つのサイトの管理人さんも、ごっそりやられたのだそうです。その話を聞いて、1時間ごとくらいに気にしていましたが…車通りの多い通りから見える場所だったので内心ドキドキでした。
山形ではここ数年、果物やお米の盗難が相次いでいて、収穫までの細心の注意や手間ヒマを知っているだけに心が痛みます。梅干しや漬物も同様です。梅干し1年生の私ですが、皆さんが「もうやめる」となったお気持ちも判るような気がします。切ないですね;
Posted by 大道寺零 at 2007年08月12日 23:56
う、うまそおおおおお
シソジュースもだなんてすごすぎる。
私は両方実家でいただいてしまいました。
いつか自分でやれる日がくるだろうか?
まずおせち作れって感じですが、
みんな消費してくれないんだもん・・・。
Posted by なぽりん at 2007年08月21日 01:10
>>なぽりんさん

ありがとうございます。少し試食した後は、1ヶ月くらい熟成させてから食べる予定です。
シソジュースは実に簡単で好評でした。シソ葉200g(大体もぎってあるもの1袋、枝なら1.5本くらい)で作るとそんなに量になりませんし、冷蔵庫でなくても保存できるので来年でも(もう今年は赤シソ終わったかもなので)試してみられては。

「家族が消費するかどうか」は、手作りする上でモチベーションを大きく左右しますよね〜。「もうなくなっちゃった!」みたいな売れ行きだとやる気も出るんですけどね。わかりますわ〜。
Posted by 大道寺零 at 2007年08月21日 12:05
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