2007年09月28日

宇門さんちの事情も詮索するアニメ

いきなり「宇門さん」と言ってもピンとこない人も多いかも。
「UFOロボ グレンダイザー」に登場する博士が「宇門源蔵」氏で、宇宙から逃亡してきた主人公デューク・フリードを保護し、「大介」という名を授けて自分の息子として育てている、その人である。

剣造パパに比べると、謎の部分は極めて少ない。
なぜならば、はっきりと「デュークを養子として迎え、社会的にも息子として扱った」という設定が明示されているからだ。
剣造と鉄也・ジュンのように、「養子なのか里子なのか単なる人買いなのか判然としない」ということはないようだ。

加えて、歴代ロボアニメに登場する博士の中でもかなり穏便な部類のキャラクターで、人間的にも常に温厚で沈着冷静。
大介には、一人の地球人として平穏な幸せを与えたいと希望しており、ベガ軍団が攻めてきた時も、ギリギリまで「再び戦いの場に戻したくない」とグレンダイザー搭乗を止めようとした優しさもあり、ダイナミック系作品に登場する博士としては特異ともいえる(後述)。
宇宙科学研究所を主宰した上に、牧場団兵衛氏と「シラカバ牧場」を共同経営するなど、資産的にも申し分ないし、身分もしっかり証明されており、戸籍上幽霊となっている剣造パパとは大きな違いがある。養親となる資格は十分だ。
配偶者・実子はないようなので、普通養子縁組を行ってデュークを宇門家に迎え入れたものと思われる。

まあ根本的な問題は、「亡命宇宙人を戸籍上(法律上)どう扱っていいものか」という一点であり、これに対応しうるマニュアルやノウハウを持つ自治体は地球上に存在しない(まして放映当時は)という事実なのだが…


まずデューク・フリードの年齢確認から。
「グレンダイザー」の舞台となった昭和50年での設定は20歳、地球に逃れてきて宇門氏に救助されたのが前年ということになっているので19歳。その間に養子縁組がなされたと考えられるので、ギリギリ未成年のうちに行われたと思われる。

で、現実的には、なんとかデュークを「とりあえずは地球人」ということにして状況を偽り縁組を行うしかない。
さまざまな方法が考えられるが

・戸籍偽造、または「死亡しているが死亡届がなされていない人間の戸籍」を買い取って、一時的になりすます

・「実子なのだが、自分が戸籍不要論者なので出生届を出さず19年間無戸籍状態にしておいた。この子もそろそろ20歳だし、自分も考えが変わったので戸籍を作ってやりたい」と申し出る
(しかしその場合、住民票や健康保険証などの各種書類の提出要求が予想されるので面倒かも…「外国にいた」ことにするとか…)

・「記憶喪失or身元不明or無戸籍の男性を救助したのだが、これも何かの縁なので自分の養子に迎えたい」と申し出る


といったところだろうか。

バカ正直に「亡命宇宙人を息子として養育したい」と申し出られても、那須町役場の戸籍係さんも頭を抱えてしまうだろうから、誰のためにも「一時的な偽造」という方法が幸せかもしれない。

さて、宇門博士はデュークと出会う前からずっと「宇宙人実在説」を主張しており、そのために学会からは長年ハブられていたという。
ご近所からどう見られていたかは定かではないが、世界有数の施設を備えた私設研究所を那須高原にドカッと建て、「宇宙人はいるよ。あそこに…いるよ…。」と公言してはばからない博士は、近所のガキから「宇宙おじさん」と微妙な距離感で呼ばれる程度の存在であった可能性は高い。
意外と、「宇宙から亡命してきたイケメン宇宙人を拾った」とそのままの事実を役所に話したとしても、
「宇宙おじさんがまたなんか言ってるよ」
「仕事にならねーから適当に処理しておくか」

という生ぬるいベクトルの元に便宜を図ってくれた
のかもしれない。
一方、近所のおばさんの10人に1人くらいは
「宇門さんってあの歳で奥さんも子供もいないようだし、ホモなんじゃない?そういう人って、養子縁組っていう形で恋人と一緒に暮らすらしいわよ〜。私この間町内会報届けるついでにその子見たんだけど、若くてハンサムだったわよ〜。あれはきっと間違いないわ!」
腐的に盛り上がったかもしれない。

まあそんな風に愛情を注いだ大介くんも、最終回ではフリード星に帰ってしまうのだから、宇門博士も寂しいのう。



ところで実は、「グレンダイザー」の映像とかムック系の資料を持ってない(そもそも作品と主人公があまり好きでない)ため、宇門博士の容貌が全然思い出せないのだった。
(所有しているのは「ゲッターロボ」とコラボした桜多版コミカライズだけなのだが、桜多版の宇門博士のデザインってどういうわけかアニメと全然違うから参考にならない;)
同作品では、ギャグメーカーである牧場団兵衛(「あばしり一家」の駄エ門パパと同じデザイン)氏の方が、ビジュアルといいキャラといい立ちまくっていたため、どうしても温厚な宇門博士の印象が薄れに薄れて残っていないためだと思われる。

加えて、メインメカであるグレンダイザーとスペイザーは、デュークが実家から持ち込んだものである。
宇門博士は、他の多くのロボアニメのような「メインメカの生みの親」ではなく、あくまで武装の強化や、マリンスペイザー・ドリルスペイザーといったサポートメカを作成したにすぎず(ダブルスペイザー・TFOをメイン開発したのは甲児)、役割的にも印象が弱いことは否めない。

まあこれは宇門博士の責任ではなく、他のダイナミックロボアニメに登場する博士たちがどいつもこいつもマッドであることのワリを食っているだけかもしれないが…

・兜十蔵博士(マジンガーZ)

 甲児たちには優しい孫煩悩なじいちゃんだが、基本的にはドクターヘルと大して変わらんマッドサイエンティスト。

・兜剣造博士(グレートマジンガー)

 前回述べたとおり、人身売買同様の不明瞭な手段で幼児を引き取り戦士として養成するなど、目的のためには手段を選ばない部分は親父以上のものがある。

・早乙女博士(ゲッターロボ)

 初登場時から「息子が死んでも、自分とゲッターとパイロットさえ生き残ればいい」と言い放ち、有言実行する。また、自分の娘の戦闘用コスチュームに乳首を思わせるボタンを付けるなどのセクハラ行為も。

・敷島博士(ゲッターロボ)

 この人に関してはもう、言葉はいらないよね。
 原作限定ではあるが、敵の人質になった折、「自分の作った兵器でできるだけ惨たらしく殺されるのが夢だった。さあ、できるだけ派手にブチまけてくれ。」と心の底から嬉し涙を流し、ハ虫人類をドッ引きさせた。大好き。
 その後、OVA等には同様のキャラクターを受け継いで登場することになる。


・司馬遷次郎博士(鋼鉄ジーグ)


 無許可で本人の知らぬ間に実の息子をこっそりサイボーグに改造し、世界の運命を担う銅鐸を埋め込むという所業は、「博士界」全体にも類を見ない非道親父。その後の特訓も常軌を逸したものであると共に、一度殺されてマシンファーザーとなった後、遺族が経済的に困窮するシーンが登場したところから見ても、遺産配分やパテント料の相続などを行っておらず、家族への配慮がてんでなっていない事実も容易に伺える。

また、「メイン博士」ではなく、宇門博士と立場が近いと思われるこの人も一筋縄ではいかない。

・弓弦之介教授(マジンガーZ)

娘が操縦するロボットの武装として、「オッパイから発射されるミサイル」に譲れないこだわりを見せ、後継2機にも同様の装備を継承する。
TVアニメでは、とある所員が「さやかロボの武装強化としてオッパイミサイルを!」と弓教授に提唱するのだが、その時には既に同ミサイルが実装されていたというエピソードがあるので、やはり弓教授の仕業と思われる。

さらにパラレル作品「マジンサーガ」においては、さやかを「ほぼ全裸+神経接続用のコードとプラグがついているだけ」という凄い状況でロボットに搭乗させ、あまつさえそのプラグを乳首に付けるわ、自分であの部分に挿入させるわ(しかもその状況はモニタリングされている)とやりたい放題。
「マジンサーガ」限定ではあるが、「変態度ナンバーワン」の評価を不動のものとするなど、まあ流石兜十蔵博士のお弟子さんですねとしか言い様のない狂気を披露するのだった。
(「マジンサーガ」では、デュークが甲児に色目を使いまくった挙句にウホるなど、色々な意味で凄いシーンが多いのだが…)

関係ないけど、なんでかこの人だけ、「博士」じゃなくて常に「教授」と呼ばれるのが長年気になっている。何か事情があってドクター取得してないのだろうか?


posted by 大道寺零(管理人) at 21:53 | Comment(7) | TrackBack(1) | アニメ
この記事へのコメント
宇宙となるともうお手上げっす(笑)
個人的には棄児が類推適用されるんじゃないかなーと思うんですが、判例をつくるためにも、ぜひ正直に申し出てほしいものですねー。
宇門博士といえば、弓教授を、もうちょっとだけマッチョにした感じの人だった記憶があるです。ガウンとパイプが似合いそうな感じの(それでも普通の体格なんですが、弓教授自体が線が細いので・・・)

司馬博士といえば、ビッグシューターのコクピットの搭乗者の股間にあたる部分にわざわざモニターをつけた(受信だけでなく、おそらく間違いなく映像の送信も可能)快挙が忘れられません。
Posted by きたかZ at 2007年09月28日 22:27
>>きたかさん

こちらにもコメントありがとうございます。

>棄児の類推適用

戸籍法を流し読みしたんですが、棄児の規定として、「何歳まで」とは明記されてないんですね(まあ乳幼児ということなのでしょうけども)。しかしながら身分偽造をしなくてすむ方法のような気がします。

>判例

果たして家庭裁判所の手に負えるかどうか心配ではありますが…法律界に激震の走る判例になりそうですね。

>宇門博士

本当に見事に記憶がないんです。色々なキーワードで画像検索してもHITしませんし…だからといって困ることも何一つないのですが…
グレンダイザーが参戦している、スパロボでも博士は顔グラひとつ登場していないので、その辺も関係ありそうです。
マシンファーザーや弓教授と違って、乗り組むのが自分の子供ではない(ひかるは親友の娘ですし)ので、ムチャもできないのが地味さを演出しているのでしょうか。

>司馬博士といえば、ビッグシューターのコクピットの搭乗者の股間にあたる部分にわざわざモニターをつけた(受信だけでなく、おそらく間違いなく映像の送信も可能)快挙

実はそれ、私も本文に書こうと思ったんです。さすがです。
美和さんのあのミニフレアスカート自体セクハラですが、あの股間ジャストミートのモニター位置はあまりに露骨過ぎます。ビッグシューター搭乗が業務であるだけに、ある意味強制わいせつ行為にも思えます。遷次郎変態すぎです。
Posted by 大道寺零 at 2007年09月29日 00:27
確か徳間のロマンアルバムあったはずなんだが・・・
押入れがおもちゃで占拠されてて、とても探せませんですたorz
ライディーンしか出てこねぇや。
宇門博士気になるわ〜・・・
Posted by eng at 2007年09月29日 22:32
どちらかといえば外国でのほうが人気があったせいか、
Googleさんでも英語で画像検索すると結構出てきますよ。(「Dr Umon」とかですね)

http://www.grendizer.net/Dr_Umon.html
宇門博士だらけ……(^^

グレンダイザーってなんとなく常識人が多くてキャラが地味な印象が……。
いや、ビデオと再放送とかでしか見ていないのですが。
カラオケでもどちらかといえばUFOものならダイアポロンのほうが唄いますし
(※全く関係無い)
Posted by たろんなーど at 2007年09月30日 00:11
>>engさん

ロマンアルバム懐かしいなぁ〜。
マジンガーやゲッターに比べると、グレンは資料本や研究本自体極端に少ないんですよね〜。
たろんなーどさんが画像探してくださったので、是非ご覧になってスッキリしてくださいませ。

>>たろんなーどさん

あ〜〜〜りがとうございます!
そうか!海外人気といえばグレンを語る上で外せないものだと分かっていながら、各国でのキャラ名で探してみるという考えがスッポリ抜けておりました。
これでスッキリ眠れます。

肝心の宇門博士ですが、うーん、やっぱりあまりにも普通で、覚えてないのもしょうがないよ!と自分を甘やかしてみました。
容貌で言えば、
「剣造パパの襟足・もみ上げ部分をバッサリ散髪して、ヒゲも控えめにして傷跡を取った」
感じかなあと思います。顔の構造が基本的に一緒というか。

>グレンダイザーってなんとなく常識人が多くてキャラが地味な印象が……。

そうですね〜。今ストーリーレビューなどを見ると、記憶に残っている以上に「デュークの俺理論と身勝手さがすごい」話が多いようですが…
荒木・姫野の持ち味が前面に出たキャラや話だと「リファインされた線で美男美女が多い」印象なのですが、逆にキレイすぎて印象が残っていないのかな〜。
とにかく「マリアが可愛くてひかるが地味」だったなあと。
デュークは王子様でハンサムさんなんでしょうけど、ヘビの舌みたいな「割れ眉毛」が生理的にダメでした。

>カラオケではダイアポロン>グレン

確かに、「ヘッダー!」「トランギュー!」「レッガー!」の部分を担当してくれる聞き手がいるならダイアポロン楽しいですよね(EDはめっちゃ脱力ですが)。
「カラオケでグレンを歌う」となると、どうしてもOPよりED、そんで劇場版「宇宙円盤大戦争」の歌詞(「ガッタイガー、ゴー!」で)で歌いたくなる、というかオフ会のメンツ次第ではそっちのほうが盛り上がったりすることもしばしばです。
Posted by 大道寺零 at 2007年09月30日 01:08
うわ〜見たところで全然スッキリしねぇのが凄ぇ!
コレじゃスパロボにも出せないはずだわ。
Posted by eng at 2007年09月30日 18:16
>>engさん

ここ数年スパロボしてないんですが、グレンダイザーが登場する時って、あんまり前振りとかなく、地球上シナリオじゃなくて、「宇宙空間シナリオで援軍としていきなり出てくる」パターンが多かったように記憶してます。
牧場とかから話を始めちゃうと、宇門博士とか団兵衛さんの顔グラフィックとかセリフも必要になるので、そのへん容量節減してるのかなと勝手に考えたり…
Posted by 大道寺零 at 2007年10月01日 16:23
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