2007年10月08日

「ジャンゴ」へのクレーム日記

「鳥居で首つりやめて」映画に抗議 神社関係者「冒涜」 (asahi.com)

 製作委員会の1社で配給元のソニー・ピクチャーズエンタテインメントによると、問題になったのは、村の入り口にある鳥居にギャングに捕まえられた村長が首をつられている場面。

 公開前の7月下旬、テレビCMなどで放映していた予告編やポスター、チラシの表現をめぐり、神主など神社関係者から4件の抗議が電子メールで寄せられた。抗議は「不適切な表現」「神聖な鳥居への冒涜(ぼうとく)」といった趣旨だったという。

 全国約8万の神社でつくる神社本庁も、ソニーなど製作委に「誰もが安心して気持ちよくご覧になれる映画の方がよろしいのではないか」と申し入れた。同庁は朝日新聞の取材に「表現の自由も大事だが、関係者がどう受け取るかも考える必要があるのではないか」と話した。

 製作委は関係者に「不快感を与えたことは申し訳ない」と謝罪、広く一般の人が見る機会のある予告編、ポスター、チラシは作り直した。

 本編は「作品に興味を持った人が見るもので、作品全体を見れば、神社を冒涜するものではないと理解いただける」(同社広報)として改変せず公開した。


「ジャンゴ」のロケ撮影は地元(庄内映画村)で行われたので、周辺ではそこそこ早い時期から地元紙などに作品名が何度か登場していた。
TVの予告編を見る限りでは、ほとんど興味をそそられなかったので「そのうちTVでやったら見るか」「昔の鈴木清順あたりだったらメチャクチャ変なのを作って面白そうだけど、今こういう題材で見に行く人って数いるかなあ?」「日本を舞台に洋画アクションのテイストを取り入れるのは、既に何十年も前に通り過ぎた道では?」という程度の印象だった。
撮影地元でもあまり大きな話題にもなっていなかった中、「意外なところでニュース⇒話題ができて関係者はむしろ助かってるのでは?」と意地悪いことを思ったりも。

まあ神社本庁側としては、
「今後別の映像作品とかゲームで神社で好き勝手されるシーンが出てもアレなんで、一応後々のためにちょっと釘だけ刺しておくか」
という程度なんだと思うが。

先日、しりあがり寿の同映画コミカライズ本が出ていて、上巻を相方が購入した。ページ数と価格がどうみても釣り合わない(というか分冊にする意味がわからん)割高な一冊だったが、近年とかく彼岸のデプス世界に魂惹かれまくりなしりあがり寿が久しぶりに気楽なバカ漫画を描いているなあというノビノビ感だけはあった。
また、コミカライズ作品としてこれ以上なく画期的、というかハッキリ言ってしまえばめちゃくちゃ卑怯な手法を用いているのには、あまりに卑怯すぎて笑わされてしまった。帯に「あまりの似ていなさに出演者から非難轟々!」とあるのがその所以を物語っているが、桃井かおりはなんだか随分似ていると思う。浅野忠信ファンには酷かも。

そんなわけで前半の大まかなストーリーは大体分かったのだが、例の「鳥居で首吊り」シーンはそこそこインパクトがあって(普通の木などではこのインパクトはなかっただろうし、「日本要素」の盛り込みに成功している数少ない場面だと思う)ビジュアル的にまずまずだと感じた。

ニュースにもある通り、
「ギャングの平家一家が、宝の噂を聞きつけて平和な源氏の村に押し入り、村長を殺し恐怖と横暴で村を支配する」
という場面で、
「村人が神聖なものとして崇めている鳥居」に無辜の村長の遺骸を吊るすことで、平家の「横暴」や他者への「冒涜」をなんとも思わない「不適切」で非道な姿、恐怖による支配を象徴するもの。
つまり、
「鳥居は神聖不可侵で、地元の人間の心の拠所」
という認識を前提
として描かれているのだからこれはこれでアリなのだと思うがなあ。

とはいえ、製作側も、多数の目に触れるポスター等のアイテムに出すことで多少の面倒も付いてくるかも?とは考えなかったのか、あえて「面倒」で話題を作ろうと思ったのか。
特に新興の神道系宗教団体なんかは、ちょっとつつけば背後にいるヤクザ(今やクレームはヤクザの大切な収入源だ)やら右翼やら面倒臭い連中がすぐ出てきちゃうことが多いからねぇ…
「日本を舞台に西部劇やりました」というコンセプトを絵的に象徴するには適した場面だと思うけれども。


このクレームには直接関係ないのだけど、いつ見ても
"神社本庁"っていかにも国直轄の組織・公的機関っぽくて紛らわしい名前だよなあ」
と思う(事実ブログや掲示板などでも混同している意見がチラホラ)。
その点この元記事はちゃんと
全国約8万の神社でつくる神社本庁

と明記している部分が評価できる。

「庁」と付くので、パッと見には「宮内庁」「気象庁」のような公的機関のイメージを匂わせるのだが、あくまで

「(戦後国家と切り離された神道団体の統括・及び神祇院の業務引継ぎのため)伊勢神宮を本宗とし、日本の神社を包括する一宗教法人
(なので全神社がその傘下にあるわけではなく、単独の宗教法人となっている神社・別系統の神道系宗教法人に属している神社は神社本庁に属さない。
 有名どころでは靖国神社・日光東照宮・伏見稲荷、最近離脱した明治神宮など。)

でしかないんである(勿論、規模的には日本最大級の宗教法人)。
ものすごく乱暴なくくりをしてしまえば、「●●連絡協議会」とか「**協会」のすごく大規模なものとでも言おうか。
なので、あくまで「業界から釘刺しクレーム」なのであって、「一映画に国や公的機関が申し入れを行った」わけではない。
まあ普通間違えないとは思うが、一瞬混同しても仕方がない団体名であることは確かだ。

それにしても…映画の1シーンにはクレームを入れても、
「例えゲームでも、神職である巫女を陵辱するのはやめてください」
「例えイメクラでも、神職である巫女と同じ姿で*****や●●●を行なうのはやめてください」

という方向の啓蒙活動はしないんだろうか。
posted by 大道寺零(管理人) at 19:52 | Comment(5) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
まぁ当事者がクレーム言うのならば良いのです。
ちょっと正義の味方ずらしたアホがなんだかんだ言うよりは得心できますし。

神社というのは戦後も公社化しようとしたことがあるとか、元々は宗教色は薄い日本独特のもので、崇拝と言うより敬うという精神だそうです。
だからキリスト教だろうが仏教徒だろうが参拝できるとか。

外国映画だとキリスト教の尼も陵辱されていますね。
考えることは同じなんでしょう。
Posted by at 2007年10月09日 00:32
>>風さん

>まぁ当事者がクレーム言うのならば良いのです。

そうですね〜。今年夏の某神社の一件を思い出しますね〜。
まあ実は後半の「神社本庁って名前紛らわしいよね」と言いたいだけの記事だったりするのです。

記事の内容とは直接関係ないのですが一応補足させていただくと、「ジャンゴ」で使われた鳥居は、既存の神社の鳥居を使ったのではなく、撮影のために建設したセットです。この違いはけっこう大きいと思うので参考までに。

(参考:鳥居建設中の風景など
http://www.s-eigamura.jp/fan/gemba/ishikura.html

>元来の神社

神社の由来とか名前は歴史の中で色々後付けされたものが多く、古い神社ほど元を正せば素朴な自然信仰・氏神信仰のためのものだったりしますね。
例えば出雲大社にしても、ものすごくぶっちゃけた言い方をすると、そもそもは「出雲地方の太陽信仰祭祀場」だったわけですし。
私の地元にも、山・海・雷・水などをそのままストレートに神社名にしてあるところがけっこうあります。
神社の例祭行事に参加(神輿を担ぐなど)できるのは基本的に地元氏子に限られますが、鳥居をくぐったり参拝するのは誰でもウェルカムですね。実際には創価学会とか日蓮真宗などの信者は自分達側で設けたタブーにしたがって足を踏み入れなかったり、鳥居はくぐっても参拝行為はしなかったりするわけですが。

日本でも、昔のロマンポルノでは「尼僧」なジャンルがありましたね。今は巫女萌えに較べれば尼萌えはかなりマニアックでしょうけど、「神聖不可侵」「処女性・または性交が禁忌」な存在というのはいつになってもそそられるものがあるのでしょう。
Posted by 大道寺零 at 2007年10月09日 18:38
ビバ!巫女!
(・ω・)ノ
巫女凌辱は永遠に不滅です!

題材は巫女じゃないのに、その部分にだけ飛び付いて申し訳ないm(__)m
Posted by 雨野 夜 at 2007年10月10日 12:47
まぁ制服ものはいろいろと感慨深いものがありますな(笑
Posted by at 2007年10月10日 23:10
>>夜くん

だめだこいつ…早くなんとかしないと…(AA略)

というわけで、一応人のブログで「ビバ陵辱」とかコメント書かれてもけっこう反応に困るのでそのへん察してください。

>>風さん

って風さんまでそんな…w
男の人は制服好きの度合いが女性より高いように思います。というよりも女性の着る制服の種類が多いのかしら?
かく言う私は、「制服」ってんじゃないですけども、スーツと白衣がツボです。あと学ラン(絶滅危惧種)。白衣の中にスーツなんてのはもう最高ですね。軍服や警察の制服はカッコいいとは思いますけど萌えとはちょっと違う…って、誰からも望まれてない属性披露してどうするって話ですねハイ。すみません;
Posted by 大道寺零 at 2007年10月11日 09:46
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