2007年11月19日

貴様に食わせる魚はない食べ物

例えばサンマやアユのはらわたとか、サザエつぼ焼きの肝とか、いわゆる「大人な味覚」の部分について、「オイオイ残してるじゃないの、ダメだよ〜そこが一番美味しいんだから!ほら食べて食べて!」と強要する(世間的にいわゆる「オヤジ」なノリで)輩もウザいが、いい大人のクセに、好きじゃないなら好きじゃないで黙って残せばいいものを、「うわそんなん食べるんですかぁ、人間の食べる部分じゃないですよ〜うへぇ〜」と他人が食べるのまでも変な顔で騒ぐ奴も「死ねばいいよ」と思う。

11/17日に放映された「タモリ倶楽部」の企画「サンマ大漁記念!せっかくだからおいしくキレイに食べよう!!」にて、ゲストMCの勝田和宏(テレ朝アナウンサー)の言動があまりにお子様だったので最後には
「うっわぁ、ムカつくわ〜この男!」
と、声まで出してしまったのだった。
まあ番組的にはこの人のボンボン(調べてみたら勝田主計の曾孫なんだね…)っぷりが全部持っていった感じなのだけど。

内容としてはタイトルの通り、サンマの塩焼きを食べながら、日頃の食べ方などについてコメントし合ったり、作法の先生から正しい食べ方を教わるというものだった。

出演者タレント陣は「食べる部位や開き方などはどうあれ、ハラワタは当然美味しく食べるよ」派であるのに対し、勝田アナはハラワタが食えない。というか「食べるべき場所とは思えない」「気持ちが悪い」とあからさまに嫌な顔。
のみならず、背中の部分をちょっと食べただけで尾の方の半分以上には手をつけず。
理由は
「だってお尻のほうじゃないですか、やっぱなんだか汚い気がして…ねえ?」
おいおい「汚い食べ方」ってレベルじゃないぞ。
最後はもう本当にガキが嫌いなピーマンを食べさせられるような顔でハラワタに挑戦していたが…

この人は奥さんや子供もいるらしいのだが、自分がこの体たらくのクセに、「子供の食生活はどう躾けるんだ」とたずねられて、「いや、子供にはちゃんと全部食べるように言いますよ」と答えていたが、説得力があるはずがない。相当奥さんが苦労しないとおそらく子供も偏食が酷くなりそうだ。
というか日々食事を準備する側として、「こいつに魚料理は出したくない!というかこいつに食わせる魚はねぇ!」と痛烈に思い、「日々奥さんは大変な苦労をしてるんじゃあるまいか」と勝手な思いをはせるのだった。

いつもはあまり存在感を感じない山崎樹範だが、勝田アナを
「子供か!」
「正直、不幸になればいいと思った」

と斬って捨てる今回の言動は輝いていたよ。

味覚が発展途上な子供にとって、「正直美味さはまだわからないが、親や友達・教師(学校給食において)が美味しそうに食べる姿を見ていて、『これはそんなにうまいものなのか』と思い繰り返し食べたり手を出したりするうちに好きになったり食べられるようになったりする」という経験は少なくない。
今ではかなり魚好きな部類の私だが、小さい頃は骨の多いサンマは食べるのが面倒で、正直あまり美味しいとも思わなかった。
しかし父親(無類の魚好きで、サンマは頭から食う主義、もちろんワタを残すなんてとんでもない主義)が毎回サンマに大喜びして食べる姿を見ているうちに、だんだんと美味さに目覚め、ほどなくハラワタも喜んで食べるようになった。
また、私にとって外せない「サンマ宣教師」はやはり「ドカベン」に出てくる七輪で焼くサンマ、それを美味しそうに食べる山田家の人々、そして何より岩鬼の姿だ
岩鬼がいなかったら、今こんなに魚を食べたり料理するのが好きな人間にはなっていなかったかもしれない。ありがとう岩鬼正美さん。

こうしてみるとうちの相方は、好き嫌い一切なし(何しろ好き嫌いの少ない自分よりさらに好き嫌いのない人間に出会ったのは相方が初めてだった)、味覚が幅広く食への好奇心が強いのでどこの地域・国の料理でも先入観無しに受け入れるし、彼自身も料理が好きなのでちょっとした工夫に気づいてくれたり興味を持ってくれたりするので、とりわけ食生活方面では最高の伴侶に恵まれたのだな〜と感謝せずにはいられない。
難点は好奇心が強すぎて(特に臭いの強い発酵食品関係には目がない。シュールストレンミングは兄が入手したのを三人で開けてみて悶絶したことがある。勿論家ではなく林の中で。)、外で食べてくれるならいざ知らず家庭内にそれを持ち込もうとすることか。
私は一度実家時代に父がもらってきたクサヤを焼いたら家中すさまじいウ●コ的スメルに襲われて難儀した経験を思い出すだけで鼻の奥が痛くなる(好きな人には「クサヤがダメなのに魚好きを気取るとは片腹痛い」と言われるんだろうな;)のだが、食べたことのない相方は「家で焼いて食ってみたい!」とうるさい。
私は
「あなたが試したいなら止めはしないが、家で焼くのだけはやめてください。できれば外のお店で食べるか、どうしても自分で焼くというのなら人気のない海辺とか山の中で一人BBQしてください。というか家で焼いた日には、私はなんとか覚悟&我慢できてもお義母さんが悲鳴を上げると思うよ…」
と長年言い続けているのだが、あいにく周辺でクサヤを焼いて出す店もなく、新島や伊豆に遠征する機会もなく、いまだ相方はクサヤを口にする宿願をかなえられずにいる。
そして先日彼は言った。
「わかった、クサヤを取り寄せて家で焼くという夢は捨てるよ。外から買ってくるんじゃなく、自家製作すればいいんだろう。一から。漬け汁から。クサヤ汁はケガに効いたり、飲めば風邪がなおったりするらしいし一石二鳥じゃないか。

いや、そういうことじゃないんだ。


同日の「タモリ倶楽部」では、作法の先生が「作法的に正しい、美しい食べ方」を披露していたのだが、考えてみると、作法が云々されるようなちょっと改まった会食の場にサンマが出てくるというシチュエーションはまず皆無なのではないだろうか…

要点としては(サンマに限らず和食の魚の食べ方全体に言える原則らしいが)

・魚は基本的に腹側(手前側)⇒背側、頭⇒尾に向けて食べ進めていく。つまり最初に手をつけるのは腹の部分。
・上側の身を食べたら、魚をひっくり返してはいけない。尻尾の付け根辺りの骨を箸でつかんでポキンと折り、外す。
・取った骨は皿の奥のほうに置き、下の身を食べる。


カレイやヒラメの場合、エンガワの食べ方については「口の中に一度入れて食べ、骨は口元を手で覆いつつ出すしかない」とのこと。そこで勝田アナが
「エンガワって何ですか?」
とまたもボケをかましてオチだった。
posted by 大道寺零(管理人) at 10:23 | Comment(8) | TrackBack(0) | 食べ物
この記事へのコメント
ナンプラー作ろうとしてくさや作った人の末路>

http://portal.nifty.com/2006/07/12/c/

http://portal.nifty.com/2007/05/23/c/

だんなさんにヨロシク。
Posted by NAPORIN at 2007年11月19日 12:10
>>NAPORINさん

ひー。なんという危険な餌を!
アジ釣りシーズンで結果が良かったときにはアジの内臓は沢山出て容易に入手できるので、色々な意味で危険極まりないです。

というか、これ、梅酒ガラスビンで作ったようですけども、よくぞ発酵ガスの影響で割れたり、開封時に噴出したりしなかったもんだと、そっちのほうに感心してしまいました。1年程度なら大丈夫ってことか…
Posted by 大道寺零 at 2007年11月19日 15:31
くさやの匂いは職場の近くにある秋田屋という立ち飲み屋から時々ものすごい匂いが漂っています。
近くの駅に旅客から臭いと苦情が来るそうですが、そんなの駅に言われてもねぇと困り顔。

くさやの付け汁って何かが濃くて雑菌が存在できないほどだとか聞いたことがあります。

ここが一番旨いだとかは確かに言う人が居ますね。
私の場合魚は嫌いなわけではないのですが骨があるのっでめんどくさくて煮てしまいます。
梅干しと一緒に煮れば骨まで食えますしね。


Posted by at 2007年11月19日 19:50
某所のHPでクサヤの漬け汁でカップめんを作って食べた方と言うのを思い出しました(笑)

>秋刀魚のハラワタ
私は秋刀魚自体は好きなんですがハラワタ苦手なんです。
友人で凄い好きな方がいるので一緒に食べている時は友人がよこしなさいと・・・甘味を前にした藤やんみたいに来てくれますが(笑)

幾ら苦手でも・・・人が好きだと言ってる物を面と向かって言うのはNGですよね。
自分がされたら嫌だと思いますし、されて嫌な事はしないって言うのは普通だと思います。
Posted by 百式・J・テスタロッサ at 2007年11月20日 00:23
>>風さん

くさやは臭いがアレなので最近では出す店も少なくなったと聞きますが、根性の入った店もあるんですねえ。確かにソレは駅に言われても困ってしまいますね。やはりサリン事件以来、駅での異臭には敏感な人が増えたのでしょうけども、あれは敏感とかどうとかいう問題でもないレベルですからな…
くさや汁は抗菌作用がハンパないのは科学的に事実らしいですね。

>煮魚に梅干

柔らかくなって生臭さも消えますし、特に青魚系にはいいですね。
最近は梅酒の梅を一緒に煮たりしてます。特にサバなどには合うようです。

>>百式さん

>クサヤの漬け汁でカップメン

懐かしいな〜、KOI2さんですね!
久々に検索してカップメン100の記事を読み返しましたが、クサヤ編の「(食い物とは呼べないもので色々試してきたが)食い物であるにもかかわらず最強の破壊力」という記述は何度読んでも秀逸です。ジークジオン。

>ハラワタ

ああいうものは好みが強く出ますし、実際苦味もありますから、ダメな方はダメで何も言わずに残せば無問題だと思います。

>一緒に食べている時は友人がよこしなさいと・・・甘味を前にした藤やんみたいに来てくれますが(笑)

実家の父がそうでしたw「何だぁもう食べないのか、じゃあ俺食うぞ」と。時には何も言わないで勝手に箸を出すこともあってケンカになったりとか。大事そうに中骨やらはらわたをすするように食べる姿が「虫かなんかみたい」と感じ、嫌悪感を持っていた時期もありました。

まあ好きな人も嫌いな人も、必要以上に他人の食べ方に干渉したり貶したりしなければそれでいいわけで、それが普通の大人なんでしょうけど実際にはなぜかできない人がどこにでもいるんですよねえ…
Posted by 大道寺零 at 2007年11月20日 09:27
国電有楽町駅前にある「むらからまちから館」に、焼いたくさやを細かくして瓶詰めにした物が売られていましたよ。
これだと焼いてまわりに匂いを振りまかなくて済むのでは?
Posted by at 2007年11月20日 21:23
>「だってお尻のほうじゃないですか、やっぱなんだか汚い気がして…ねえ?」

珍しいというか、頭のいい人は考えることが違う?(苦笑)
この人はきっとサザエとか貝類も食べないんだろうな…
素直に「私は魚が嫌いです。食べられません。」と言えばいいのに。

魚を半分ずつ食べるとき、相方も義父も「身がたくさんあるから」といっていつも尾の方を取ります。頭の方が身がしまっておいしいとも聞くので、私はどちらがいいのかわかりません。(^^;
うちは二人とも魚が好きで、サンマもできるだけきれいに食べるようにはしていますが、いつも火が通っているかどうか自信がなくて、はらわたは残してしまいます。

そういえば、はじめて相方の実家に行ったときに煮魚(小さい丸物)を出されました。
好き嫌いも聞かれたので、なにか試されていたのかもしれません。
Posted by ぺんぎん at 2007年11月21日 08:52
>>風さん

>焼いたくさやを細かくして瓶詰めにした物

おお、それは初心者向けだし携帯にも耐えそうですね(くさやファンからは邪道と言われそうですが…)!
情報ありがとうございます。

>>ぺんぎんさん

>魚の尾と腹

例えば鮭・マスやニシンなど大きい魚を切って焼くときだと、私も尾のほうが身がぎゅっとしていて味が濃くて好きなのです。でも腹回りには卵や白子などの楽しみもありますし、脂が乗ってくるととろっとした食感も楽しいので迷うところですね〜。
私の経験のみで言うと、尾っぽ好きの人はやはりコアなお魚好きのように思います。

>サンマのハラワタ

わりとよく寄生虫(焼いた後なら害はありません)もいますし、まあお好みですよね〜。白くてフワフワした脂の部分は問題ないと思います。
Posted by 大道寺零 at 2007年11月21日 20:02
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