2007年11月30日

仰角一直線日記

私的録音録画小委員会:「ダウンロード違法化」に反対意見集まるが…… 埋まらぬ「権利者」vs.「ユーザー」の溝 (1/3) -(ITmedia News)

パブリックコメントに多くのユーザーが参加して注目されている一件だが、この記事を読む限り、「権利者側」は折り合う姿勢を見せるどころかむしろ強硬に「タカリ強化」「ユーザー泥棒論」を発展させようという闘志まんまんに見える。

「両者平行線」というよりは、一方が勝手にグングンとどこまでも斜め上を目指して爆走している状態というべきか…



 「私的複製による経済的不利益はそもそも存在するのか」という根本的な部分について議論が尽くされていないという意見も、ユーザーやメーカー側などから多数出ている。個人からのパブリックコメントで「私的複製は利用者に与えられた権利。権利者が対価を要求することが間違っている」「タイムシフトやプレイスシフトのための複製では損失は出ないはず」「経済的不利益の面ばかり強調するが、私的複製が強力な宣伝にもなり得るのでは」――といった意見が多く寄せられた。

 これに対して実演家著作権隣接センターの椎名和夫委員は「議論が尽くされていないというなら小委員会での1年半は何だったのか」と息巻く。「私的複製が経済的不利益に直接結びつく部分もあれば、そうでない部分もある。『権利者に不利益を及ぼさない複製だけが出来る媒体』というのは存在しない。複製は混然と行われ、損害には濃淡がある。経済的不利益につながらない複製があるからといって、補償金制度を直接否定する理由にはならない」(椎名委員)

 主婦連合会の河村真紀子委員は真っ向から反論する。「私的複製ができなければ、CDをもう1枚買っていた、というのであればそれは損害だろうが、 2枚目を買わないなら損害にはならないはず。『実害がないケースもある』と認めながら、その次には『損害には濃淡がある』とし、『現在の複製は、受忍限度を超えている』などを主張するのは論理の飛躍。消費者として納得できない」

 JEITAの亀井正博委員は「例えばiPodがなかったとして、どれだけの人が改めてCDを購入するか、という議論がない限り補償金制度は制度論として意味がなく、事実の説得もできないのでは」と指摘する。

 一橋大学教授の土肥一史委員も「CDを複製する100人がいたとして、私的複製できなかった場合は全員が2枚目を買う――という前提なのかどうか」などと疑問を呈したが、議長を務める東京大学教授の中山信弘主査が「1992年の制度導入の際に議論されていた内容だ。そもそも論を始めると収集が付かなくなる。それをどう変えていくべきか議論してほしい」ととりなした。

 「コピーできる便益を、権利者に還元せよ」――レコード協会専務理事の生野秀年委員は主張する。「2枚売れるCDが1枚しか売れなかったというのは明らかな損害だが、CDのセールスに変化がなかったなら、それでいいのか。消費者はコピーすることによって便益を被っている。享受した便益を権利者に還元する――という考え方があっていいのでは




 日本音楽作家団体協議会の小六禮次郎委員は、文化論から切り込む。「利用者にはもう少し寛容になってもらえないか。記録媒体を複数持ってる利用者でも、課金される額は年間100〜300円程度だろう。その程度の金額で自由な複製が認められるなら、それほど大きな『利用者にとっての不利益』なのだろうか。わずかな補償金が日本文化を支える柱になる、例えば税金のようなもの――と考えてもらえないだろうか

 河村委員は反論する。「税金と言うのなら、税で徴収すべきだ。10円であろうと、消費者にとって何の得にもならないような金額であろうと、消費者団体としては不当なものには反対する。一部の職業のために不公平感を許容せよ、と言いながら、数十億円が特定の団体に入るのは不公平だ

 日本記録メディア工業会著作権委員会の井田倫明委員は「補償金の問題は不利益をどう補償するかという問題であり、文化の振興論とは異なる。制度論に入る前に詰めることがたくさんあるのでは」と議論不足を指摘すると、椎名委員は「ではどういった説得を行えば、議論してもらえるのか」といらだつ。「複製が手軽になり、権利者サイドから見ると経済的不利益が拡大しているように見える。そうでないと言うなら、われわれを説得してほしい




補償金の適用範囲を広げるべきだという意見も、権利者から多く挙がった。日本映画製作者連盟は「Blu-ray Disc、HD DVDも直ちに課金対象とすべき」と主張。経団連やACCS、コンピュータエンターテインメント協会などは「録音・録画」に限って議論されてきた今回の問題について「適用範囲を他の分野にも広げるべき」と主張する。

 ACCSは「コンピュータソフトは違法ダウンロードから大きな損害を受けている」とし、ソフトウェアの違法ダウンロードを、日本ケーブルテレビ連盟は「有料放送のスクランブルを解除する機器を経由して放送を見る行為」を、それぞれ違法にするよう主張。経団連も「違法録画録音物や違法サイト以外の著作権侵害品への対象拡大について検討する必要がある」としている。


今以上の規制やテラ銭強化を鼻息荒く訴えながら、一方では「ユーザーにはもっと寛容になってもらえないか」だそーですよ。やれやれ。
posted by 大道寺零(管理人) at 00:31 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
金取るのは良いんですよ、それが作曲者なり作詞者なり権利者の利益となればね。
ところが権利を守ると言いながら使わせない、使わせる方策を考えない。
使ったらとことん追いつめる。
権利者も管理団体に自分が著作者であり使われたことを証明してやっと雀の涙ほどが支払われるという。

MIDIの時みたいに規制しすぎると文化が衰退しますよ。
あのときに俄作曲家がどんどん生まれて言い傾向だったのですが、耳コピーを規制しちゃった物だから文化が衰退してしまった。
これから同人誌なども原作者などの権利を守るために渋谷の某団体が規制に動くという。
日本は民衆を力で押さえることしか考えつかないのかと思う。
曖昧な物を造りそこを旨くコントロールしないと駄目だと思うのですが・・・。

文化を守るために権利者にお金が行くならばHDDに金乗せようが何しようがかまわないが、今みたいに不透明なだけなまま行くともっと○星が太るだけみたいな気がしますよ。
Posted by at 2007年11月30日 18:34
>>風さん

ですねぇ、正当な権利者に正当な割合の報酬が入るのであれば(本来は現在のシステム下でも、著作権料はそうなるはずなんですが結局は某著作権893がかすめているだけですし…)、割合にもよりますが基本的には納得できるんですよ。ただ今に至るまでそれができていないわけで。

HDD課金に対しては、「PCで動画や音楽を視聴しないユーザーもいる」「職場用などのPCでは、仕事用のソフトやデータを扱うだけのもの」が少なくない現状を思うと、やはり汎用のものに問答無用でかけるのは反対です。
「TVあるならNHKの受信料払え」のような理論で「プレイヤーやブラウザがインストールされているなら課金払え」という理屈もありそうですが、例えばIEやWMPなどはOSの一部としてバンドルされているわけで、切り離したOSも選択肢に入るならまだしも実際はそうではないわけで…
住居に入る場合にTVを持ち込むか選択できるのとはまた別の話だと思うんですよね。

>>MIDI文化

あれは本当に、今から花開こうとしたときにいきなり除草剤ぶっかけられたような不憫さがありました。優れたオリジナル曲を作る方もたくさんいらしたんですがねぇ…
実にあれよあれよという間に廃れてしまって驚いた記憶はまだ新しいです。

権利者の界隈も構造を一新して、JASRACに代わる「本当に権利者に著作権の正当な代価を分配するための」フェアな機構が生まれればと思うのですが、今のままでゴネることだけエスカレートされてもなぁ…
Posted by 大道寺零 at 2007年12月01日 03:41
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