さらに「暗殺鬼フラン衆伝 ユーラシア1274」も同時に貸していただいた。
食後のお楽しみに取っておき、夕食を終えるもそこそこにガツガツと読みきった。
なんという予想以上の面白さ。
久々に「早く次のページが読みたいけれど、ページをめくってしまうのが勿体無い」ような至高のドライブ感に酔いしれた最高の時間だった。
「雀鬼-2025」(大都社・1986年刊)は、石川賢が男性向け…というか身もフタもなく言ってしまえば「ややオヤジ向け」な雑誌群に執筆した短編作品を集めた単行本である。
現在絶版中でなかなかに入手困難、古本市場でもかなりプレミアがついているが、ファンの間では傑作との評価が高い。
いつか復刊してくれないかと心待ちにしていたのだが、今回貸してくださるというカゼさんのご好意に甘えて貸していただいた。
収録作品は次の通り。
・「バトルウルフ 雀鬼-1999」(近代麻雀オリジナル 1985)
・「雀鬼-2025」(近代麻雀オリジナル 1984)
・「ジャンキック」(別冊近代麻雀 1982)
・「昭和極道打ち」(麻雀ゴラク 1985)
・「仁義なきコンペ」(ビッグゴルフコミック 1985)
・「怪物伝」(週刊サンケイ別冊BBC 1985)
特にツボった作品はあとで個別レビューするかも。
6編中4編が麻雀漫画雑誌掲載作品だが、はっきり言って麻雀を知らなくても作品を読む上でのハンディには全然ならない。
だって表紙にしてからが

主人公の後ろに申し訳程度に描いてある「中」の牌を取り除けば、いつもの賢ちゃん漫画と全く代わらぬ世界・そしてテンションだもの。
表題作・「バトルウルフ 雀鬼-1999」は、精鋭の傭兵「バトルウルフ」の一員として戦場を駆け抜けたハードな経歴の主人公が、内戦中のベトナムでの邦人救出を依頼されて戦地に赴くが、色々な陰謀が裏にあって、なぜか「麻雀ロシアンルーレット」に巻き込まれたりなんだりする漫画。
バイオレンス・テンション・復讐・そして小粋なラストと4拍子も5拍子も揃った名作である。
この勝負で登場する麻雀は中国式(役の大小よりも、安い役であってもいかに上がるかが重要)なこともあって、闘牌云々はほとんど問題ではないし、事実本当に付け足し程度なので、麻雀を知らない人でも超安心。
ちなみに「雀鬼」と言っても、20年間無敗の男・桜井章一とは何の関係もない。ここテスト(何の)に出ますよ。桜井さんは30秒でトーチカ1個ぶっつぶしたりはしないはず(多分)。
でも、Vシネで桜井章一を演じた清水健太郎の30代あたりだったら、愁さんのイメージには割と近かったかもしれない?
私の中でここ数年「スゴ漫画麻雀部門」TOPだった小池一夫の「花引き」と同位タイ、「麻雀関係ないだろ」度では遥か上空を行く作品としてランクインした。
どうでもいいけど、1巻出てからもう3年近く経つのに「花引き」の2巻出ないな〜。これは金輪際出ないパターンか。
収録作品はすべて1980年代前半。80年代のつけペン期の石川絵が最高に好きな私としてはビジュアル的にも嬉しい作品集だ。
とにかくこの本がいまだ復刻されてないのは漫画界における大きな損失と実感。大都社に限定せず、双葉社でもリイド社でもいいから復刻してくれんかなぁ…
この荷物を送っていただいた伝票に、カゼさんが書き入れた「品名」は「書物」だった。
「書物」…「しょもつ」…
そうか!三国志的に言って、「30代後半にもなってバカすぎる大道寺の知力パラメータを上げてやろう」という優しいカゼさんの女心の表れだったんだねハニー!ありがとうございます!放火されても消火できる程度まではがんばる!もじぴったんとかで!
(注:光栄のゲーム「三国志」シリーズでは、知力パラメータの低い配下武将(例:張飛や呂布など)に対して、「しょもつ」を与えることで少しずつパラメータを上げることができる。)
「雀鬼」でググっても、桜井章一しか出ませんが。そりゃそうだ。
賢先生がロットリングになったのって、どの作品からでしょうねー。
ちなみに品名「書物」は「書籍」と書こうとして、「籍」が思い出せず、「まあ、「書物」でも間違ってないよな…」と書いたなんて事はヒミツです。
いや本当にありがとうございました!このクオリティと石川イズムはマジで凄いですね!
>「雀鬼」でググっても、桜井章一しか出ませんが。
桜井章一が「雀鬼」として漫画などで取り上げられ始めたのはいつだったかな…微妙にバトルウルフが執筆された1982年より後のような気も…
むしろその頃は「雀鬼」といえば阿佐田哲也のイメージが強かったかもしれないですね。
>賢先生がロットリング
今「號」の後半あたりを手にとって見てるんですが、この頃だと併用している感じ?(引きの絵とかメカ類は結構ロットリングっぽいかも)がします。
「魔空八犬伝」の中盤はかなりロットリングメインのように見えます。誰か検証してくれないですかね〜。
>「書籍」と書こうとして、「籍」が思い出せず
フフ、そんなら俺と「籍」入れればもう忘れないぜ。
とかね、私が男だったらそんなベタな言葉で口説きにかかっていたと思います。むねん。