例えばOPで、神代課長の後ろを滑走する全日空の昔のマークの付いたトライスリーとか、セドリックやスカイラインといった当時の日産車だったり、また劇中に沿線の風景や電車の車内シーンがけっこう登場するので、鉄道マニア(特に旧国鉄)の人にもたまらないかもしれない。
そんな楽しみ方の一つに、特命刑事のファッションチェックというのもある。
特命課のメンバーの服装は基本的にスーツ、それも当時の勤め人が着ていたような別に奇をてらわない、公務員らしいスーツである(捜査に出る桜井さんはよく皮ジャンを着ていたが)。
それでも初期の回を見ると、昔のワイシャツの襟の高さとか、ネクタイの幅がめちゃくちゃ広いのに驚いたりするものだ(しかし確かに記憶の中の当時の父親も同じような襟やシルエットのスーツを着ていたと思い出すのだ)。
婦人服に較べれば遥かに流行に左右されにくいイメージのある紳士服だが、それでも10年スパンで見てみると「どえらい変わりようだなぁ」と感嘆せずにはいられない。
それに関して一番違いを感じたのがベスト。
割と後期の回でも、特命刑事や作品に登場する普通のサラリーマンの普通の通勤着としてのスーツが、ほとんどちゃんと共布の三つ揃いなのだ。
先日相方のスーツを買いに行ってつくづく思ったのだが、売り場には既製品の三つ揃いスーツはほとんどない(せいぜいセミフォーマルとしてのダークスーツのコーナーにあるかないかくらい)。オーダー以外ではほぼ絶滅危惧種と言っていいくらいだ。
考えてみれば、相方の持ってるスーツでも三つ揃いは1組だけ、それも結婚当時結納返しで贈ったものだったから10年近く前の話になる。
オフィスや街中でも、スリーピース着用のビジネスマンの姿はめっきり見なくなった。
今やスリーピースのイメージは
・かしこまった場
とか
・お偉いさんやお大尽のオーダースーツ
というものになって久しいようだ。
私はもともと「シャツ+ベスト+スラックス」というスタイルとシルエットがなんともいえぬ格好よさで好きなせいもあるのだろうが、たまにジャケットを脱いでベスト姿になった特命刑事たちは実にステキだ。
特に、このスタイルとガンホルスターの相性はもう理屈ぬきに最高で色っぽいと思うのだが誰か賛同者いませんか(突然呼びかけてみる)。
特に襟付きベストなんてのはもう大好物でしてねえ、ええもう。
で、特命刑事だけでなく、「うだつのあがらないヒラサラリーマン」であってもみんな三つ揃いだったりするわけなんですな。ちょっとそこにビックリした次第。
昔はスリーピースが当たり前だったし、さほど金持ちでなくても背広をオーダーすることも多かったので、画面に登場する勤め人が「普通に三つ揃い」なのだろうなあ。
ちょっと調べたところ、本職のテーラーさんのサイトで、「なぜ最近の既製服に三つ揃いがほとんどないのか」を説明しているページがあった。なかなか面白かったのでご紹介。
「お客さまいらっしゃ〜い」コーナー(大阪編):三つ揃いにも一工夫(オーダースーツのヨシムラ)
・ベスト分のコストを価格に上乗せ出来ない
>>>仮にスーツで50,000円の場合、ベスト付で53,000円には設定しにくいのが今の販売状況です。
・ベストの生産工場が少ない
>>>既製品は上着とパンツを別々の工場で作りますので、更にベストのような季節アイテムにはおいそれと生産体制の対応が出来にくいのです。
・ベスト付は販売に手間が掛かる
>>>上着とパンツがピッタリでも、ベストが合わないというケースが結構多いため、(特にお腹がせり出し気味の方)機会ロスとなる場合がある。(結果接客にも時間が掛かります)
・ベスト付のスーツは欲しいが、若い人達にとっては偉そうに見られるのではとの懸念も�。�。�。
>>>よってトレンドとして仕掛けずらい。
・ベスト付きという理由だけで売れない場合が出てくる。
>>>せっかく色や柄や価格が気に入ってもベスト付きは要らないというお客に対して対応に手間を取られる。
・ベスト分の値引き(?)
>>>↑のような場合、時として出てくるのが『ベストは要らないからその分値引きしてくれ』と言うお客のご要望。
結局売りたいがため値引きしてベストだけがバックヤードに山積みとの結果に。
・トレンドが過ぎ去った場合の対応
>>>結局はベストを抜いて販売するハメに。
なるほどなあ。
ベストというアイテム自体、好き嫌いの大きく出るものだけに納得。
それにしてもリンク先ページの下の方にある三つ揃いスーツの完成品、さすがオーダー品、めちゃくちゃカッコよくて惚れ惚れしてしまう。ツボにストライクな襟付きベストだし…
生地もうるさくない杉綾で上品でイイなあ…
杉綾といえば神恭一郎を思い出すのは私だけだろうか…
そもそもスーツの起源を辿ると、
・シャツ+パンツ+ベスト
こそが基本形であって、ジャケットは気候や場所に応じてその上に羽織った(フロックコートのような)丈の長いオーバー的な上着が、時代を追って丈が縮まったものなのだとか。
本来オプションであったジャケットが現在は基本要素になり、必須アイテムだったはずのベストが趣味的存在に置き換わってちょうど交代してしまったというのも面白い話だなあと。
個人的には、何かのきっかけで再びスリーピースやベストが流行して、町中やオフィスでナイスなベストメンの姿が拝めるようになったら眼福なのに…と妄想してみるのだった。
10代の頃はベストだけで講習受けたりとか良くしてたなぁ。。。
最近はスーツとは縁遠い仕事なので袖通していませんが…
良く出てくるのが板橋あたりの道路、ここは上に高速道路が出来てドラマで出てくる風景が凄く懐かしい。
赤羽駅は土盛り道床だった頃の懐かしい映像。
しかも赤羽駅を蒲田駅として使っていた話もあったように記憶する。
昔はどのドラマ見ても結構良い物着ていましたよね。
西部警察もイトーヨーカドーだったとか。
>ダブルのスーツも絶滅危惧種ですな
そうなんですよ〜。今やフォーマルの一部くらいで…
先日3点買った相方のスーツのうち実は1着がダブルなんですけど、本当に既製服コーナーにあっては「珍しい〜」と思ってしまいました。
大人の男性のダブル姿も、またシングルとは違った味わいでよいものなんですけど、スーツ業界も本当に右倣えなんですよね〜…
>>風さん
>特捜ロケ地
私は田舎育ちなので良く分かりませんが、東京住まい・あるいは以前東京に住んでいた人には風景の比較だけでも楽しいんでしょうね〜。
他には新宿とかもよく使われてる印象があります。
今見て驚くのは、真昼間の、一般人がめちゃくちゃいる時間帯の繁華街で平気でアクションロケしてたりするんですよねー。それがまた臨場感があってよいのですが。法律的な縛りも今とは違っていたからなのでしょうか。
1話なんか見ると、東京のビルの少なさ、けっこうまだ土が見えてる風景に驚きます。
>昔はどのドラマ見ても結構良い物着ていましたよね。
そうですね〜。DCブランド系というよりは紳士服メーカーが衣装協力してましたね。
特命課の刑事たちが着ているスーツはどれもキャラクターや年代に合っていて、柄とか光沢はさすがに当時の流行のものですが、きちんと作られたスーツというイメージが強いです。
机で仕事してたら、
「たよりがいのある背中にみえる」といわれましたが
それをいったのはめずらしく七三わけ、カフス牡丹着用の当時30代後半でした。
マニア受けしてしまった。
オフィス着としてのベストは、男性向けで絶滅危惧種になったけれど、大企業などの女性制服として残っているという感じですよね。
そして女性向けのベストで、裏側が無地化繊になっている商品は珍しくて、何だか男前でかっこいい気がするので、その七三さんの評もなんだかわかるような気がします。
今思い返すと旦那に惚れたのは三つ揃え(青と濃紺のヘリンボーン)スーツマジックだったのかも。
それまでは身近なスーツ姿と言えば教師で、ジャケットにスラックスまたはジャージという変な組み合わせしか見ていないので、そのギャップにやられてしまったのか結婚を決めた時には友人達に「何で?」と言われてしまうほど好みと正反対ですからねぇ・・・・。
そんな旦那も工場勤務になり普段は作業着。
たまにはスーツを着ますが客先に謝りに行くことが前提なので三つ揃えはおろか貫禄が出てしまうダブルなんて着せられやしません。
てかクール&ウォームビズとかで訪問者にもスーツを禁止してくる会社があるんですよ。
楽しみを奪われてつまらないです。
おお、うちのBLOGには珍しいおのろけコメントありがとうございます!むしろもっとのろけちゃってください!
かく言う私も、来年で結婚10年目なのに未だに出勤時と帰宅時の相方のスーツ姿にいちいち萌えるボンクラ野郎なのであります。
教師というと、授業中もジャージというようなイメージもあると思うんですが、高校では大抵ジャージなのは体育教師くらいかなあ。全体にでかさない服装のイメージがあるのは、どうしても「チョークの粉をひっかぶる」のが仕事のために、高い服やいいスーツを着てもすぐに傷んでしまうというのもあるかもしれません…
また、近年主流のピチッとした腕周りのスーツだと、どうしても板所しづらいんですよね〜。
同様の理由で、理科や養護教諭以外でも白衣を愛用する教師もチラホラおりまする。
なるほど、営業などの用途では、貫禄や「上から目線」を感じさせるスーツは適さないこともあるわけですね。
それにしても、訪問者にまでスーツ禁止とは…確かにつまらないですねえ…クールはともかく、けっこう暖かいと思うんですけども。