2007年12月30日

今年最後の地デジ関連地デジに疑問符

アナログTVで地デジ視聴可能、簡易チューナーの指針発表(読売新聞) (goo ニュース)

 総務省と、テレビ各社などで作る「デジタル放送推進協会」は、2011年7月に地上放送が完全デジタル化された後も、アナログテレビで地上デジタル放送を受信できるようにする簡易チューナー製品の指針を発表した。

 価格は5000円以下を想定している。総務省は、指針を基に製品を作り、09年度中に発売するよう家電メーカーに呼びかける方針だ。

 簡易チューナーをテレビにつなげば、アナログテレビで地デジ放送が見られるようにする。ただ、ハイビジョン映像やデータ放送は受信できず、画質は現行のアナログと同等の標準画質となる。


「5000円程度でチューナーを買えるようにする」という話は以前から出ていたが、その具体案が示された形。
簡易チューナー購入希望者の多くはアナログテレビを所持している(=どちらにせよハイビジョンをハイビジョンとして見ることは出来ない)と思われるので、画質についてはさほど問題はないと思われる(そこにこだわるユーザーはハイビジョンテレビを買うだろうし、例えばキッチンや普段あまり使わない部屋での「見れればいい」という程度のニーズもあるだろう)。
この記事の記述だと「ハイビジョン映像やデータ放送は受信できず」とあるので、「ハイビジョン番組自体が視聴不可能なのか?」とも読めてしまうが、「画質は落ちるが見れる」ということらしい。

ただ、必ずしも楽観視できる話ではない。
MSNサンケイの同ニュースより。

総務省、簡易デジタルチューナー仕様公開(MSN産経ニュース)

ハイビジョン放送の画面全体がアナログテレビでも映る機能や、文字放送機能、受信ソフトのアップデート機能などを搭載するよう要請している。UHFアンテナとテレビの間にチューナーを接続して利用するが、画質はアナログテレビ並みにとどまる。


とあり、視聴自体はできることがわかりやすい記事となっている。
ただし消費者として不安なのは同記事の最後。

 ただ、家電業界ではコスト面から簡易チューナー開発は困難との見方もあり、総務省の思惑通りに各社が足並みをそろえるかは不透明だ。


これは、諸悪の根源B-CASカードの原価がどうしたって2000円することを考えれば納得できる。
「チューナーのほかにカードを2000円で買わせる=強いられる投資はTV1台につき実質7000円」という話にでもならなければ、家電メーカーは「5000-2000=3000円」での開発を強いられるのだから、いつ座礁してもおかしくない話なのだ。メーカー側にしてみれば「アンタ達は言うだけだからいいだろうけど」というところだろう。
しかも普及は「2年後までを目途」とあるので、来年のオリンピックイヤー(最近はそうでもないが、TV・録画機特需が起こりやすいとされている)を前にしてみすみす買い控えを招くことになるかも?
視聴者は誰も望んでいないB-CASカードによる規制(こんな酷い規制をかけているのは何度も書いている通り世界で日本だけ)が万事の足を引っ張っている。


14年度までBSで番組提供/地デジ難視聴対策で総務省/Web東奥・ニュース/20071218

 情報通信審議会(総務相の諮問機関)の専門委員会が18日開かれ、地上アナログ放送が終了しデジタル放送に完全移行する2011年7月時点でテレビが視聴できなくなる世帯向けの難視聴対策実施案を公表した。

 09年度から14年度までは緊急避難的な措置として、放送衛星(BS)を活用して難視聴世帯にNHKと在京キー局5局の番組を放送。その間、放送各局は地デジ世帯カバー率100%達成に向けて中継局のデジタル化に努力する方針を盛り込んだ。

 実施案によると、BSで提供される地デジ番組は、アナログ放送と同じ標準画質で放送され、データ放送は利用できない。また、現在、アナログ放送を視聴できない世帯も対象とするかどうかについては検討課題とした。

 さらに生活保護世帯など低所得者向けに、安価な簡易チューナーを配布するか現金やクーポンを配布するかといった支援策についても今後、詰める。
(共同通信社)


こちらも、「難視聴地域はしばらくBSでなんとかする」という案自体はけっこう前から出ていた。
一見よさげな解決策のようだが、衛星放送の雨や雪に対する弱さ、難視聴地域(特に山間地)は雪などの影響を受けやすいことを考えると「ないよりはマシ」というレベルではないかと思える。
またその補完対策を享受するのも単純な話ではないようで、

衛星によるセーフティネットに関する検討結果について(注:リンク先はPDF)
(地上デジタル放送推進に関する検討委員会 第33回資料)

○地形等の理由により直接デジタル電波が届かない世帯又は
デジタル混信により視聴が困難となっている世帯のうち、
共聴施設等の手段を用いてもデジタル放送が受信できない世帯

○アナログ放送も視聴できない世帯の取扱いについては、今後、検討を行う。
(独立U局のみ未カバーあるいは視聴困難の世帯は含まない。)

○NHKは、総合(東京)・教育の番組

○民放は、各地方局の系列キー局の番組


○対象世帯となり得る地域については、地域協議会において検討を行い、
地区名をリスト化する(「ホワイトリスト」)。実施主体は、このホワイトリストを公表し、
セーフティネット利用者からの申請を受け付ける。

○対象世帯で視聴可能な番組は、上記7つの放送局のうち、
当該世帯で受信できない放送に対応する放送局の放送とす
る。ただし、受信できない放送局が、複数の「キー局」の番組を受けて
編成している放送局(クロスネット局)の場合には当該「キー局」の全ての放送局とする。
なお、民間放送局が1である徳島県及び佐賀県については、実態を踏まえて、
今後、検討を行う。


地デジ関連では色々動きがあった(しかし有効な手段は何もなかった)今年だが、ともあれ、メインで使っているTVや録画機が元気で過ごすことが出来てよかった…仕様すら定まらない現状ではなるべく買い替えをしたくない…
どうか来年も元気でお願いしますよ…ナムナム…
posted by 大道寺零(管理人) at 11:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 地デジに疑問符
この記事へのコメント
うちの地域は横浜なのに東京側が山という場所であり、しかも強電界であるため昭和40年代から共同アンテナでやっています。
だからテレビを見るのに何の不自由もないのですが、臨検のスピルオーバーしてくるローカル番組が見たかったのでUHFのアンテナを増設して千葉テレビだとか東京MXだとかテレビ埼玉なんとかも見ています。
まぁ地方局で再放送されるドラマや時代劇が見たかったというのもあるのですが、ここ数年は深夜アニメでも役にたっていたりします。
でもデジタルってスピルオーバーしないんですね。
パワーもっと上げてくれよって感じです。
NHKだけでなく民放からもB−CASで管理されると言うのも何か気分悪いところ。
格安チューナーなんて使用公開してメーカーにデバイスが流れるようにすれば自然と安くなると思いますよ。
いま地上波デジタルなどは松下の特許とかの使用が多いのでデバイスの流通に実質的に制限が出来てしまっているからだと思います。
これ公的に制限しているわけでなく大人の世界の出来事と考えて貰えばいいこと。
コーデックとかなんかのデバイスなのですけれど、こんなの仕様公開すれば検波さえ物理的に済んでしまえばプログラムで如何にでも出来るのですから、公には言っては居ない物の「利益占有」に他なりません。
三流メーカーが生産して品質が云々というならばあらかじめ技術基準を使用に盛り込んでこれこれこういう性能を満たさないと売っちゃいけませんよとしてくれれば良いだけ。
いくらデジタルが良くてもこんな訳の分からないことやられると馬鹿馬鹿しくなってきます。
世間のおじちゃんおばちゃんにとって、スイッチが2以上あったらそれは「使いずらい」と言うことになってしまうのですから。
衛星にすればすべて解決という言う方もおりますが、昔秋田の知り合いのところにアンテナ付けに行ったら山が邪魔していて衛星の電波が入らず、急遽こっちで電柱などの電材を調達するハメになりました。
Posted by at 2007年12月30日 19:15
>>風さん

>でもデジタルってスピルオーバーしないんですね。

ですです。特に関東や県境の地域にお住まいの方はそこに不満を持たれる向きが多いようですね〜。

>技術的な制限→大人の事情

お上のお達しだけでなく、そういう面もあるわけですね。参考になります。

>山間部

こちらの方だと、さほどとは見えないような山間の地域でも、民放やBSの番組が受信できない世帯もあります。そうでなくてもデジタルは、「画質が悪いけどなんとか見える」ということはなく、「見えるか見えないか」の二つに一つとなるので、本当に難視聴地域問題をどうするのか、どうも甘く見ている気がしてなりません。
Posted by 大道寺零 at 2007年12月31日 21:39
初めまして。今日初めてblogを読ませて頂きましたが、特にこの「疑問符」について共感しています。

> 簡易チューナーをテレビにつなげば、アナログテレビで地デジ放送が見られるようにする。ただ、ハイビジョン映像やデータ放送は受信できず、画質は現行のアナログと同等の標準画質となる。

言っていることおかしいですよね。それならば、だれも何のお金もかけず、現行のままで行けばいいじゃないですか。地デジがどうしても必要ってわけじゃないんですから。日本はもっと大きな問題を抱えているはずです。

どうしてもというのなら、総務省によって、視聴者に対しては無料でこの器材を配布するようにすれば問題ないんじゃないでしょうか。つまり、「権利者」の都合で導入する地デジですから、そのコストも彼らに払わせればよいです。少なくとも、上の条件でもいいやと思う人に対しては。NHKさんなんてテレビの台数単位でお金とってるんですから、同じ台数だけ無料でチューナー配布すればいいじゃないですか。

テレビなんて、¥5000払ってまで見たくないです。画面はTVゲームに使用します(^^)v。

Posted by harmony7 at 2008年02月10日 01:51
>>harmony7さん

はじめまして。そしてコメントをお寄せいただきましてありがとうございます。

調べてみるとアナログ電波使用帯域は確かに限界に達しつつあり、電波帯の再構成・再配分は必要なことのようです。
しかしあくまでお上が勝手に期限を区切って勝手に始めたことなのに、これほどまでに負担と不便を強いるというのは、harmony7さんと同様納得がいかないのです。
受信のための負担にしても、アンテナ・チューナー類だけならまだしも、集合住宅におけるアンテナ等共同施設の買い替え(それはすなわちさらなる戸割負担)等、付属的で避けられない負担を強いられる人も多いですし、また難受信地域に向けての対策もいまだお粗末なものしか提示されていません。
加えて、別に頼んでいないのにデジタル映像を配信し、「高質の映像を劣化が少なくコピーできる→著作権を侵してアレコレするに違いない」と「視聴者みなドロボー理論」のもとに強制的にコピー制限を行うことのほうが問題だと思っています。諸外国では有料放送にだけかけているものを、無料放送の部分にまで拡大適用しているのは他に類を見ませんし、孫コピーができないなど、不便さが増えるばかりです。
私も台数分(それが無理なら世帯の人数分)のチューナーを無料配布するのが筋かと思います。
それが無理&非現実的であったとしても(もうチューナーつきのテレビやデッキを買っているから不要というお宅もあるでしょうし)、アナログ停波による買い替えで発生した廃棄テレビやデッキについては、無料でリサイクル引取りを行うべきだと思います。そうでなくても田舎ですと、ちょっと奥まったところに行くと家電類の不法投棄がひどいので、2011年前後には廃テレビの捨て去りがとんでもないことになるのでは…と危惧せざるを得ないのです。
Posted by 大道寺零 at 2008年02月10日 17:56
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