以前、「おかずや主食にイチゴがふんだんに入っているのはやっぱりナシだわ」というようなことを書いてみたのだけども、あれから何度かTVやネットレシピなどで「イチゴ入りの食事レシピ(パスタやリゾットなど)」を見ることがあって、
「これってやっぱりアリなのか」
「私の味覚と頭が固すぎるだけなのか」
と、最近とみに迷い、悩み始めている。
"四の五の言う前に一度作ってみればいいだろ"というのはぐうの音も出ない正論なのだけど、義理家族と同居している毎日の生活のこと、食事は私たち二人だけのものでなく、そして間違いなく
「洗っただけのイチゴを食後に供した方がみんな絶対に喜ぶ」
であろうことが頭によぎる。
こういう料理こそ「プロの仕事」のもとに食べてみたいものではあるが、あいにく近所のイタリア料理店(もともと少ないものが先日1つ潰れてさらに希少になってしまったが…)でこの手のレシピを食べさせてくれるという噂も聞かないのであった。
洋食メニューに使われるイチゴに関しては、以前Feliceさんからご指摘いただいたように、
「最近日本で主流になった、品種改良の末甘くなったものではなく、本来の酸味が強いものを使っているから食事としても合うのかも」
という可能性は十分にあると思う。
再び「イチゴレシピ」について考え出してしまったきっかけは例によってマズメシスレだった。
【ネットレシピは】嫁のメシがまずい 74サラ目【地雷の宝庫】
473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:24:14
今日の夕飯
うまくつくればうまいのかもしれんが
ttp://cookpad.com/mykitchen/recipe/488308/
orz
パソコンおかしくなったとき、嫁のブックマークもクリアしたのは
無駄だった。調べたら上記のやつとかみかんごはんとか、
りんご入り炊き込みごはんとかいっぱいあった。
ダンナさんの「うまくつくればうまいのかもしれん」という島本マンガのような言い回しが、これ以上なく雄弁に深い絶望と諦念を物語っている。
それはそれとして、ここで示されたレシピ(例によってクックパッドだ)がコレ。
牛肉の温かいサラダ☆イチゴのソース添え
牛肉をしゃぶしゃぶにした後、ストロベリーとブルーベリーのソースを添えました。ロゼワインや軽い赤ワインにあわせて下さい。
直球な写真である。
牛しゃぶ・イチゴ・ブルーベリーが和えられた外観はいかにもカオス。
使用調味料も多岐に渡っており、少なくともレシピを見るだけだと味の着陸点の予想が付きづらい。
・塩
・バルサミコ酢
・ブランデー
・砂糖
・バター
・EXバージンオリーブオイル
・レモン汁
特に、バター+エクストラバージンオリーブオイルというそれぞれ我の強い油脂の組み合わせ、さらに砂糖というのが凄そうではある。
これまた、例えば「サラダにはピーラーで薄くしたキュウリやニンジン、あるいはセロリ・えのき・あさつきなどを合わせて、ブルーベリーとイチゴはデザートに回したほうがみんな幸せじゃないだろーか」と思ってしまうのは私の悪い癖なのか。脳内で構築する味覚の幅が狭いのか。
まあ確かにそれで仕上げた牛しゃぶサラダは「無難だけどつまらない」かもしれない。
始末の悪いことにこの投稿者の他のレシピを見ていると、決してトンデモ系ではなくて美味しそうなものが多い。だからこのイチゴ牛しゃぶサラダもけっこう美味しいのかもなぁ?とも十分に思える。
でもなあ…この見た目…
「私が作ったなら、食べてはみる」
と相方は言ってくれたものの、他の家族はどうかな?とか、色々作りもせずに考え込ませるには十分なインパクトではある。
ネットでイチゴを使った食事レシピを検索してみると、そこそこ出てくる。
例えば、「宮崎を食べよう on the web / 果物料理 / いちご料理(NHK宮崎)」には、
・いちごとセロリのごまあえ
・ポークソテーのいちごソース
なる料理が登場している(まあ後者はフルーツソース+肉の組み合わせなのでそんなにエグそうでもない)。
他にも色々あるが、検索し始めてほどなく、有名な「寄食の館」に行き着いてしまったあたり、まだまだ取り扱いの難しい世界なのかもしれない。
ちなみに「寄食の館でたどり着いた料理」は「イチゴ茶漬け」なのだが、レビューを見る限り「クリームリゾットとイチゴの相性自体は悪くない(梅干が不協和音をもたらす)」らしい。やっぱりイケるのだろうか。
それにしてもメニューそのものよりも店の名前(と枕)がすごい。
「お茶漬けとイタリア料理のお店 "ニューヨーク"」
全方位からあらゆるツッコミが可能にもかかわらず、突っ込む気力が一気に失せるこのパワー。そんでやっぱり愛知なのか。
ちなみに同店では「パイナップル茶漬け」「ピーチ茶漬け」などの各種フルーツ茶漬けが有名らしく、同サイトには上記メニューのレポートも有り。まあ、一滴も「茶」は介入してないわけだけども。和食のお店などで出てくる茶漬けも、かかっているのはダシのことが多いから同じようなものか……いや…怒られるよな…
結局私の中での「料理内イチゴ」の許容範囲は、「野菜・フルーツ中心のサラダ」とか「軽めの魚介料理にあわせるソース」「豚・鶏のプレーンなソテーに合わせるソースの素材」というエリアまでなんだろうな、と思う。
例えばこんな感じ。
・イチゴのソースで食べる魚介類のサラダ
まあ、春になると浜中のほうのイチゴが安く手に入る(小さめのものが1パック200円しないくらい)ので、休日の二人用昼食にちょっとサラダでも試してみるという手もあるか。気が向けば。
最近「トンデモ風」「地雷臭」のするレシピを眺めていて発見したのが、この手のメニューに高確率で添えられているフレーズとしてよくあるのが、
「ワイン(それも甘め・あるいはスパークリング系)に合う」
という系統のもの。
ご多分に漏れず、前述の「牛しゃぶイチゴサラダ」レシピにも
『ロゼワインや軽い赤ワインにあわせて下さい。』
の一言が。
偏見かもしれないが、突飛な食材の組み合わせやトンデモに一歩足を突っ込んだ料理の免罪符になる便利な言葉として「ワインに合う」がしばしば用いられているような気がしてならないのは、普段から甘口ワインが好きじゃないせいだろうか。
それだけ日本人とワインの関係がまだまだこなれていない、けれどもそこそこ馴染んではいるという微妙な(あくまで一般的に慣らして考えた場合)距離感のもとにあるということかもしれない。
例えば上記の牛しゃぶイチゴサラダのレシピに「甘めの日本酒やフルーティな吟醸酒に合います」「米焼酎に合います」と書いた日には日本中の左利きから猛反発を食らいそうだが、「軽いワインに」とあると「ふーん、そんなもんなのかな?」と思ってしまう。
逆にこれが、ポピュラーとは言えない酒を持ち出して「ピンガにぴったり!」「ウゾにもアラックにもベストマッチ」と言われると今度はたいていの人が想像も出来ず、「ふーん」の一言もなかなか出ないということになってしまう。
そういう意味で、引き合いに出すには非常に便利な存在になっている…のかもしれないと思ったのだった。
わたしはコンサバでいいです
考えが貧相と言えばそれまでだけど他においしい食べ方があれば「普及しているはず」だからやらない。
そもそもミルク掛けるのもイヤですから(笑
む、罠か…やはり罠なのか…
しかし「フルーツ飯」の脅威は、いつヨシ○イさんを襲ってもおかしくないのであった…
>>風さん
>他においしい食べ方があれば「普及しているはず」
それは私も思います。
ただ、「イタリアではけっこう普及している」というところにちょっと迷いが生じるのです。もっとも、イタリアで料理に用いられているイチゴの品種や味の傾向を知らないとなんともいえないですね。とちおとめ・とよのかなどの甘いイチゴは日本人好みなので…
>>Feliceさん
いやそんな、私基本的に田舎料理しか作れない人間ですから…
うーん、気が向いたら「オリーブオイルと合う」かどうかの検証をシンプルなサラダででもやってみるかもしれません。5,6月に地物イチゴの小粒が安く手に入るようになったらの話ですが…
というか週末ワイン族で料理上手なFeliceさんこそ、検証するのにバッチリな環境な気がしてきましたぞ。