マックのバーガーから寄生虫(新潟日報 NIIGATA NIPPO On Line)
新潟市中央区笹口2のマクドナルド新潟駅南店で1月初めに販売されたハンバーガーから寄生虫が見つかっていたことが29日、分かった。日本マクドナルド(本社・東京)は「凍結によって寄生虫は死滅しており、健康への影響はない」としている。
同社によると、1月2日未明、同店で白身魚のフライを挟んだフィレオフィッシュバーガーを購入した客から「ハンバーガーから茶色の糸状のものが出てきた」と連絡があった。検査機関で調べた結果、原材料のスケトウダラに由来する寄生虫「テラノーバ」と判明した。
同店では同月1、2の両日で計169個のフィレオフィッシュを販売したが、ほかに異物混入の報告はないという。
魚の加工工場はタイにあり、寄生虫などの異物は通常、手作業による工程を2回行って取り除く。今回も同じ作業をしたが見落としたとみられる。同様の事例は2007年に全国で2件、2005年に同1件発生している。
時節柄、連絡した客が「何かの異物混入では?」と不安になるのは不思議なことではないけれど、この一件をもって(しかも子供ならまだしもいい年をして)「マック死亡」「もうフィレオフィッシュ食えない」と言い出したり、中国毒餃子と同列に考えて騒いでいる一部の人間っていったい何なんだろう。
タラ、特にスケトウダラに寄生虫が多いのなんて常識の範疇(だからスケトウダラは生食しない)だし、そもそも人為的に加えたわけでもなし。
今回のニュースで言う「テラノーバ」はおそらく、「シュードテラノーバ・テシピエンス」のことだろう。これは有名なアニサキスの仲間で、アニサキスよりも若干長くて太い。見た目・形はよく似ている。色は茶色みがかっている。生で食べると痛烈な「アニサキス症(食後数時間で強い腹痛・下痢・嘔吐など)」を引き起こすのはアニサキスと同じ、冷凍・加熱で死滅するのも同様である。
(一応、死滅後に残留する物質によりアレルギーを起こすことがまれにあるが、基本的に死滅後は無害。)
一度でもカツオやタラ・スケトウダラやホッケをさばいたことがある人なら、「まあ、スケトウならそんなもんだろ」と納得すると思うのだが、これくらいでキャーキャー騒いでる人間は、ホッケどころかイカの「当たり」を見たらショック死するんじゃあるまいか。そのぐらい「何かいるのが当たり前」な魚なんだけどもなあ。
勿論慣れても気持ちいいものではないし、あまりにもアンマリだと判断したらその部分は加熱するにしても捨てる判断はするけど。
むしろマクドナルドや大手外食産業のことだから、フィッシュフライの中身はナイルパーチとかメルルーサ(タラの代用としてフライなどによく用いられる。フィレオフィッシュも以前はこちらを使っていたらしい)みたいな代用魚でも不思議じゃないと思っていたのだが、「スケトウダラ使ってたんだね」ということが初めてわかった(まあ安いしなあ)。
話が反れるが、「代用魚」の利用についても、それが適正な価格で提供されている範囲では許容範囲(できれば名前の偽装はない方がいいけど、現在の消費者の全体的な意識として、代用魚を無意味に気持ち悪がったりする風潮がまだ強いので…)だと思っている。
以前ある回転寿司チェーンで、「いずみだい」という名前の白身魚ネタが一皿120円だったか、とにかく一番安い皿の値段で供給されていた。
「いずみだい」の「正体」は、ティラピア属の「ティラピア・ニロチカ」で、1990年ころからこの名前で流通に乗るようになった。ティラピアはスズキ目なのだが、味は鯛やヒラメに似ている。すきとおった肉色、そして皮をはぐとその部分が赤いのも鯛にそっくりで、実際食べると美味しく、お気に入りのネタだった。
これが「真鯛:300円」として回っているならそれはどうよ、と思うけれども、「いずみだい:120円」の皿として供給されるなら許容範囲だし、名前からそれとなく察しろとも思うわけで。
ついでに、この手の代用魚について、首を取ったように扱う記事・番組などでよく使われるのが、「このような似ても似つかないグロテスクな魚なんです!」「やだーーー!(会場)」みたいな煽りなのだが、これがすごく嫌いだ。
中坊林太郎風に言うならば
「顔は関係ねえだろ?顔は!!おー」
である。
偽装表示・不適切価格でぼったくっていたのならそのことを問題にすべきであって、見た目がグロテスクだのヌルヌルしてるだの大きなお世話で、じゃあお前一生アンコウ鍋食うなよ、って話だ。
大体オコゼとかホウボウとか、「不細工な魚は旨い(例外もあるけども)の法則」もあることだし、深海魚だったらなおのこと、海の底で生きる個別の事情があってそうなってるのだから、自然の神秘にリスペクトこそすれ、見た目をくさして何の意味があるんだか…と毎回毎回思うのだった。
いつだったか、スケトウダラの当たりを引いた事があります。煮付けをした時に、白子からわぁ〜〜っと言うほど、虫が浮き上がってきました。その数ときたら・・・以下自粛。
こういう輩に限って、普段はしたり顔で
「自然のままが一番いい」みたいなことを言ってたりしますよね。
「アテクシ、野菜は有機栽培のものしか買わないことにしてるの」
とか言いながら、昔ながらの肥やしを撒いてるところを見たら
不衛生!!とかいって大騒ぎしたりしてw
>スケトウダラに寄生虫なんて、当たり前過ぎて何とも思いませんでした。
スケトウダラの虫の多さを知ると、しばらくはタラコ類を食べたくなる方も多いと思います。まあ「そんなもんだ」「普段知らないうちに食ってる」と思えるか思えないかは気持の問題で個人差があるとは思います。ですが、ある程度正しい知識がないと、いざ危険度の高い状態に直面したとき(醤油皿に生きたアニーが動いていたりしたらさすがにそれは食べない方がいいような時など)に適切な行動ができないんじゃないかと思うんですよね。これを機に「そんなもんなんだ」という方向に認知する人が増えれば世の中平和だと思うんですが、一時的な処理(さばいたり収穫したり)にあたった経験のない人が増えている現代ではなかなか難しいかもしれませんね。
とはいえやはり、当たりを引いてしまうと気持ちいいものではないし、状況と気分次第で捨てたくなることもやはりあります。寄生虫を見て何ともいえずヤバい気分になるのも生き物としての防衛本能なのだろうか、と思ったりして…
>>じゅまさん
>「アテクシ、野菜は有機栽培のものしか買わないことにしてるの」
とか言いながら、昔ながらの肥やしを撒いてるところを見たら
不衛生!!とかいって大騒ぎしたりしてw
都会育ち、あるいはハイソ・オーガニックを標榜する人ほどありがちですね。野菜は無農薬じゃないと、でも虫が入っていたり虫食いがあるのはイヤ!と、自分がどれほど無茶を言っているのか気づいていない人とか…