2008年04月14日

「ロボット刑事」劇場版特撮

「着やせするポエム兄ちゃん」こと「ロボット刑事」のお話ですよ。

先日の「とことん石ノ森」内で放映された「ロボット刑事」は、ピックアップした1話ではなく、総集編の劇場版だった。で、昨日それを見ていた。
放映開始が1973年4月、劇場版の公開が1973年7月の東映まんがまつりでの公開となるので、当然ストーリーはやっとこ1クールが終わった序盤。当然内容も全体的なストーリーの展開はなく、主要キャラクターの紹介や1〜12話までのダイジェストにしかなりようがない。
野田圭一氏のナレーションに乗せて、
「バドーの犯罪ロボット●●マンは倒した。しかし息つく暇もなく次の**マンが現れ…」
と、淡々と敵のお披露目+戦闘シーンが羅列されていく。Kの武装や攻撃手段は正直バリエーションが少ない部類なので、そういうものだと割り切ってもなお「のんべんだらり」な印象は否めない。

その中で唯一目と耳を奪われた場面。

「仮面ライダー」の滝和也役で好評を博した千葉治郎氏は「ロボット刑事」にも参加、アクション担当の若き熱血刑事・「新條強」役を演じている。
彼が千葉真一氏の実弟であることは広く知られているのだが、同作品の1・2話には千葉真一も「新條敬太郎」役で特別出演している。しかも役柄も、
「新條強刑事の実の兄であり、元刑事・今は弁護士」
という設定である。
この特別出演やキャラクター設定そのものがかなりのファンサービスなのだが、「もしかして事務所所属のタレントがなんかやらかしてたんだろうか?」とか穿ってしまう私は特撮を長く見すぎたのかもしれない。
(「超電子バイオマン」において、イエローフォー役の矢島由紀が10話を待たずに突然降板(原因は恋愛がらみの失踪・駆け落ちと言われているが定かではない))、数話をスーツアクターのみで乗り切り結局ドラマ内では殉職扱いにした。同13話に、事務所からの「お詫び」の意味でJACの大スター・真田広之が特別出演している。
この話を聞いて以来、場違いな大物が登場するとついこの線を勘ぐるようになってしまったのだった)


で、本編の中ではバドーの下っ端を蹴散らしたり、弟である強や芝刑事と会話をするシーンがあるのだが、

「いきなり千葉真一が登場して『兄さん』『弟よ!』と始まっても、普段見てない(見ててもメモリー揮発度が高い)ちびっこには何が何やらなんじゃ?」

と思った矢先に、そこはそれ、お子様にターゲットを絞った映画なのだからちゃんと説明はぬかりないのである。
すぐさま野田さんのナレーションが入る。

「新條敬太郎は新條刑事の兄で元刑事、現在は弁護士として正義のために戦っている。」

そこまではごく普通なのだが、間髪入れずに、

「新條敬太郎を演じるのは千葉真一氏。新條強刑事を演じている千葉治郎氏は、実の弟である。」


って野田さーーん!!(いや野田さんは台本を忠実に読んでいるだけなのだが)
いきなりそこだけ配役の話になるとか、どれだけメタなんだ。飲み物を口に含んでない時でよかった。


そんなわけで、延々と「K対敵」の戦闘を見せられる数十分。
この時期、低予算・チャチエフェクトや造形の特撮は腐るほどあるのだが、悲しいかなロボット刑事もその部類寄りである。
ジョーカーに金掛けて他に回らなかったのかな、と思うほど、安直な造形や、「人形使うならもうちょっとカメラ引きませんか」と悲しくなってくる特撮のチープさがちょっと悲しい一方で郷愁を誘う。

しかし敵の造形以上に、そのネーミングが安直、というか、あまりにもひねりがなさ過ぎて逆に斬新ですらある。

1話の怪人からしてコレ。
wakkaman.jpg
無数の円盤が合体して人型になるというコンセプトには特に文句はない(むしろ石森好みのギミック)のだが、名前が「ワッカマン」。どうですかお客さん。直球でしょう。

どうですかこの捻らなさ。

さらに後続の怪人も

・テナガマン(手が伸びる)
・ジリキマン(強力磁石が仕込まれており、時計やコンピューターを狂わせたり、鉄製のものを引き付け、鉄製ならばビルの垂直面や天井も歩ける。なぜか磁力で殺人も可能)
・ナナツマン(七つ道具を体に完備した強盗ロボット)
・コワシマン(破壊ロボット。他に何をしろと?パワーオンリーの敵だが結構強かった)
・ヒコーマン(飛べる)
・カミナリマン(電撃ロボット。Kにとってはわりと強敵)
・コシカケマン(椅子型ロボット。拉致・拷問用。電気椅子の機能もあり。女性を座らせた形で拉致して走り去るシーンがシュールかつちょいエロ)
・ハリサスマン(針を使って殺人するロボット)
・ロッカーマン(ロッカーに手足がついただけの形で、普段はロッカーとして鎮座している。人間を取り込んで殺し、そのまま仮装。焼いたあとは骨も残らない。使いようによっては便利なのかもしれない)
・スプリングマン(全身バネ[身体能力の賛辞的な意味でなく])
・ドクガスマン(毒ガスを噴出して殺人…って、説明する意味あるのかもうわからなくなってきた。なぜかロボであるKにも効くマルチなガス。)
・ガンリキマン(目から殺人光線。それって「眼力」の範疇なのか)
・ノコギリマン
・タイホウマン
・モグルマン
(頭のドリルで地下に潜る)
・レイトウマン
・ギョライマン
・カラテマン
(それは一般名詞ではないのか)
・デンネツマン
・センスイマン
・ハグルマン
(一応最終回の敵)

後半もう面倒臭くなって解説を省いたが何ともないぜ。
多分ここまでひねりのないネーミングは他にないと思う。
「ネズコンドル」とか「カメバズーカ」みたいな他作品の敵の名前がものすごく凝って見えてくるもんなあ。
一緒に見ていた相方も「これは『キン肉マン』の"ぼくの考えた超人"の世界じゃないのか」と脱力していた。

ちなみにビジュアル的にもかなり「そのまんま」なのが見て取れると思う。
(参考リンク:当時販売していた山勝のカード

この直球すぎるネーミングなかりせば、ほりのぶゆきの「怪人画報」などにおける「捻らないヒーローシリーズ」も生まれなかったかもしれない。「酒マン」とか。

同劇場版には、「ポエムをおやっさんの娘に見られて"お嬢さん、返してくださいよぉ"と照れまくる」など、Kの可愛い日常の姿のカットも入っているのだが、せっかくのこの作品ならではの味である

・最初はKを「鉄クズ野郎」とさげすむ芝のおやっさんがだんだんKを認めていくツンデレぶり
・日常の操作風景

ももっと入れてほしかったところ。せっかく名優・高品格が出てるんだし、敵ロボットとのバトルを1つ削ってもいいからもうちょっと足すべきだったのでは。

posted by 大道寺零(管理人) at 15:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮
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