「仮面ライダー」で滝・「ロボット刑事」で新條刑事を演じた千葉治郎氏はその後「矢吹二朗」と改名し、1976年に丹波プロダクションに移籍、1982年に俳優を引退、千葉県有林保護監視員として活躍していたが、近年復帰を匂わせる発言もあったとか。
今見てもやっぱりアクション+スタイルがいい。
「仮面ライダー」の藤岡弘大ケガ降板の後、もちろん2号ライダー佐々木剛も奮闘したわけだが、両者をつなぐ数話は滝がいたからこそ間がなんとか持ったのだと思う。
当然ながら滝は生身(仮面やスーツを付けない)だから、よっぽど引かないとスタントを入れるのも面倒だったはず。そこで顔出しのまま高度なアクションやバイクアクションのできる千葉氏は貴重な人材だったのだろう。
今の目で見ると、「イケメン系」とは呼べないかもしれないが、それだけに親近感とカッコ良さが際立っていて、今だに不動の人気を誇るのだろう。
引退後森林保護に携わった話は割と有名なのだが、調べてみると、ライダー収録中にもいろいろあったらしい(ただしソースや信憑性ははっきりしないので噂の一つとしてどぞ)。
66話制作当時、藤岡弘が失踪したため、滝を3号ライダーとして起用する案が検討されたが、藤岡が戻ったため立ち消えとなった。
仮面ライダー終了直後から、ロボット刑事に出演。V3は宮内洋ではなく千葉を起用する案があった。
(「しらべる」より)
藤岡ファンとしては「仮面ライダー撮影中に失踪」の話が気になるところなのでさらに調べてみた。
第66〜67話には、主人公の本郷猛が登場しません。これは藤岡弘氏がNHKのドラマの準主役として抜擢されたのですが、この話が事前に東映側に伝わっていなかったため、スケジュールの都合で諦めざるを得なくなったのです。これに怒った藤岡氏は何と失踪してしまったのです。「ライダー」に出演できずその結果、2週にわたって本郷猛が一切不在の話が作られました。その後、両者の話し合いで藤岡氏は現場に復帰したのですが・・・。
この話、どうも現在ではタブーになっているようです。まあどう考えても藤岡氏にとってプラスになるような話じゃないですからねえ・・・。
(仮面ライダーの全話解説の文庫本より)(火山怪鳥さん)
あの出来事の後にスタッフ関係者らによって「藤岡弘君を励ます会」というのが
作られ、それとの連動でテレフォンサービスがありました。
その後、藤岡弘本人は仕事が忙しくなりゲルショッカー編になってから、相打ちで行方不明など、という演出が多くなりその結果ゲルショッカー自体がショッカーより強大な組織というイメージを当時の視聴者に与える事ができたそうです。
(ホットウェブさん)
(放送事故、ハプニング)タレコミコーナー 映画、特撮編
失踪の間の2話は
・66話 ショッカー墓場 よみがえる怪人たち
(登場する怪人「カミキリキッド」は元々劇場版で初登場お披露目の予定だったがここで急きょ投入。劇場版では再生怪人扱いとなってしまった)
・67話 ショッカー首領出現!! ライダー危うし
(本来、この回登場の怪人「ギリザメス」は死神博士の正体となる予定だったがやっぱり前倒し。結果的に死神博士の正体はイカデビルにシフトしてしまう。修正が間に合わず、次回のタイトルクレジットにも「ギリザメス」の名前が入っている)
のこと。
なお、この2話において、1号ライダーの吹き替えは声優の市川治氏が担当(序盤のケガ欠場のときは納屋六郎氏だった)。
この「NHKのドラマ」は、「赤ひげ」(1972-1973放映)の「保本登」役だったらしい。(その後実際に決定したキャストはあおい輝彦氏)
藤岡氏も宮内氏も個人的に好きなわけなんだが、それはそれとして、
「千葉治郎氏がライダーの主役を張ってたら」
というifは非常に魅力的な話ではある。
(しかし滝のインパクトが強かったがゆえに、「滝じゃない別の人間として登場してライダーになる」のだったら子供の頭は混乱していたかもしれない)
さらに話が変わるが、以前調べたがこれといって適当なエントリーがないのでメモとして書き添えておくと、
「特捜最前線」で藤岡弘(桜井刑事)が「アメリカに出向」して不在の期間がある(「スキャンダル刑事」で帰国するまでの間)のだが、リアル事情としては
日テレのドラマ「消えた巨人軍(1978年)」の主演のための一時降板
説が有力のようだ。
(こういう話を2つ続けるといかにも藤岡氏が横車を通したように映るかもしれないが、少なくとも「特捜最前線」では、10年続いた番組だけあって、他のドラマや映画に出演する兼ね合いでの降板や一時離脱はよく行われており、トラブルの範疇の話とはいえないことを付記しておく。明確なトラブルと言えるのは二谷英明のロケ中の大ケガだろうか。)
千葉治郎さんは、引退なさって、そういうお仕事についてらしたのですか。しらなかったー。なつかしいです。
JJサニー千葉に弟がいてJACにも所属していた事は初耳ですからねぇ。
疑うつもりは無かったのですが検索して実の兄弟と確認した後で、2人とも芸名(出身地が千葉だから?)でもっとビックリ。
本名の方がよっぽど芸名っぽいというか武将のようなカッコイイ名前でした。
なぜ引退しちゃったのでしょうねぇ。
千葉 真一の弟、と知ったのは、この間の「とことん石ノ森」でです。カコイイお兄さんだったなあ。イケメンというより、良きスポーツマンの印象でした。治郎ライダーも、いかにも「あの頃のヒーロー」らしかったでしょう。観たかったな。
>赤ひげ事件のことは、よくおぼえています。藤岡さんとしては、大きく飛躍できるチャンスだっただけに、残念でした。
ああ、やっぱりそれなりに表立った事件だったんですね。「世論は藤岡寄りだった」という記述を見たんですけど、おおむねそんな感じのようですね。「特撮番組がイヤで」というより「純粋にブッキングミス」から生まれたことのようで、現場放棄は決して許されることではないですが、当時は今に比べて俳優に対する事務所や映画会社の縛りが強かったことも関係しているのでしょうか。
大ケガで2号登場の話はよく知られていますが、この失踪・本人不在の件は語られる機会が極端に少ないので、読んだ時には驚きました。今では「武士道」「礼節」をキャラクターの前面に押し出している藤岡氏だけに、変に黒歴史として隠ぺいするのではなく、言いづらい話でしょうけど本人の口から語ってほしいと思います。
その後大河ドラマにイイ役で出たりしたのはNHKからの謝罪の意味もあったのかもしれませんね。それを抜きにしても、殺陣や乗馬の立ち回りをスタント不要でできるだけでも特に時代劇には重宝なキャストだと思います。
調べてみると、「赤ひげ」(当時は金曜時代劇も長丁場だったんですね)はドラマとしての評価も高いようで、これに出演していたなら確かに「特撮役者」だけでないステップアップは早く訪れていただろうと思えます。
千葉治郎さんは、活躍なさった時期は長いとは言えませんが、滝役で見せたカッコよさは(なまじ老けてからの姿をめったに見せなかっただけに)色あせぬまま伝説になってますよね。
コミック「仮面ライダースピリッツ」の1巻に、千葉さんの写真付きメッセージが掲載されていました。多少年輪は増えていましたが滝のイメージそのままに十分若々しくカッコ良かったですよ。
>>クマさん
>本名の方がよっぽど芸名っぽいというか武将のようなカッコイイ名前でした。
言われてみれば確かに武将っぽい!
茶人とか学者と言われても「ふ〜んなるほど〜」と言ってしまいそうな、「エエトコ」の香りがする名前ですよね。
千葉兄弟(特に兄)の芸名のイメージってなんとなく、北辰一刀流の千葉周作とかぶるものを感じるんですが多分私だけでしょう;
「本名の方が芸名っぽい」方ってけっこういるんですが、私の中でのナンバー1は、うっかり八兵衛の「高橋元太郎(本名:風間元太郎)」氏です。
>>ネコトシさん
>矢吹二朗
この芸名は今回検索して初めて知りました。
演じた役の名前をそのまま付けた改名だそうです。以前はデビューの際に役名そのままの芸名にすることがよくありました(早乙女愛とか、最近では江口洋介とか)が、ある程度実績を積んで名前が定着してから変えるのは比較的珍しいパターンかと思います。
字の一部や表記を変えるだけならいざ知らず、芸名を全面的に変えると同一人物として認識されなくなるリスクもあり、成功したのはほんの一握りかと思うのですが、芸能人には珍しくないんですよね…改名。
>イケメンというより、良きスポーツマンの印象でした。
そうですね〜。本郷猛も頼れるお兄さんでしたが、主人公だけにちょっと優等生すぎて近寄りがたいイメージもあって(設定もスーパーエリートでしたし…)、それに比べると滝さんは「少々のヤンチャは笑って許してくれて、罪のないイタズラを教えてくれたりしそう」な親近感がありました。一文字隼人もどっちかといえばそっち寄りかな。
(ちなみにこれが兜甲児になると、現役の悪ガキだけに「あのお兄ちゃんと遊んじゃいけません」と親から隔離される、でも子どもからは絶大な人気を誇るタイプって感じになりますな。印象としては、滝さんは両者の中間というか、もちろんそれぞれに魅力的なお兄さんであることは言うまでもないのですが)
>治郎ライダーも、いかにも「あの頃のヒーロー」らしかったでしょう。
そうですね〜。
今の特撮(変身前)を見慣れた人が昭和の特撮を見ると、
「主役がモッサリ」「顔が濃い」
と拒絶反応を起こすことも多いかと思うんですが、見た目のスマートさというより男臭さ、そして何より「変身前にある程度動ける」ことが重視されたキャスティングが非常にしっくり来るのです。これは世代…というよりも趣味の問題だと思いますが。
「治郎V3」が実現していたなら、滝が改造される展開だったのか、それとも全くの第三者として登場していたのかは分かりませんが、もしも前者の設定だとしたら…やはり本郷も一文字も、「滝には生身の人間でいてほしい」と願ったでしょうし、没になってもしかたがなかったのかも…とかなんとか妄想してしまいます。つまりそのくらい魅力的なプランだったんだなあと。
あるいは「仮面ライダーSpirit」第一巻じゃないですが、デストロンの登場→ライダーはいない→俺が何とかしなきゃ→無力→大切な人たちを次々失う→デストロンから逃げてきたMadな博士を保護→改造手術をして欲しいと依頼→無名のライダーとしてデストロンに立ち向かう
→しかし不完全で、絶大なパワーを持つが不安定→そんな中で中ボス的な奴と戦う中で致命的なダメージを受ける→Mad博士も死亡→ボロボロになりながら戦うとそこにライダー1号2号が登場(この辺は東映漫画まつり)
→1号2号、正体不明のライダーが滝だった事を知り驚愕→「滝には生身の人間でいてほしい」→「でももう戻れない」→デストロンがここぞとばかりに大暴れ→そこにライダー1号、2号と共に、仮面ライダーとしての改造を施し、パーフェクトなライダーVer.3としてのV3が登場する。
みたいなのはどうでしょう。
不完全な部分としては、
・ライダーキックをすると身体が麻痺する(ZZみたいに)
・ある音波を受けると神経が混乱する。(ギルの笛の音みたいに)
・戦っている最中敵の姿に、殺された大切な人たちの顔が浮かび攻撃が出来なくなる。
などはいかがでしょう。
ちょ、何ですかその「燃える俺設定」は…!
改造してくれる博士がFBI時代の顔見知りだったりとか、そういう味付けもありですかねぇ。
ライダーマンのように体の一部だけ改造しててそれゆえのリスクがあったり、あるいはズバットのように強化服設定とか、けっこう妄想が広がってしまいます。
仮面ライダーは基本的に変身後の制約は特にないことが多いですから、何らかの制約があるとそれはそれで燃える気がします(個人的に)。
私は、千葉さんは最高のイケメンと思っています。
数年前に復活したライダーのイベントで、千葉さんは両手をひろげて左右のファンにタッチしながら、客席通路から登場しました。うれしいファンサービスでした。会話も素直な内容でよかったです。