客の入りは普通の休日ランチタイムとあまり変わらない程度(席がそこそこ埋まっているが座れないほどではない)で、連休としてはむしろラッキーなレベル…なのだが、明らかに洗いが追いつかない下膳済み食器がカウンターに溜まっており、なんとなくいつもと違う雰囲気。
その理由はすぐに分かった。
この店は通常、店主料理長+厨房の兄さん+ホール係の奥さんの3人で運営している(以前それ以外のヘルプ的バイトのお姉さんも見たことがある)のだが、今日は奥さんがおらず、厨房組の2人だけで配膳やオーダーも取り回していた状態だった。
ここのオープンキッチンは小さい上にタンドリー窯のスペースもあるのできっと流しスペースは少ないのだろう。洗い物が溜まることによって、必要な皿やグラスまでも不足してきているような感じだった。
とにかく相当お二人がテンパっていることは明らかで、
・オーダー品が運ばれてきたのに、水とウェットティッシュ型おしぼりが出てこない
・ミニサラダも完全に忘れ去られていたっぽい
(注文のうちだから当然声をかけて出してもらったけれども)
・いつもは別皿に出てくるタンドリーチキンとシシカバブがナン+カレーと同じプレートで出てきた
(これはこれで構わないが、よほど皿が足りない(文字通りの)「台所事情」を思わせた)
・いつもは辛さの好みを聞いて、辛さを加えて調味して出してくれるのだが、今日はチリペッパー別添えだった(しかしまあこれはこれで悪くなかった)
・ラッシーにストローなし
また、
・「お前もうちょっとスピードアップしろよ」「何言ってんすかこの状況見てくださいよ、これ以上は無理っすよ!」というような、キレと逆ギレのまじりあった剣幕の会話が時々厨房で交わされている。二人ともインドの人なので当然内容は分からないが、なぜか喧嘩言葉のニュアンスって万国共通ですな。
(流石に客へ八つ当たりするようなことはなかった)
・流しで激しい音で食器がぶつかり合ったり、ウォーターポット置き場でグラスが割れたり
とまあ、落ち着かない時間だったことは確か。
料理自体はいつもと変わらず美味かった。
地元情報誌に、「5/6〜一周年フェアでインドのデザートサービス」と書いてあったのでちょっと楽しみだったのだが、どう見てもそんな余裕のある雰囲気ではない。
現に、私たちよりも先に来たグループ客が「あの、デザートサービスってこれに書いてあったんですけど…?」と店主に話しかけていたが、ご店主もテンパっているせいか、それとも単に情報誌のほうが日付等間違ったのか、
「いえ、キャンペーンしてるのはクーポンでスタンプ2枚サービスだけですヨ?」
と話がまるで通じておらず、「あぁ、こりゃダメだなあ今日は」と早々に諦めたのだった。
「シタ」のおっかさんは、正直あんまり日本語が上手でなくて、オーダーの意思疎通がうまくいかないこともしばしばなのだけれども、「この店はあのお母さんがいないとダメなんだ!」ということがよく分かった。
贔屓目も勿論あるのだが、これまでコストパフォーマンスやサービス、店主の笑顔に惚れ込んでいるだけに、この一件だけで評価を落とすことはなく、多分今後も気が向いたらまた月1くらいで足を運ぶことは揺ぎ無いと思う。
ただ、ここ1,2年で急に各国料理(特にインド料理)の店が増えた庄内で限りあうパイを争っていくのだから、連休の新規客が多いような時期にこういう状況を見せてしまうのは上手じゃなかったなあと。潰れてほしくないと願えばこそ残念な日だった。