たまに実家に帰った時に見る限り、どちらもなんとか営業は続いている?ようだ。
小学校中学年くらいまでは、美容室ではなく床屋で髪を切ってもらっていた。
その頃その美容室がけっこう流行ってて待ち時間がかさんだりしたからだったろうか、あまり覚えていない。
床屋で切ってもらうとなるとどうしてもワカメちゃん…とまではいかないまでも基本オカッパで、小学校に上がるあたりから「ちょっとなぁ」と思いつつも通っていた。
美容室にはお母さん向けの雑誌しかなくて、床屋では男の子向けの漫画雑誌を置いていたのもポイント高かったのかもしれない。
いや確かあの頃はまだ、「床屋でオカッパな女の子」もまだいたはずで、そう、「マーガレット」が置いてあって「いらかの波」なんて読んだ記憶がおぼろげにある。床屋さんには高校生くらいの娘さんがいたので、彼女のお下がりだったかもしれない。
高学年くらいになってさすがにオカッパはいくらなんでも恥ずかしくなってきたので美容室に行くようになった。
変えた理由はもう一つ、床屋だと顔そりが漏れなくついてくる。
おばちゃんが独特のラベンダーの香りの泡をつけてくれるのは気持ちよかったのだが、異様にくすぐったがりだった私は、特に耳周りから下の方がやたらとくすぐったくてとても無理(本当はその辺が一番産毛が目立つところなんだけど)で、つい動いてしまうために我ながら「ここままだと私かおばちゃんがいつかケガするんじゃあるまいか」と思ったか思わなかったか。
とにかく、「美容室だとあの超絶にくすぐったい顔そりがない」のが大きかったのだ。
そんな風にして10何年も足を運んでいなかった懐かしい床屋に行ったのは9年前。
結婚式で白無垢を着るため、顔と襟足を剃らなければならなかったからだ。顔はともかくとして、襟足から背中を剃るのはやっぱりプロにお任せするしかない。
懐かしさと、「もしかしておっちゃんおばちゃんが出てきたら私のことを覚えているだろうか?」なんて淡い好奇心もあった。
店に出てくれたのは懐かしいおばちゃんで、そりゃ20年近くぶりに顔を合わせるのだから母と同程度くらいにはやっぱり老けていて、それでも私のことはなんとなく覚えていてくれたようだった。
「3日後に結婚式なので…」と言うとニコニコして、やたらと「おめでとう」を繰り返しながら綺麗にあたってくれた。
久しぶりの店内はあんまり変わっておらず、当時の面影を残したまま綺麗に保たれているんだなと感じたのを覚えている。
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