2009年01月29日

「熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」(1998年パルコ劇場公演)感想

先日、NHK-BSの「昭和演劇大全集」で放送されたもの。
収録公演は1998年パルコ劇場(阿部寛主演)版。

「熱海殺人事件」は、三浦洋一や風間杜夫・映画版では仲代達矢が主役を演じた元祖バージョンが広く知られているが、1990年代以降いくつもの「バージョン違い」が作られ、主人公やキャラクターの背景の設定(木村部長刑事が女性のバージョンもある)や事件の状況・ストーリーが大きく変わっている。
阿部寛演じる木村伝兵衛は、「バイセクシャル(とは言いつつほとんどゲイ寄り)で超ナルシスト」と、アブノーマル性をこれでもかと前面に押し出したキャラ作りになっており、オネエトークやウホウホな動作は序の口、女装はするわ、男とキスするわと実にハンパない。

一方で
・熱海で一人のブス女が殺された事件が軸となって展開
・木村と平刑事・木村の愛人である女刑事・容疑者の4人がインドアで繰り広げるドラマ
という「熱海殺人事件」の骨子ともいえるフォーマットはそのまま継承されている。

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posted by 大道寺零(管理人) at 17:18 | Comment(1) | TrackBack(0) | 感想

2007年07月07日

ホテルリッチ&ガーデン酒田2F「ガーデンナチュレ ふきのとう」感想

ここ数年、義母の誕生日には、付近の土日を利用して市内の美味しい料理屋で夕食をとることにしている。
酒田市内の「ゆず」がお気に入りだったのだが、数年前に店主が不祥事を起こして捕まってしまい、惜しまれつつも閉店してしまい、特に「ここ!」と決めた店がなくなってしまった。

で、今年は、改装したホテルリッチ&ガーデン酒田(元ホテルリッチ酒田)内のバイキングレストラン「ガーデンナチュレ ふきのとう」を試してみることになった。

地元の食材を使い、庄内人が好むようなあっさり目の素材を生かした味付け、ありきたりのバイキング料理より少しひねってしかも家庭的な料理がとても美味しかった。都会の女性も喜びそうかも。
ちょこちょこつまんだつもりがかなりお腹一杯に。

昼は1470円、夜は1995円でお通しセット+夜限定の品目がプラス。
この料金内にソフトドリンクバー込み
、ジュースもお茶類もあり、コーヒーもブレンドにカフェオレ・エスプレッソと種類が豊富なのはかなり良心的ではないだろうか。(アルコール類のみ別料金)
日曜日は幼児が無料、金曜日は65歳以上が割引など、色々優待があるのも嬉しい。

今日食べた中では、
・子羊のロースト
・湯葉と夏大根のサラダ梅風味
・うぐいすわらび餅
が特に美味しかった。

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posted by 大道寺零(管理人) at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(5) | 感想

2005年06月15日

「ユリイカ」6月号感想

特集が「ムーンライダーズ」だったので購入。近所の本屋になかったので、いつものようにAmazonにて先日注文した。
ディスコグラフィー的な内容では、数年前に出た「20世紀のムーンライダーズ」が読みやすい(ただし内容が「月面賛歌」まで)が、歌詞やモチーフ、アルバムコンセプトからの考察の仕方と過程がものすごく「ユリイカ」っぽい。
メンバーへのロングインタビューも勿論あり。ライダーズの好きな曲を抽出するといつのまにか白井良明曲になっている私にとっては、白井氏インタビューが嬉しい。以下、読んでみて感じた事を箇条書き。

・松田洋子がムーンライダーズによせて漫画を描いている。ライダーズ好きの漫画家としては、やまだないとや山本直樹が真っ先に思い浮かぶので、ちょっと意外なチョイス。80年代丸出しなハシラもたまらない。「ビックリハウサー」なんて単語は何年ぶりに見たんだろう。
 松田洋子好きなので勿論嬉しかったぞ。

・「ムーンライダーズに『ジンギスカン』カバーのオファーが来ていた」というエピソードはこの本一番のサプライズだった。もしこれが通っていたら、「ムーンライダーズが売れていた」か「『ジンギスカン』が売れなかった」のどちらか(おそらく3:7で後者)だったろうし、今のムーンライダーズもなかっただろう。
・ムーンライダーズの『ジンギスカン』が実現していたとして、もしも歌詞を彼らに任せていたら…と妄想する。たぶん

  僕はジンギスカン 僕を見ると娘たちは逃げてく
  怖がらないで 何もしやしない
  埠頭の羊たち 草をはむ


みたいな、さぞかしナイーブでニューウェーブで、いなたいエロをメタファーにこめるようなジンギスカンになっちゃってたのではなかろうか。
そしてどう考えてもやっぱり売れそうにない。

・人それぞれの「一番好きなライダーズのアルバム」は、「その人が最初に聞いたアルバム」である場合が多い…という文が、自分にもズバリ当てはまっていて驚いた。
 私がライダーズの音をきっちり聴いたのは、亡き玄機先輩の部屋で、バカ話とか落書きをしながら、流れてきた「ムーンライダーズの夜」と「アニマル・インデックス」が最初だった。確かに今でもこれがベストの1・2だ。

・「10代にムーンライダーズを聞かせる」という企画……つ、辛すぎて痛い……。「10代に尾崎を聴かせる」企画の続編だそうだが、性格がまるっきり違うような気もする。
私にとってライダーズは、「ひねた人間にシンクロする、ひねた人間によるひねた音楽(+歌詞)」で、時代ごとの雰囲気なんかもご馳走のうちで、あんまり普遍性豊富でないのがいいと思ってるので…
個人的には、70年代とは言わないが80年代を空気だけでも通過していないと、なかなか味が伝わりづらい音楽(むしろ存在)かなと思う。

・メンバー直筆のメモや譜面のページ。白井良明の譜面がめちゃくちゃ面白い。ドラムのパートに「たっこんたこっこ」とだけ書いてあったり、「ここはリンゴ・スターっぽい音とフィルインが欲しい」という場所に「リンゴスタ〜」「いけリンゴ」とか。楽しすぎ。

んー、それにしても、音楽雑誌とか、まして「クイックジャパン」系の本でもなく、よりにもよって「ユリイカ」っていうのがいかにもライダーズ。そのうち白井さんなんか、ギタギドラ持って「暮らしの手帖」あたりに出るんじゃあるまいか。
posted by 大道寺零(管理人) at 09:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感想