昨日「パンを踏んだ娘」で昔のアレコレを思い出しながら検索していると、2chの絵本板(初めて足を踏み入れた、というか存在を知った板だ…)
「トラウマになった絵本」過去スレを発見。
トラウマ物件は色々覚えていたはずなのだが、やはりかなり記憶が散逸していたようで、「ああ、そういえばアレもコレもトラウマだった!」と懐かしく思い出すことしきり。
挙がっている物件を見ると、どーも70年代に集中しているように思えてならん。
幼い頃のトラウマ物件の代表的なものに、永井豪の「ススムちゃん大ショック」とか、水木しげる作品とか昭和マンガ史ムック本で1、2ページしか読まなかったにもかかわらず強烈だった「つんではくずし」「アシュラ」などがあるのだが、これらのマンガトラウマと、絵本・児童書トラウマには差があるように思える。
今と違って、あの頃のマンガは「読んじゃダメと言われているのに読んじゃう」背徳的なもの(私たちの親の世代はマンガへの理解がおおむね低かった)だった。
自分で勝手に開いて勝手に受けた、いわば自爆的なトラウマといえるだろう。
絵本や児童書は違う。何しろ幼稚園や小学校・自治体の図書館に置いてあって、先生も親も「読みなさい」と奨励する。本屋に行けば、ナンチャラ福祉協議会の推薦シールが貼ってあって、安全・健全を保証している(かに見えた)。
それなのに、
妙に話に救いがない。話はともかく絵が怖すぎる。あんたら何考えて俺らにコレ読まそうとすんのよ?大体本当に自分で読んでこれを「子供が読んでも大丈夫」って認定したのかよ?バーカバーカえーんえーん。かくして、夜トイレに一人で行けなくなったり、押入れや天井の木目が恐ろしくてたまらなくなったりする子供が量産されたのであった。
「一見恐怖物件に見えないので油断する」「学校や図書館、児童書コーナーにあるので、一冊で多くの人数が長きに渡ってダメージを受け続ける」という点を考えると、
一種のテロといってもいいかもしれない。
*「かたあしだちょうのエルフ」(読み聞かせFlashへのリンクあり。BGMも朗読もイマイチだけど全文収録)
これは小学校の時に買ってもらった(探せば実家にある)ハズ。
一言で言うと「勇敢なダチョウ」の泣ける話なのだが、救われなさ過ぎの話、あと絵が妙に怖い(特に襲い掛かる黒豹)。
実家の裏手の水田地帯の中に、一本だけ立っている木がエルフの木とソックリで、しかもその根元に墓石がポツンとあったりしたもので、「なんかとてつもない怪談が秘められているのでは」と、その木を眺める度にいらん恐怖に駆られた。あまつさえ、自分一人が怖がっているのも悔しいので、
それっぽい怪談(木といえばやっぱり首吊り系ダヨネ)をでっちあげて語り、近所の子にムリヤリ恐怖を共有させたりしたもんだ(何やってんだ自分)。
子供心に、自分の子供の恩人なのに援助をしなくなる周囲の動物の薄情さに「ひでー」「
ジャングル大帝じゃありえないね!」と憤慨し、同時にサバンナの過酷さを学んだような学ばなかったような。
サバンナといえば、「野生の王国」系の番組も多かったのだが、綺麗でかっこいい鹿やシマウマが肉食獣やハゲタカのご飯になっちゃうシーンもお食事時によく放映されていてショッキングだった。どうしても食う方が悪いように見えて、「おいおいカメラ回してるんだったら助けろよ〜!」と叫びたくなったものだ。
ここにもやはり
「ジャングル大帝じゃありえないのに!」って感覚があったように思う。
インパラもライオンも一緒になってフルーツ食べたり、あまつさえ農園作ったりする甘っちょろさ(少なくともTV版は…この頃に真の「レオ」最終回を読んでいたらメガトン級のトラウマだったろうけども。)だったからなあ。今思えばそういうリアルな映像があったからこそバランスを崩さないですんだともいえるのだが。
*「ねないこ だれだ」今もなお現役バリバリベストセラーの、せなけいこ作の絵本。
「夜中はおばけの時間なのに、寝ない悪い子はおばけになって、お化けの世界に飛んでいけ」と、夜更かししている子がおばけに連れられて空の彼方にフワーリと飛んでいく(既に足がなくなっている)場面で終わり、あまりのノーフォローぶりに戦慄した。
記憶では、一番最後のページに、フクロウがたたずむ闇夜の絵が来ていて、飛んでいくシーンそのものよりも、
「子供が一人おばけになって消えたところでどーってことない」雰囲気満載なのが怖かった。
とはいえ、これをはじめて読んだのが既に幼稚園に上がってから、友人の家でだったのでそうした恐怖を感じたのかもしれない。
実際に子供に読み聞かせた人の日記などを読むと、この絵本で寝かしつける本来のターゲットである3歳〜の幼児は、怖がるよりもオバケやオバケの世界にときめいて、「この絵本大好き!」と好むパターンが多いとか。
多少ものがわかってきた年代になると怖くなるのかも。
ロングセラーなので多くの人に愛され、こんなパロディまでもあちこちで見られる。
*「
ねないこ だれだ の ばりえいしょん」(朝目新聞)
*「
ねないこ だれだ(ギャラリーまとめサイト?)」
他のトラウマ物件に関してはまた語るかも。
posted by 大道寺零(管理人) at 14:37
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