山形県内には「在来野菜」がたくさんある。
しかしそのほとんどは、「手間がかかる」「その割に安くしか売れない」「形が不ぞろい、数がある程度揃わないので流通に乗りにくい」「地元以外に食べ方が伝わっていないため出荷しても売れない」などの理由で生産農家が減り、事実上絶滅してしまった種も少なくない。
庄内でもその状況は同じなのだが、ここ数年「地産地消」の伝道者として県内でめっきり有名になった「アル・ケッチャーノ」の奥田シェフらが音頭を取り、自分の店で率先して使うことで生産契約を取り付け、また客に知ってもらい再び知名度を上げて消費を増やし、生産を復活させる取り組みが行われている。
全ての作物について成功しているわけではないが、ここ数年勢いづいてきた「平田赤ネギ」など、見直しや広報が功を奏してきているのは確かだ。そんで実際食べてみると美味しいんだコレが。
そんな在来野菜の一つ、鶴岡市(地域的には旧櫛引)の宝谷の「宝谷かぶ」に関するローカルニュースが先日流れていた。
宝谷かぶは、「かぶ」と言っても、一見短めの大根に見えるような品種。形がねじれ曲がっていてひげ根が多く、調理しづらいために敬遠されて、今では1件の農家が種を持って細々と作っているだけになってしまったが、生でも漬物でも加熱しても非常に美味しいかぶだという。
その生産を再び活性化させるために自治体が考え出したのが、一般の人から出資を募り、現物配当+収穫体験や調理講習試食会に参加できる権利を与える「蕪主制度」。
うん、一個もひねりのないネーミング。
でも「蕪主総会」を扱ったニュース映像を見ると、「アル・ケッチャーノ(いまや人気が出すぎて予約がないと入れない)」での試食会の様子などなかなか楽しそうだった。
鶴岡市櫛引庁舎 産業課 山形庄内在来野菜 宝谷かぶ 蕪主募集
によれば、2006年の「蕪主総会」の内容は
・宝谷そばで「おろしそば」、「漬物」、「ドンガラ汁」、「蕪しゃぶ」
・知憩軒の「蒸し蕪」、「黄金揚げ」、「切干蕪」
・アル・ケッチャーノの「蕪ピザ」、「蕪と蛸のパスタ」
と、(庄内人以外にはなじみのない店かもしれないが…)かなり垂涎の内容。櫛引周辺の名店の味が一度に楽しめる上に奥田シェフじきじきの講習会+宝谷かぶお持ち帰りで7000円(追加料金アリらしいが)なら非常にリーズナブルといえるのではないだろうか。
面白い取り組みだと思う。いくら口や文章で「貴重な在来野菜だから頑張って作ってね」と言ったところで、需要や元手がなければ農家の人だってボランティア続けてられんだろうし。
2007年12月07日
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